2018年7月23日(月)
北アルプスの『烏帽子岳(標高2628m)』へ、ブナ立尾根 日帰りピストン山行してきましたのでレポートします!
↑烏帽子岳山頂。
※今回の山行は、アクセス方法やらダム紹介やらで、いつにも増して前置きが長くなっています。
「登山道や山頂の写真が早く見たい!」って方は↓
→→コチラをクリック(ブナ立尾根登山口までジャンプします)←←
烏帽子岳の位置関係ですが、ズームアウトしたマップで表示すると↓こんな感じになります。
南に槍ヶ岳や穂高岳、北に立山や剣岳があり、それらの中間辺りに位置している山です。
◇日本三大急登『ブナ立尾根』について◇
今回挑む烏帽子岳へは、日本三大急登(兼 北アルプス三大急登)の一つ「ブナ立尾根」から登ります。
七倉山荘から烏帽子小屋までの標高差は約1500m。ブナ立尾根登山口からでも約1300mを一気に登るハードコースです。
ちなみに日本三大急登とは「ブナ立尾根(烏帽子岳)」 「黒戸尾根(甲斐駒ヶ岳)」 「西黒尾根(谷川岳)」を指します。
昨年は黒戸尾根に挑んだので、今年は「まだ未踏破のブナ立尾根を登りたい!」と思ってて、念願叶った山行でした!
◆今回歩いたコース◆
4:11七倉山荘START ~ (徒歩) ~ 5:10高瀬ダム ~ 7:23烏帽子小屋 ~ 7:58烏帽子岳 ~ (8:13下山開始) ~ 8:43烏帽子小屋 ~ 10:30高瀬ダム ~ (徒歩) ~ 11:26七倉山荘GOAL
タイム:7時間14分/距離:21.66km+α(トンネル内GPSロスト分)/累積標高(登り):2078m
※スピードハイク(ファストハイキング)でのタイム。
※高瀬ダムまでトンネルが多く、GPSがトンネル内ロストしてしまい軌跡にズレが生じています。
距離や累積標高値も、あくまで参考値として捉えて下さい。
七倉山荘から徒歩で高瀬ダムに向かい、ブナ立尾根から烏帽子岳へ登頂 → 再びブナ立尾根で高瀬ダムへ下山し、再び徒歩で七倉山荘に戻る。という全行程20km越えの、日帰り登山としては超ロングコース※です。
※高瀬ダムまで往復 タクシーを使うとしても、約12kmの行程となります。
山と高原地図(2018年版)によると、コースタイムは[高瀬ダム⇔烏帽子岳で、登り6時間20分/下り4時間15分]
そこに徒歩なら[七倉山荘⇔高瀬ダム間(行き1時間30分/帰り1時間15分)]がプラスされます。
コースタイムを見るに、ゆっくり登ってては日帰り登山は不可能なので、今回は軽登山靴+軽量化装備で身軽に速く行動する、
いわゆる「スピードハイク(ファストハイキング)」で挑むことにしました。
あくまで”歩き”をベースに、ペースを上げられるところは早歩きで歩くという、トレランとはまた違った山行スタイルです。
登山靴はAKU(アク)の[モンテラGTX]をチョイス。
重量530g(UK8)と軽量ながらハイカット仕様で安定性もあり、ミシュラン パルサーソールを採用していて
ソール自体が少し柔らかくて食いつきがよく舗装路も歩きやすいという、今回の山行にぴったりな靴。
(残雪期は軽登山靴ではなくアイゼン装着可能な登山靴を選びましょう。)
ザックは数世代前のモデルですがグレゴリーの[ミウォック22] 長距離のトレランや旅ランで長らく愛用してきた相棒。
雨具はノースフェイスの[ストライクトレイルフーディー(NP61672)] 重量わずか110gという、超軽量な防水シェルです。
軽量化とは言いますが、手ぶらで登る訳にはいきません。必要な道具がキチンと選定できてこそのスピードハイクだと考えます。
スタート地点となる七倉山荘へのアクセスは、①車を使う ②タクシーを使う ③夜行バスを使う、の3パターンです。
私は専ら①ですが、さいたま市からだと安曇野IC経由で約280kmの長旅です。
手前の麻績(おみ)ICからの方が距離は短いですが、峠越えが面倒なので安曇野IC乗降の方が下道の運転が楽です。
七倉山荘には、手前に50台くらいは駐車できそうな駐車スペース(無料)があります。
深夜に到着しましたが、その時点で20台くらい止まっていました。ちなみに下山時は30台くらいでした。
