突然ですが、皆さんは行く山を決めるのにどのような方法をとっていますか?
私は、[山と高原地図]を適当に眺めてみて、興味を引く”名前”があったらそこに行ってみる。という手法をとることがままあります。
この前も、山と高原地図 [那須・塩原(2015年版)]の、高原山・塩原エリアを眺めていたところ・・・・・・・・・・
『咆哮霹靂ノ滝(ほうこうへきれきのたき)』
という、なんとも力強いワードを地図上で見つけてしまったので・・・・・・・・・
行ってきました。
(2018年8月20日(月) 場所:栃木県矢板市山の駅たかはら周辺)
※先に『おしらじの滝』の紹介が入ります。
咆哮霹靂の滝の紹介をご覧になりたい方は→コチラをクリック←(ジャンプします)
早速[咆哮霹靂の滝]についてリサーチを開始したところ、
近くに、地図に載っていない幻の滝『おしらじの滝』というのがあることが判明。先ずはそちらに行ってみることに。
↑登山GPSアプリ[YAMAP](無料)で取得した、GPS軌跡データを利用しています。
※GPS精度が上がらなかったので、所々ズレていますが、同じ道をピストンです。
おしらじの滝へは基本、車でのアクセスになります。
さいたま市からですと、東北自動車道「矢板IC」を降りて、塩原矢板線(県道56号線)をひたすら進みます。
この県道56号線は、途中から峠道となり道幅の狭いところも一部あるので、運転には十分ご注意ください。
「山の駅たかはら」を越えてから約2km。県道56号線沿いに駐車場(兼チェーン着脱場)があります。
道路に関しては、グーグルマップのストリートビューをご覧になると、イメージが掴みやすくておススメですよ。
他の方の過去の記録を見ると、ここは元々は単なるチェーン着脱場だったようですが、近年に駐車場が整備されたようです。
分かりやすい看板も設置してあるので、スルーしてしまうこともないと思います。
幻の滝なんて言われてますが、周知されてきた今ではバスツアーなんかも組まれているそうです。
そういった人気の高まりが背景にあるのでしょう。
こちらが駐車場と、滝への入り口です。
実際には同じような面積の駐車スペースが右奥にもにあり、白線で囲った駐車スペースは、全部で10台くらいだったと記憶してます。
※正確に数えたわけではありませんのであしからず。
平日の早朝なので、止めてるのは私だけ。
ちなみに、この日は麓の矢板市で最高29℃/最低14℃の予報。
実際に、朝の気温は12℃と、涼しいというより若干寒いくらいでした。長袖持ってきててよかった・・・・・・。
滝への入口は駐車場の直ぐ近くにあって、看板も立っていました。
「道はあるけど滑りやすいので登山靴等を履いて下さい」 「携帯・スマホは圏外です」と看板に書いてあります。
滝への入口からおしらじの滝までは、片道5~10分(行き→下り / 帰り→登り)
道はハッキリしてますが、湿った黒土で確かに滑りやすかったです。
距離は短いですが、登山靴や、滑りにくい靴底のローカットシューズを履いて歩いて下さい。
スニーカーの類は、滑って危険なのでおすすめ致しません。
私はAKU(アク)の[モンテラGTX]という軽登山靴(ハイキングシューズ)で歩きました。
重量530g(UK8)と軽量ながら、ハイカット仕様で安定性も確保。
ミシュラン パルサーソールは、ソール自体が少し柔らかくて食いつきがよく、歩きやすいおススメの軽登山靴。
うっそうとした樹林帯を下っていきますが、ここら辺一帯は熊の出没エリアになっているようです。
熊鈴やホイッスルなど熊対策品を必ずお持ちください。
登山道を下って、桜沢に近づいていくと・・・・・・・・・・
目的の『おしらじの滝』が、突如として姿を現します!
おじらじの滝のある桜沢は元々水量が少ないため、雨が降った後など気象条件に大きく左右され、
色んな条件が重ならないと流れ落ちる滝は見られません。幻の滝たる所以ですね。
案の定、晴れの日が続いていたこの日は、脇からチョロチョロ流れているだけで滝を見ることは出来ませんでした。
それでも、このエメラルドブルーの滝壺を見られるだけでも来る価値はあります!
周囲の岩壁やコケなども相まって、神秘的な空間が作り出されています。
↓違う角度から滝壺全容を。
今回は早朝という事で、肉眼だと写真よりもやや濃いブルーに見えました。
気象条件や時間帯によって見え方が違うようなので、今度は違う時間帯に行ってみたいと思います!
次はいよいよ咆哮霹靂の滝へ向かいますので、車で移動します。
◆前山八方ヶ原線歩道(山の駅たかはら~雷霆の滝~咆哮霹靂の滝)ハイキングコース◆
距離:片道3.3km/90分(山の駅たかはらの看板参照) 山と高原地図では⇒行き75分・帰り100分の表記。
↑登山GPSアプリ[YAMAP](無料)で取得した、GPS軌跡データを利用しています。
スタート&ゴール地点は[山の駅たかはら]です。
先ほどの、おしらじの滝駐車場から2kmほど戻る方向にあります。こちらも基本車でのアクセスになると思います。
50台くらい止められる無料の駐車場があります。
道の駅たかはら開店前ですし、管理車以外誰も止まってませんでした。
登山口ですが、道路挟んで反対側にある公衆トイレの横の道を進みます。
山の駅は朝は開いてないですが、こちらのトイレは利用できますのでご安心を。
↓トイレ手前にある看板。
この「前山八方ヶ原線歩道」というハイキングコースを歩くことになります。
他にもいくつかハイキングコースがあるようですね。
このハイキングコースはよく整備されており、歩きやすい道が続きます。
それはいいのですが、熊の出そうな気配がプンプンする道なので、早朝ということもあり若干緊張しました。
(写真左)歩きやすいなだらかな下りが続きますが、正直熊に合ってもおかしくない雰囲気でした。
(写真右)途中にある「山神の石碑」中々立派です。
その後は、徐々に桜沢に接近しながら、傾斜を増した下りが増えてきます。
(写真左)木の丸太の階段では、つま先だけ乗っけると転びやすいので、足の置き方に注意して下さい。
(写真右)桜沢に続く小さな沢の上を、何度か渡ります。
道中では[雷霆(らいてい)の滝]も見られます。大きな滝音がするので直ぐ分かるでしょう。
「雷霆=激しい雷」だそうです。
落差はそこまでありませんが、結構豪快に流れていますので、そこらへんが由来なのでしょうか?
