2018年7月9日(月)
日光の『女峰山(にょほうさん:2483m)』に日帰り登山してきましたので、レポートします。
↓↓↓「女峰山山頂からの景色を直ぐ見たい!」という方は↓↓↓
コチラをクリック!(ジャンプします)
◆今回の登山ルート◆
[霧降高原キスゲ平園地P3駐車場]START ~ [天空回廊] ~ [小丸山] ~ [赤薙山] ~ [女峰山(2483m)] ~ [小丸山] ~ [丸山] ~ [キスゲ平園地P3駐車場]GOAL
・距離:16.48km/累積標高:1368m(実測値)
・標準コースタイム:10時間35分(山と高原地図調べ)
女峰山へは日光東照宮周辺から登るルートなど、いくつかルートがあります。
今回は霧降高原キスゲ平園地から小丸山・赤薙山を経て、女峰山に登るコースのピストンです。
実際は下山時に[丸山]にも登ったため、厳密には全く同じコースのピストンではありませんが。
日帰り登山としてはロングコースで山小屋などもありませんので、念入りな登山計画と準備が必要です。
今回私も、長丁場を意識して出発は日の出前、水分や行動食もいつもより多めに持参しました。
霧降高原キスゲ平園地の駐車場は、P1~P3まで計3カ所ありますが、
登山利用などの長時間利用者は、P3駐車場に駐車するようHPに記載されていますので、P3駐車場に止めました。
P3駐車場は24時間利用可能な駐車場で、霧降高原は標高が高いお陰で涼しくて、前泊や仮眠なども取りやすいです。
トイレも併設されていて、夜間や早朝はシャッターが下りてますので各自が利用時に開け閉めを行います。
このP3駐車場から登山口へ向かうには、写真内の赤矢印で示したトンネル内を通ります。
↓こちらが今回のルートの登山口となる[天空回廊]のスタート地点です。
1445段ある階段を登って小丸山を目指すという、中々インパクトのあるスタート。
ワクワクしますね~。
この階段ですが、100段毎に、段数とメッセージが書かれたプレートが設置されていました。
先は長いが頑張ろう。
ここ霧降高原キスゲ平園地は赤薙山の中腹に広がる高原で、春から秋にかけて様々な花が咲く観光スポットです。
中でも6月中旬から7月にかけて咲くニッコウキスゲの群落が有名で、この日も日中は多くの来場者で賑わっていました。
ちなみに、以前はリフトが運行されていたようですが、現在は廃止され
代わりに天空回廊と呼ばれる1445段の階段が整備されて、今に至るとのこと。
ニッコウキスゲは見頃を過ぎていて、咲いている本数は大分少なくなっていました。
狙っていたわけではないので、見られただけでもラッキーということで。
天空回廊はそれこそ真っ直ぐ階段が続いているのですが、階段の周囲には遊歩道も整備されていて、
途中までは階段を使わなくても登ることが可能です。階段が苦手という方は遊歩道をご利用下さい。
私も折角なので途中で遊歩道も歩いて、ちょっと散策してみることにしました。
遊歩道では↑シモツケや
↓クルマユリなどを見つけました。
早朝の静かな散策を、ちょっとだけ楽しみました。
ある程度進むと、遊歩道はなくなり、それと同時に階段の傾斜が急になります。
一段一段足を上げて登っていくのでそこそこ疲れますが、先は長いですからゆっくり上がっていきます。
ラストの階段には1445段のプレートが!
階段を上がりきると、すぐ横に「小丸山展望台」があります。
素晴らしい景色です。既にちょっとした達成感に包まれています(笑)
清々しい朝です。
小丸山展望台の奥に鹿避けの回転扉があり、そのすぐ先が[小丸山(標高:1601m)]です。
小丸山まででしたら、軽装でも来ることができますよ。
この先は赤薙山・女峰山方面と、丸山方面(丸山ハイキングコース)に分岐します。
先ずは赤薙山を目指しますので分岐を左に進みます。
赤薙山までの登りは、先ずは視界が開けた登りが続きます。
足元はガレてたり、泥濘で滑りやすかったりするので油断はできません。
複数のルートに踏み跡がいくつもあるので、歩きやすそうなルートを選んで歩きます。
この日の日光市の天気予報は、曇り。
天気が不安なままスタートしましたが、朝は太陽が顔を出してくれたので一安心と言ったところ。
しかし、まだ序盤なのにこの好展望!テンションも上がりますね~!