(見やすいように、下山後に撮影した写真を載せています。)
(写真左)七倉山荘手前の駐車場。標高1060m地点なので朝は涼しく(朝4時で20℃)仮眠や車中泊もしやすいです。
(写真右)七倉山荘。日帰り入浴も可能な温泉宿です。下山後直ぐ入浴できるのは助かりますよね。
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この七倉山荘からまずは高瀬ダムを目指すわけですが、この先の道路は東京電力管理道路をとなっていて、一般車は通行禁止です。
高瀬ダムまでのアクセス方法は①タクシー(相乗り可) or ②徒歩の2通りになります。
タクシーですと片道15分で、徒歩だと1時間30分、距離にして約6kmの道のりです。
↑七倉山荘手前にあるタクシー乗り場。七倉⇔高瀬ダム:片道2200円(所要時間15分)です。
ちなみに七倉山荘奥にはゲートがあり、そのゲートはAM5:30にならないと開かない(開門時間は時期による?)ので、
タクシーの始発は早くとも5時30分ということになります(詳細はタクシー会社へ直接お問合せ下さい)
高瀬ダムまでタクシーを使う予定の方は、順番待ち等によるロスもあり得ることも念頭に、余裕を持った登山計画を立てるといいでしょう。
※高瀬ダムからの帰りのタクシーの乗り方は後述します(←ページ後半へジャンプします)
私はと言いますと、高瀬ダムまで徒歩を選択しました。徒歩なら24時間通行可能なのと、
「折角のスピードハイクなら、タクシーを使わず歩くしかないでしょ!?」って単純な理由です(笑)
↑七倉山荘奥のゲート。
夜行バスで来たとおぼしき登山客数名が、既にゲートを越えて歩き始めていました。
↓コチラが、高瀬ダムへ向かう登山客を待ち受ける、最初の関門?[山ノ神トンネル]です。
ほぼ直線のトンネルで、距離は1kmほどあります。
ご覧の通り、トンネル内は明かりが一切灯っていません。
この中を歩いて通過するのでヘッドライトは必須です。
↓山ノ神トンネルを通行中の写真です。
ヘッドライトを点けて、フラッシュをたいてこの感じです。ヘッドライトを消すと、真っ暗というか
闇です。
トンネル内の気温は17度前後で涼しくて、スタート時はアームカバーを着用していました。
ヘッドライトはこの日がデビュー戦となったペツル[アクティックコア(最大照射350ルーメン)]を使用。
最大照射モードにすると、かなり広範囲を明るく照らせて歩きやすかったです。
トンネルは計4本あり、最初の山ノ神トンネルが最も長いトンネルです。
他に覆道(シェッド)もいくつかありました。
(写真左)地上に出ると物凄く安心します。
(写真右)明かりが点いているトンネルも1つだけありました。
途中左に分岐があったりしますが、高瀬ダムへはとにかく道なりに直進です。
平坦な道が多いのでサクサク進んでいきます。
↑高瀬ダム前最後のトンネルも、ご覧の通り真っ暗でした。
真っ暗なトンネル内を歩くなんて中々ない経験でしたが、人によってはちょっとした試練になるかもしれませんね。
4本目の最後のトンネルを抜けた先に、ドーンと高瀬ダムが現れます!
トンネルから出ていきなりコレですからね、圧倒されますよ!
堤高176メートルで、あの黒部ダムに次ぐ日本第二位の高さを誇るダムなんです!
この高瀬ダムは、土や岩を積み重ねて固めて水をせき止めるロックフィルダムというタイプのダムで、
ご覧の通り岩石がむき出しのまま、幾重にも積み重なっています。
つまり、ロックフィルダムの中では日本第一位の高さということですね!
別にダムマニアではないですが、この巨大建造物には思わずロマンを感じられずにはいられません!
そんな高瀬ダムのダム壁の間の道路を、つづら折りにひたすら登っていきます。
タクシーやダンプも通るので道幅は広いですが、その分ゆるやかな登りにして距離を取っているので、結構歩きます。
トンネルもそうですが、早朝以外の時間はタクシーやトラック、ダンプなどの車も通りますので、十分注意して歩きましょう。
集団で歩く際は、道幅を占領するなんてもっての外ですよ!
