5月21日(月)
奥多摩三大急登の一つに数えられる稲村岩尾根から 、
『鷹ノ巣山(たかのすやま):標高1736.6M)』に登りましたので、レポートします。
この「奥多摩三大急登」 ですが、どこを指すのかは諸説あり、明確には決まってません。
ですが今回の「鷹ノ巣山の稲村岩尾根」に関しては、スタート地点から標高差約1100mを、ほぼ登りっぱなしのコースとして、
必ずと言っていいほど候補に挙げられる、三大急登の筆頭候補です。
そんなこと知ってしまったら、行くしかないでしょ?!
◆登山ルート◆
(奥多摩駅)---(バス)---[東日原バス停]START---稲村岩のコル--(稲村岩尾根)--鷹ノ巣山---(石尾根)---
六ッ石山分岐(六ッ石山) --(絹笠をへて)--奥多摩駅GOAL
※GPSログをグーグルマップに載せてみました。ズレてるところもありますが参考になれば。
今回のコースですが、山と高原地図[No.24:奥多摩](全面改訂済み版)に記載されているルートを踏襲しています。
(中級・日帰り/全歩行時間7時間45分/全歩行距離14.6km/最大高低差1387m)←ガイドブック記載データ
折角急登を登るのを目的とするので、登りはタイムを意識しながら登ることにしました。
ちなみに山と高原地図の稲村岩尾根の登りタイムは、3時間05分で設定されています。
どれくらいで登り切れるか、自分でも楽しみです。
≪6:04奥多摩駅から東日原行きのバス(始発)に乗車≫
登山のスタート地点は[東日原バス停]ですが、ゴールは奥多摩駅です。
よって車は奥多摩駅近くのタイムズに駐車しました(稲村岩尾根ピストンならば日原に車止めるという選択肢もあります)
西東京バスの路線バスが、奥多摩駅から運行されています。運行本数は少ないので事前に下調べは必須です。
(写真左)奥多摩町役場横のタイムズ(23台)一日最大800円。
(写真右)駅出口横の、1番のりばのバスに乗車します。平日の始発です。
≪6:34東日原バス停から歩き始める≫
この日の始発のバスには、私含めて5名が乗車。
5名のうち3名は、川苔山のスタート地点である「川乗橋」で途中下車しました。
私含め残り2名は終点の「東日原」です(460円)
(写真左)東日原バス停。トイレやベンチがあります。
(写真右)まずは道路を道なりに歩いて登山口を目指します。正面に稲村岩が確認できます。
道中には交番があって、外に登山ポストがありました。
稲村岩尾根の登山口は、東日原の次のバス停「中日原」から少し進んだ左側にあります。
看板が設置されているので、見落とさないようにしましょう。
ちなみに当日の気温は朝は14度くらいで薄手の長袖シャツで丁度いいくらい(私は気合入れて既に半袖)
住宅の裏道っぽいところを通って、まずは日原川を目指して下っていきます。
(写真左)なかなか面白い形でのスタート。住宅の裏手なので静かに通ります。
(写真右)日原川にかかる、巳ノ戸橋を渡ると登山道の登りが始まります。
稲村岩までは、巳ノ戸沢沿いの登りがメインとなります。
まだ急登という感じでは少ないので、ウォーミングアップがてら登っていきましょう。
開放感のある沢沿い歩き。気持ちいいです。
計2回、橋を使って対岸に渡りながら高度を上げていきます。
沢から離れると急な登りが出てきますが、まだ前半なのでそこまで無理はしません。
ジグザグに登っていくと、その先前方に稲村岩が現れます。
≪7:15稲村岩のコル(鞍部)到着≫
左に行くと稲村岩、右に行くと稲村岩尾根です。
稲村岩への標識の上から「注意喚起の張り紙」が貼られてました。
稲村岩は、コルからすぐそこにありますので、様子見で近くまで行ってみました。
登ることは一応可能なようですが、確かに一歩間違えたら重大な事故に繋がりそうな、急な岩場です。
当たり前ですが、登ったら下りなければいけません。下りの方が怖いし危険です。
死亡事故も起きているとのことで、登るなら細心の注意を払う必要があるでしょう。
私は登りませんでした。
それでは、いよいよ奥多摩三大急登の筆頭と言われる、稲村岩尾根に挑みます。
最初の方はそこまで急ではありませんし、一部緩やかなところもありますが・・・・・・・
次第に急になってきます。
いよいよ本格的な急登区間がやってきました。
つづら折りの急斜面を、延々と登っていきます。
ちなみに、本日はスピードを重視して軽登山靴で来ています。
このつづら折りの急斜面、何が厄介って「登れど登れど景色が大して変わらない」ことだと思います。
景色が大きく開けるポイントもないし、地面の種類が変わるわけでもない、環境が安定しすぎてて単調なんですよ。
ですので「こういうトレーニングなんだ」と割り切って、無心で登りました。
ある意味精神力も鍛えられ・・・・・・・・・る?
つづら折りの急登を登り終えると、そこは「午飯喰のタワ(ヒルメシクイノタワ)」で、一旦平坦部となり一息付けます。
面白い名前ですね。どのような由来があるのか気になります。
この先は再び登りとなるのですが、一部の登山道沿いにトウゴクミツバツツジが綺麗に咲いてました。
山頂まであと少しですが、緑色じゃない植物を久しぶりに見られたので、精神力がちょっと回復しました。
山頂直下の急登も、中々登り応えがあります。
ここまで来たら、後はタイムがどれくらいになるか気にしながらペースアップ!