岩の上を伝えば結構接近できます。気温14℃なので、水しぶきも相まってちょっと寒いくらい。
↓違う角度から。
岩の上は滑るのでご注意を。
更に奥へ進むと「雷霆の吊橋」という短い吊り橋がありました。
そこそこ揺れます。
対岸に渡って下っていくと、[雄飛の滝]への分岐点に着きます。
「東北地方太平洋沖地震により大きな崩落が発生し、歩道が埋没しています。非常に崩れやすい状況が続いているため通らないでください」と書かれた張り紙とともに、道が封鎖されていました。
雄飛の滝を見たい方は、別のルートをご利用下さい。
咆哮霹靂の滝へのハイキングコースですが、難所と呼べるところはないものの、
足元悪いところはあるので、運動靴で歩くのは危険です。
↑咆哮霹靂の滝手前の道。石がゴロゴロしててやや不安定です。
最終目的地の『咆哮霹靂の滝』到着!
序盤、熊の気配にビビって少し早歩きになったので、1時間かからないくらいで到着しました。
ちなみにこの咆哮霹靂の滝の滝ですが、厳密には『咆哮・霹靂の滝』でして2つの違う滝からなっています。
↑両方の滝を収めた写真がコチラ。
左側の、見るからに滝と分かる方が「霹靂の滝」で、分かりづらいですが右側にある岩壁が「咆哮の滝」です。
先ほどの看板の右奥(左岸)あたりの岩場を伝うと、それぞれの滝に接近することができます。
↓こちらは「咆哮の滝」です・・・・・・・・・・・・・滝?
滝壺もなければ周囲の地面も全然濡れてません。脇からチョロチョロ水が流れ落ちているくらいでした。
気になって、後で山の駅の方に聞いてみたことろ、
「どちらも同じ桜沢からの滝だが、咆哮の滝は水量が多いときでないと水が流れてこない」とのこと。
何と言うか・・・・・・・・・・・・・・・・・湿った岩壁でした(笑)
気を取り直して、もうひとつの霹靂の滝へ接近!
岩の上を歩いて行けますが、コケが生えてると滑るので慎重に歩いて下さい。
運動靴の類で来た方は、滝には近づかない方が無難です。
こちらは豪快に流れています!滝はやっぱり良いなぁ~。
「霹靂=雷が激しく鳴ること」の意味なので、こちらも雷霆の滝と同じような由来なんでしょうかね?
対岸(右岸)からの撮影にもチャレンジしようとウロウロしてみましたが、
渡れそうなところはあるものの、流れが速いしちょっとリスキーだと感じたので止めました。
ちなみに、咆哮霹靂の滝の奥には 「咆哮霹靂の吊橋」がありますが、歩道の安全が確保できないため通行止めになっています。
よってこの前山八方ヶ原線歩道ハイキングコースは、現状ここが終点となります。
この先は塩原へ続くようです。
辺りを散策してみると、吊り橋の下の沢沿いに出ることができました。
沢の音って、癒されますよねぇ。
ここは丁度スッカン沢と桜沢の合流地点なので、スッカン沢の青白い水も見ることができます。
いつか雄飛の滝をはじめ、スッカン沢の滝巡りもしたいと思います。
後は来た道を戻りますが、帰りは登りです。
高低差約350mなのですが、滝を見てまったりした体には幾分しんどく感じました。
登りでは汗をかくので、汗冷えしないアンダーウェアや重ね着で対応できるように準備しておきましょう。
「今年は暑いし、滝を見に行くのもいいよなぁ」なんて前々から思ってたところで、
「咆哮霹靂の滝」の名前に惹かれ、滝巡りを実行に移した形ですが、個性豊かな滝のお陰で楽しく涼しく歩けました!
山の駅たかはらで標高1000mを越えていて、コース自体もほぼ樹林帯で往復3時間程度。
滝に近づけば清涼感も得られる、真夏でもおススメしたいハイキングコースです。
車で少し移動すれば、神秘的なおしらじの滝も見ることができますので、併せて計画してみて下さい!
全体を通して難所はありませんが、滑りやすいところはありますので登山靴や、滑りにくい靴底のローカットシューズ推奨です。
滝に近づくために岩の上を歩く時も、細心の注意を払ってください。
それと熊対策(熊鈴やホイッスル)も必須です。ゴミなども落とさない配慮しましょう。
まさかの涼しい日に当たり、防寒対策の方を考えることになるとは思いもしませんでしたが、
今後もまだまだ暑い日が続きそうな予感?ですので滝巡りハイキング、おススメですよ!
大宮店 會田