こうやって下を覗いてみると、いかに高いダムなのかが分かります。
↑写真の、黄色い矢印付近から登り始めました。
AM5:10ダム頂上部に到着。
七倉山荘からここまで、早歩きで約1時間ですので、ゆっくり歩くとやはり1時間30分はかかると思います。
(写真左)ダム頂上道路は左右に分岐していて、烏帽子岳へは右に進みます。
※ちなみに左に進んだ先にある建物そばに、タクシーを呼ぶ際に使う公衆電話があります(要10円玉)
(写真右)タクシーを使えばここの地点まで、約15分で来れます。
この先は不動沢トンネルを通ります。上には展望台もありました。
ここのトンネルからはタクシー組も歩いて通過する必要があります。
内部は明かりが点いているので、ここではヘッドライトは使いませんでした。
トンネルを抜けた先には、不動沢吊橋という長い吊り橋がかかっていました。
一人で渡ればそこまで揺れませんでしたが、足元の木板の隙間とかに引っ掛けないよう注意して通行しました。
吊り橋を渡った先は白砂の大地が広がっていて、濁沢キャンプ場の横を通り登山口へ向かいます。
(写真左)濁沢キャンプ場。下山時にテントが2張りありました。
(写真右)橋を渡ります。下の沢は、まさに濁っていました。
ちなみに奥には水量豊富な滝が見えました。
後から調べたら、濁沢の滝という名前らしいですね。
近くまで行ける?みたいですが、足元悪そうだし登山道とは方向が違うので止めました。
AM5:29、ようやくブナ立尾根の登山口に到着!
ここからがいよいよ本格的な登山道!前置きがが長すぎた。
(写真左)登山口横の警告板と水場。コース上に水場はココだけですので補給を忘れずに!
(写真右)ブナ立尾根登山口は、裏銀座縦走コースの登山口でもあります。
↓こちらの写真はブナ立尾根を登り切った先にある烏帽子小屋付近にあった看板です。
上の(写真右)の、黄色い標柱上部に「12」と書かれた標識が付いているのがお分かりでしょうか?
この先ブナ立尾根では、12~0までの番号が書かれた標識が設置されています。
どれも小さい標識なのでつい見落としがちですが、探しながら登って目安にするといいでしょう。
ブナ立尾根は日本三大急登の名の通り、登りが続き、平坦部はわずかしかありません。
ですが登山道自体は明瞭で、よく踏み固められているのでそこまで歩きにくくはなかったです。
(写真左)序盤にある鉄製の階段。狭いので一人ずつ登っていきます。
(写真右)道中見つけた7番の標識には「一休み」と書かれていました。
とにかく樹林帯の中を、ひたすら登っていきます。
最近の登山では終盤脚を吊りそうになることが多かったので、今回は登山道に入って直ぐにトレッキングポールを取り出しました。
トレッキングポールを使うと、脚を上げる際に余計な筋力を使わず効率よく登ることができます。
あまり変わり映えの無い景色の樹林帯がこの先続きます。
登ってて燕岳の合戦尾根を思い出しましたが、キツさではこちらが一段上でした。
ベンチとかはありませんが、ちょっと平らになっている場所はいくつかあります。
小屋も水場も道中ありませんので、とにかくオーバーペースにならないよう登っていくことが大切です。
(写真左)標高2208.5m地点にある三角点。休憩しやすい場所の一つ。
(写真右)その先にあるタヌキ岩。どういう由来かは分かりません。
三角点を過ぎたあたりから、やや開けた明るい樹林帯に変わります。
明るくなっても、まだまだ登りは続きます。
振り返ると、登ってきた東の方向が開けていて遠くを見渡せました。
右の突き出てる山は唐沢岳?だと思います。
ようやくブナ立尾根を登り切りました。もう少しで烏帽子小屋です。
ちなみに、この先の稜線含めて登山道に雪は全くありませんでした。
正面が烏帽子岳方面なハズですが、ガスってて何も見えませんねぇ・・・・・・・。
AM7:23烏帽子小屋に到着。
烏帽子小屋手前にある分岐を右に行くと烏帽子岳へ、小屋から先へ向かうと野口五郎岳への裏銀座縦走コースに入れます。
(写真左)小屋手前の分岐点。
(写真右)烏帽子小屋。トイレは有料ですが利用可能です。他に水も売ってくれるようです。
小屋の前には、キキョウが群生していて、久しぶりに見る青系の色に何だか癒されました。
小屋のところに、0番の標識がありました。
いよいよ烏帽子岳へ向かって稜線を進みます。
風が強くて、進行方向は完全にガスっています。
烏帽子岳の前に、前烏帽子岳(ニセ烏帽子岳)という小ピークを越えます。
↑前烏帽子岳から烏帽子岳方面を見るも、山頂はガスの中・・・・・・。
ここ前烏帽子岳からは、有名な一枚を撮影できるとあって期待していたのですが・・・・・。
「折角ここまで来たのだから、頼むから晴れてくれよぉ~~~」なんて祈りながら待つこと3分。
キター!!!