≪8:27鷹ノ巣山(標高:1736.6m)登頂≫
6:34に東日原バス停をスタートしたので、登りタイムは1時間53分となりました。
山と高原地図の標準タイムが登り3時間05分ですので、個人的には満足いくタイムです。
(写真左)山頂はそれなりに広いですが、貸し切りでした。気温は18度無風。
(写真右)山頂の標柱は、石造りで立派です。
鷹ノ巣山山頂は、南側が大きく開けており、その展望は奥多摩随一と言われています。
まず目に飛び込んでくるのは、富士山!
拡大!
富士山は色んな山から見えますが、ここから見える富士山も迫力があってイイ!
周囲の奥多摩の山々もご覧の通り。
↑三頭山(正面)と富士山!
左に視線を移すと、大岳山や御前山!
これら奥多摩三山が一望できます!
そして、右側に視線を移すと、天気が良ければ南アルプスの山々も見えるんです!
白峰三山(右から北岳・間ノ岳・農鳥岳)
ハードな登りをクリアしたからこそ、山頂の絶景も一段と素晴らしく感じました。
下山は、石尾根を使って奥多摩駅まで歩いて戻ります。
(写真左)石尾根縦走路(六ッ石山 奥多摩駅)方面へ。
(写真右)下り始めは、富士山や奥多摩三山を眺めながら歩けます。最初はやや急なので注意。
石尾根縦走路は次第に、緩やかな開放感抜群の尾根歩きに変わります。
さっきまでの登りとは全然違う清々しい道で、テンションUP!!
トレランなら、スピード上げて走りたくなるような道!
石尾根はいくつか分岐が存在しますので、下りる方向を間違えないよう地図で確認します。
奥多摩湖へ至る分岐。
基本的には緩やかに下っていきますが、一部急な下りもありました。
気持ちいい尾根沿い歩きで油断しきってるので、こういう急な下りは気を付けたいです。
道中、大きな物音がしたので谷の方に目をやると、シカがこちらをじっと見てました。
熊の目撃情報もあるようですし、これからの時期は特に、野生動物にも注意を払う必要があります。
少し登り返すポイントがあり、その先が[六ッ石分岐]となります。
六ッ石山山頂は下山ルートからは外れますが、
この六ッ石分岐からほんのちょっと登ったところにあるので、折角なので寄っていきます。
こちらが六ッ石山山頂です。こちらもそこそこ広くて開放感があります。
鷹ノ巣山と同じタイプの標柱がありました。
この六ッ石山からも、南アルプスの山々がバッチリ見えました。
余裕があれば六ッ石山にも、是非お立ち寄り下さい!
再び六ッ石分岐に戻って下山コースを歩き始めます。
やや急で、岩や石がゴロゴロしているところがありますが、ジグザグに下っていけば問題ないです。
登ってくる人は結構辛そうでした。
またまた分岐が現れます。
[絹笠をへて奥多摩駅へ] と [三ノ木林道をへて奥多摩駅]
地図を確認しても「絹笠」というワードが見当たらず、立ち止まってどちらに行こうか暫し悩む・・・・・・。
「三ノ木戸林道を―」の方は、地図で見ると早い段階で林道に下りるような感じだったので、
なるべく山道を歩きたい私は「絹笠を―」の方を選択。
虫やクモの巣も大分みられるようになってきたので、防虫対策がそろそろ必要だと感じました。
↑道沿いに一ヶ所だけ咲いてたヤマツツジ
標高が下がると杉林に入りますが、ここら辺は地面が粘土質で滑りやすかったです。
ここまで歩きやすい道が続いてきて快調に下れていただけに、歩みが遅くなるのは嫌な感じですが
滑って転倒するのはもっと嫌なので、慎重に下っていきます。
稲村岩尾根での脚のダメージが、ジワジワ効いてくる長い下りです。
最終的には林道に合流します。
林道は車も通るので、歩く際は気を付けましょう。
そのまま林道をずっと下るのもありですが、時折林道横に奥多摩駅への道標があります。
それに従うと、舗装路を横切れたり、歩かずに済むので上手く利用しましょう。
↑このような道標は分かりやすくて有難いですね。
駅に近づくと流石に舗装路歩きになりますが、ここまでくればあと少しです。
近道!使うしかない!
町中に出たら氷川大橋を渡って、奥多摩駅を目指します。
橋を渡った先の交差点を左折すれば・・・・・・・
奥多摩駅に到着、ゴールです!
実測値では総距離16kmで累積上昇値1360m、累積下降値1670mでした。
稲村岩尾根はつづら折りの急斜面の登りがツライところですが、登山道自体は踏み固められていて歩きやすいです。
岩場やクサリ場があるわけではないので、登りで使う分には体力・脚力勝負になります。
トレーニングや、力試しをするには恰好のコースですね。下り利用はスピード殺しながら下るのが大変そうです。
登りきれば、ご褒美と言わんばかりの鷹ノ巣山や六ッ石山の山頂からの眺望が待っています。
景色を楽しみに登る価値も十分あります。晴れてれば富士山はもとより、南アルプスまで見えるのは素晴らしいです。
一方で下りで利用した石尾根は、奥多摩駅まで使うと距離が長い(約11km)ので、一つ一つの区間は大したことなくても
疲労の蓄積で足が疲れてきて、後半に失速することも有り得ます。座って休めるようなポイントも少ないです。
ストックを使ったり、暗くなってきても歩けるよう、ヘッドライトなど装備は忘れずに準備して下さい。
また、登山ルート上には水場や山小屋はありませんので水分・行動食は必要な量をしっかり用意しましょう。
これからは 防虫対策も忘れずに!
登山においてお悩みや、ご不明な点がありましたら遠慮なくスタッフにお声がけください。
大宮店 會田