この調子でずっと晴れてくれればいいのですが・・・・・・・・・・・。
赤薙山に近づくと、樹林帯の登りに変わります。
(写真右)赤薙山山頂手前で「赤薙山」と「女峰山」とそれぞれ書かれた分岐があります。
「女峰山」 の方へ進むと巻道になり、赤薙山山頂の先で再び合流する形になります。
分岐の距離は短く、コースタイムにそこまで影響がなさそうなので、登りは赤薙山山頂を経由することにしました。
赤薙山山頂への道は、鬱蒼としています。
昨日雨が降ったのか、結構濡れていて滑りやすかったので慎重に登りました。
このルートは全体的に、滑りやすい地面が多い印象です。
分岐から少し登れば、
[赤薙山(2010m)]山頂です。
赤薙山の山頂は樹林帯の中で、展望はイマイチでした。
ですが、小丸山⇔赤薙山の道中は開けたところは景色が良いので、赤薙山までの山行でも十分楽しめると思います。
赤薙山から先は、小ピークをいくつか越えていく縦走路となります。
一部岩場の登り下りもありますが、どれも短いですし足場もハッキリしているので難しくはないです。
細かなアップダウンを繰り返しながら進んでくと[赤薙奥社跡]に着きます。
ここでようやく女峰山までの道のりの半分ってところです。
ここから先は、シャクナゲが至る所に咲いていました。
赤薙奥社跡から先は、緩やかな登りや平坦部も増えてきます。
シャクナゲの周囲は特に虫が多いので、さっさと通過。
道中開けたピークがあり、そこが[一里ヶ曽根 独標(2295m)]です。
ここも開けていて、好展望が期待できるポイントです。
独標から富士山も確認できました(赤丸のところ)
今のところ天気もイイ感じ。この調子で女峰山まで持ってくれ~。
独標からは、また一旦下って登り返します。
↑独標直下のガレ場の下りですが、「戻る際にはここを登り返さなくてはいけないのか~」と思うと、
下りもあまり嬉しくないんですよね~。
下って、少し登り返すと本コース唯一の水場がある分岐です。
山と高原地図の解説小冊子では「水流が細いので急場しのぎに利用した方が無難だ」と記載されていました。
今回は、水分はしっかり用意してあるので水場はスルーします。
次第に、荒れ気味の道も増えてきます。
登りも下りも、足の置き場には注意が必要です。
女峰山山頂が、だいぶ近づいてきました!
もうひと踏ん張り!
道中一ヶ所、ロープが垂らしてある岩場がありました。
距離は短いので、ロープに頼りすぎないように3点支持で確実に登っていきましょう。
もうすぐ山頂です。
開放感のある気持ちのいい尾根歩きで、気分も高まってきます。
そして女峰神社が建つところに出てから、ちょっと上がったところが・・・・・・・・・
駐車場からここまで距離にして約7.6km。
女峰山(標高:2483m)山頂です!!
ようやく着いた~!長かった~!
山頂は岩が積み重なっていて、平坦部がほとんどなくて狭いです。
気温は16℃で、帽子が飛ばされそうになるくらいの風も吹いてました。
女峰山は、晴れていれば360度の大展望が楽しめる絶景ポイント!
ですが、登頂直後はわりとガスってたので、晴れるのを期待して腰を下ろして待っていたところ・・・・・・・・
おや?下に見える虹色の輪っかはまさか・・・・・・・・・・・・・・?
ブロッケン現象きたー!!
山頂などで[背後に太陽→自分→水平線より下に霧(雲)]という位置関係になった時、自分の影が霧に投影され周囲に虹の輪っかのようなものが見える現象をブロッケン現象と言います(ザックリした説明ですので、詳しく知りたい方は各自調べて下さい!)
自分の影が、ここまでハッキリ映り込むのは初めて!!なんという幸運。
これだけでも来た甲斐がありますよ!
そして、
晴れたー!!!
日光連山(男体山、大真子山、子真子山)や日光白根山をはじめ、後ろには皇海山や薄っすら浅間山、富士山まで!
こちらは尾瀬(至仏山、燧ヶ岳)や上越の山々(巻機山、平ヶ岳)や会津駒ヶ岳などなど!