ガスが晴れて、烏帽子岳が姿を現しました!
天に突き出たオベリスク(方尖柱)がとても印象的です。撮影できてよかった~。
先ほどまであれだけガスっていたので、いつまたガスの中に隠れてしまうか分かりません。
ここまで来たら「晴れてる山頂からの景色も見たい!」と、気合を入れて烏帽子岳を登り始めました。
近くで見るとまた凄い迫力です。
烏帽子岳山頂へは、最後はクサリのある岩場を登る必要があります。
慎重に足場を探しながら三点支持で確実に登っていきます。
勿論両手が使えるように、トレッキングポールはザックに収納しましょう!
今度は、距離は短いですが岩場のトラバースが待っています。
へっぴり腰になると逆に危険ですので、しっかり岩壁に体を寄せてジリジリ進みます。足場はハッキリしてます。
最後に彫ってあるステップを使って、岩をよじ登れば・・・・・・・
『烏帽子岳(標高2628m)』登頂です!
ヤッター!
烏帽子岳山頂部はオベリスクの頂点ということで狭く、人一人分のスペースしかありません。
風が強かったので、ここで景色を撮影する気にはなれず、とりあえず先端部だけ写真に収めて、
チョイ下にある開けた岩場に移動しました。
↑山頂先端部の尖がった岩。
私にはここに乗っかる勇気はありませんでした(笑)
烏帽子岳山頂からは、素晴らしい景色が広がっています!
↑南側の景色、三ッ岳や水晶岳など。
↓東側の景色、下には高瀬ダムの姿があんなに小さく!
高いところに登って来たんだと、改めて実感します。
↓北側の景色。南沢岳、不動岳方面。
ちなみに山頂の気温は17℃で、風を除けられれば涼しく快適でした。
晴れが続いてくれたので良かったです。
AM8:13下山開始。
後は来た道を下山するだけです。
前烏帽子岳の登り返しがややツラかったですが、他はほとんど下りなので一気に下山します。
AM10:10ブナ立尾根登山口に到着。
道中登ってくる方が結構多かったです。登山靴も軽登山靴からマウンテンブーツまで、まちまちでしたね。
道幅が狭いので道を譲ったり譲ってもらったりしながら、ブナ立尾根を降り続けました。
ブナ立尾根も、標高が下がるにつれて気温が上がってき暑くなってきました。
この先の長い道路歩きに向けて、登山口横の水場で水分を補給。ここの水場はまさに生命線です。
AM10:30高瀬ダムに下山。
高瀬ダム頂上部の道路に、2社のタクシーが1台ずつ道路脇に止まっているのを確認しました(赤丸のところ)
私は「徒歩で七倉山荘まで戻る」と決めていたので、外にいたドライバーさんに会釈しながらタクシーの横を通り過ぎましたが、
なんだかばつが悪いというか「この暑い中待ってくれているタクシーを使わないのも、なんだか申し訳ないなぁ」と思いつつダムを下りはじめました。
ちなみに、今回のように既にタクシーがいればそのまま乗ればいいですが、
タクシーがいなかった場合は、奥の建物横にある公衆電話を使ってタクシーを呼ぶ方法もあります。
公衆電話は10円硬貨のみ利用可能なので、10円硬貨を忘れず持参するようにしましょう。
※七倉山荘から高瀬ダムへのアクセスについてはコチラ(←ページ前半部にジャンプします)
ダム壁にそってつづら折りの道路を下ります。この時間帯だと関係車両も通るので注意が必要です。
気温は既に30℃近くになっていて、アスファルトの照り返しもあり、山とは違った意味でハードでした。
ミシュラン パルサーソールを採用した登山靴、モンテラGTXによるスピードハイクが活きてきます。
ビブラムに比べてソール自体が柔らかくて舗装路も苦にしない対応力がウリで、スピードハイクにもおススメの軽登山靴ですよ。
ダムを後にしてトンネルに入りましたが、日中はトンネル内も明かりが灯ってました。
ただし、明かりの数は少ないので心配ならヘッドライトを点けて歩いたほうが安心だと感じました。
(写真左)トンネル内は、必要最低限の明かりが点いているという印象。
(写真右)結局、暗くなくて日陰にもなっている覆道(シェッド)が一番落ち着きましたね。
ついに七倉山荘手前にある、一番長いトンネル、山ノ神トンネルまで戻ってきました。
正直暑さで大分消耗してましたが、ここを抜ければゴールですので残りの力を振り絞って進んでいきます。
ダンプなどの大型車も通る可能性がありますので、トンネル内は歩道(端にある一段高くなっているところ)を歩きます。
世の中には「知らない方がよかった」ってこと、あるじゃないですか。
この山ノ神トンネルに関して言えば「見えてない(暗い)方がよかったかも?」って思いました。
先(出口)が見通せてしまう分、1kmのトンネルが非常に長く感じます。
直線なので出口の明かりは見えてるんですよ、でも歩けど歩けど全然違づく気配がないんですよ。
トンネル内で車が通りすぎるのも結構怖いですしね。トンネル内は20℃と涼しかったのだけは幸いでしたが。
そして、
11:26七倉山荘 ゴール!
