いまやスキーヤーの必須アイテムのひとつとなったヘルメット。ゲレンデを滑るときも、バックカントリーを滑るときも、転倒して頭を打つ可能性はつねにあるもの。万が一の危険を未然に防ぐために、滑走時はつねにヘルメットをかぶることが大切です。では、いったいどんなヘルメットを選べばよいのか? ここではヘルメットを選ぶときのポイントを紹介していきたいと思います。
ヘルメットを選ぶときのひとつめのポイントは、基本構造を知ることです。ヘルメットには「ハードシェル構造」「インモールド構造」「ハイブリッド構造」の3タイプがあり、少しずつその特徴も違ってきます。それぞれの特徴を知ったうえでヘルメットを選ぶことで、自分の目的に合ったヘルメットを選ぶことが可能になります。
【ハードシェル構造】
ハードシェル構造は、プラスチック素材などのアウターシェルにインナー(発泡材)をはめ込み、接着した構造です。
伝統的な構造法で、丈夫で頑丈に仕上がるため、安全性や耐久性が高くなることがメリットです。その反面、重量がやや重くなってしまうのがデメリットな部分。レーシング系ヘルメットに多く採用されているのは、高い安全性というメリットが反映されているためでしょう。
【おすすめモデル】

UVEX
plus 2.0
ウベックスのロングセラーモデル。ハードシェルでありながら460g(M サイズ)という軽さを実現。横幅が広めで日本人にもかぶりやすいフォルムをしてい ます。

GIRO
RANGE MIPS
接続型ハードシェル構造という特殊なタイプ。シェル自体が動いてサイズ調節できるのが最大の特徴。MIPS も搭載しし、安全性の高いヘルメットです。
【インモールド構造】
インモールド構造は、アウターシェルとインナーを接着剤を使うのではなく、高い圧力をかけて圧着し一体化させた構造です。軽量に仕上がることが特徴ですが、耐衝撃性など、ヘルメットに求められる性能は十分に発揮してくれます。現在発売されているヘルメットでもっとも多く採用されている構造で、なかには400g を下回る驚くほど軽いモデルも存在します。
【おすすめモデル】

MARKER
COMPANION +
スタンダードなシルエットを特徴とするモデル。ホワイトカラーはレディスモデルとしてフリースインナーを採用。暖かさをプラスしています。

OAKLEY
MOD1 ASIAN FIT – MIPS
フリースタイルなルックスとリーズナブルな価格が特徴。ヘルメット内部もかなり広く、側頭部の当たりに悩んでいる方にもおすすめ。
【ハイブリッド構造】
ハイブリッド構造は、ハードシェル構造とインモールド構造を組み合わせた構造です。多くの場合、ベースにインモールド構造を最小し、頭頂部や後頭部にハードシェルをかぶせて強度をアップさせています。ふたつの構造を組み合わせることにより、耐衝撃性はもちろん、ほどよい軽さと耐久性を兼ね備えた仕上がりになっています。最近、採用モデルが増えてきている構造です。
【おすすめモデル】

SMITH
LEVEL MIPS
今季、ALL MIPS にリニューアルしたモデル。〈VANTAGE〉と同じコロイド構造を採用し、安全性の高さが特徴です。

ALPINA
ALPINA GEMS
暖かに定評のあるラバラン羊毛素材を採用しているモデル。かぶり心地の良さが特徴です。
ふたつめのポイントは、かぶり心地です。日本人の頭は、上から見ると丸型で、前から見るとハチが張っていることが多いのが特徴です。それに対して欧米人の頭は、上から見ると卵型で、前から見るとそれほどハチが張っていないことが特徴になります。そのため欧米で設計されたヘルメットをかぶると頭が痛くなってしまうことがあるのですが、それを解消するために用意されているのが「ASIAN F(I アジアンフィット)」のヘルメット。これは頭の形が丸型で、ハチが張ったアジア人向けに調整が施されたモデルです。特にハチからハチ下にかけてボリュームがある方には、アジアンフィットがおすすめです。
【おすすめモデル】

ATOMIC
NOMAD GT AF
ヘルメットの内側に丸さを強調した形状を採用。あらゆる日本人の頭を受け入れてくれるフィット感のよさが特徴。サイドの広さに驚くはずです。

SALOMON
PIONEER LT AF
アジアンフィットの超軽量モデル。横幅にも余裕があり、USサイズと比べると1サイズ下でも頭が収まります。リーズナブルな価格も魅力。
もうひとつヘルメットを選ぶときに気をつけてもらいたいのは重さです。ゲレンデユースを考えるのなら、なるべく軽いモデルがおすすめ。各構造ごとの重さのおおまかな目安を掲載するので参考にしてください。
カスタムフェアに集まるアクセサリーの品ぞろえは世界一レベルの豊富さ。カタログに載っているほぼすべてのモデルやカラー、サイズを確認できます。カスタムフェア会場を訪れて、気になるヘルメットのかぶり心地や重さをチェックしてみてください。