ゲートの守衛さんがわざわざゲート開けてくれて「お疲れさん!」って声をかけてくれました。ちょっとホッコリしました。
七倉山荘⇔高瀬ダムを実際に歩いてみた感想ですが、
ゲートが開く前から登り始めたいのなら、徒歩で高瀬ダムへ向かうのも有りだと思います。
真っ暗闇なトンネルや、ダムの壁沿いを歩くという他では中々できない経験もできます。
ですが、早歩きでも片道1時間程度かかりますし、ダムの歩きは日中暑い中では体力も消耗するのでよく考えて選択して下さい。
「行きに歩いてないから帰りは歩く」とかならともかく、行きを歩いたなら帰りはタクシーを使った方がいいと思います。
私もテント泊縦走とかなら、間違いなく往復でタクシーをチョイスしたことでしょう。
これで日本三大急登(黒戸尾根・ブナ立尾根・西黒尾根)を3つとも制覇しました!
ツラさランキング(夏季登山で比較)で言えばNo.1は間違いなく黒戸尾根(甲斐駒ヶ岳)です。距離も標高差も段違いでしたから。
西黒尾根(谷川岳)は数年前に登ったのでちょっと記憶が曖昧ですが、今回のブナ立尾根(烏帽子岳)の方がキツかった気がします。
ブナ立尾根は樹林帯の登りが延々続きますが、裏銀座縦走コースの起点にもなっている通り、それなりに登山者が多い印象でした。
登山道はハッキリしていて整備されていますし、ちょっと道幅が狭いもののブナ立尾根自体には難所はありません。
体力と装備(水分には注意)が足りていて、泊りで無理なく登れば、そこまで身構えるほどのコースでもありません。
烏帽子岳に関しても、山頂直下にクサリ場の登下降があるものの、
距離は短く足場もハッキリしてるので、三点支持を守ればそう難しくないです。
前烏帽子岳から望む烏帽子岳(オベリスク)は圧巻ですし、山頂からの景色は素晴らしいので是非登ってみて下さい。
改めて今回のスピードハイクによる歩行記録ですが、
タイム:7時間14分/距離:21.66km+α(トンネル内GPSロスト分)/累積標高(登り):2078mとなりました。
タイムは早ければいいってものではありませんが、七倉山荘⇔高瀬ダムも徒歩で往復してこのタイムは、自分では満足いく結果でした。
今年のメインの一つとしていた山行で、トレーニングも十分積み、早い段階からトレッキングポールを有効に使ったのが要因でしょう。
スピードハイク(ファストハイク)の最大のメリットは、コースタイムを大幅に短縮して活動範囲を増やせる点にあります。
日帰り登山しかできない人でも奥地を目指せますし、余裕をもって山頂に着けば晴れるのを待つ時間なんかも生まれます。
ただし注意しなくてはいけないのが、高所(アルプス等)でのスピードハイクは登山者として一定のスキルが求められるという事です。
・登山道を速く長く歩くための走力(スタミナや筋力)
・軽登山靴やトレランシューズでも難所を通過できる歩行技術。
・軽量化において、その山行で必要な装備を選定できる判断力。
・自身の走力、活動可能距離を見極めて登山計画を立てられる自己分析力。
これらの要素を欠いたまま「単に楽そうだから」だけでアルプスをスピードハイクをしようとすると、時に無謀な山行になりかねません。
スピードハイクを志すなら、まず何より登山経験を積むことです。
普段は他人任せなら、自分で登山計画を立てて山を登ってみたり、
エスケープ容易な近郊の縦走路で、長い距離を歩いてみたりするのもいいでしょう。
道具の進化に伴い、登山スタイルも多様化してきています。
メリット・デメリット色々あると思います、ご不明な点は我々スタッフにお気軽にお尋ね頂ければと思います。
安心・安全、快適な登山ライフを楽しみましょう!
大宮店 會田