見事!としか言いようがない絶景!
折角なのでと、燧ヶ岳をズームで撮影!
後ろには平ヶ岳や、越後駒ヶ岳?でしょうか。上越の山々もクッキリ。
こちらは那須岳方面(茶臼岳や三本槍岳など)
本当、晴れてくれて良かった~。最高の展望を心行くまで堪能しました!
そしてブロッケン現象のオマケ付きと、まさに言う事なしです!!
下山は来た道を戻ります。
独標前の、ガレ場の登り返しは特にツラかった・・・・・・・。
いくつもある登り返しもなんとかクリアしつつ、赤薙山山頂手前まで戻ってきました。
下りでは巻道を使ってみたいと思います。
山頂に行かない分こちらの方が少し楽ですが、道は荒れ気味で岩にコケが生えてたりして滑りやすかったです。
小丸山付近まで戻ってきたら、今度は分岐を丸山・八平ヶ原(やっぺいがはら)方面へ進みます。
下山中ガスってきてしまったので行くか迷いましたが、折角なので行くことにしました。
歩きやすい道からスタートしたので「このまま気持ちのいいハイキングコースが続くのかな?」
なんて勝手に想像していたのですが、こちらの登山道も滑りやすい泥濘の地面が思ったより多かったです。
他にも、石や木の階段を登って丸山山頂を目指します。
小丸山分岐から標準30分で[丸山(標高:1689m)]山頂です。
そこそこ開けていてベンチもありました。
完全にガスってしまったので展望はゼロ。晴れていれば景色も良さそうです。
丸山山頂からは、八平ヶ原を経由して下山となります。
トンボが大量に飛んでいました。
↓コチラが八平ヶ原です。ササが生い茂る開けたポイントでした。
ここからレストハウス方面へ下山します。
八平ヶ原からの登山道は、小さな起伏のアップダウンを繰り返します。
滑りやすい泥濘の地面や、不安定な枯れ沢の石の上を歩いたりします。
少なくとも、滑りにくい靴底を使ったローカットシューズはほしいところです。
天空回廊横にある登山道まで出られたら、ゴールまであと少しです。
丸山ハイキングコース以外ではあまり使われない道なのか、ここら辺ですれ違う人はいませんでした。
最後は、天空回廊スタート地点にあるレストハウスの横に出てきますので、P3駐車場に戻ってゴールです。
(写真正面右に見えている駐車場は、P1駐車場です)
丸山ハイキングコース、意外と長かったなぁ・・・・・・・・・。
今回のコースは標準コースタイムが10時間以上と長く、下山時にも登り返しが多くある結構ハードな山行でした。
こういう距離が長いコースは、途中で疲れから足が動かなくなったり攣ったりすると、戻るのが大変なので、
補助してくれるトレッキングポールやサポーターの携行がおススメです。今回は私もトレッキングポールに助けられました。
難所や岩場も少しありますが、どれも短いので装備や体力が整っている方であればそう難しくはありません。
登山道も分かりやすいですし、道に迷うこともないでしょう。
むしろ泥濘などで滑りやすい地面が多いことがこのルートの肝で、特に赤薙山や丸山の周辺はスリップに要注意です。
他には、道中には山小屋はありません。水場も一ヶ所(過度な期待は禁物)しかないので、
水分や行動食は、必要な分を各自が見極めて準備することになります。
そういった意味でも、本コースは中級者以上の方向けと言えます。
赤薙山までの山行や、丸山ハイキングコースだけでも展望に優れたポイントがあるので、初心者の方も十分楽しめる山域でもあります。
登山靴は軽登山靴(トレッキングシューズ)よりは、靴底の固いタイプの方が、
ガレ場や難所通過時に、踏ん張りが効き安定するのでおススメです。
途中でマメや靴ズレを起こすと登頂は厳しくなるので、必ず履き慣らした靴をチョイスしてください。
晴れていれば女峰山山頂をはじめ、独標、キスゲ平園地からの景色は素晴らしいですし、
天空回廊や、季節のよっては花も楽しめるなどなど、色んな楽しみ方ができる面白いコースです。
達成感のある登山になることは間違いないので、装備と体力を整えて是非挑戦してみて下さい!
私も今度は違う登山ルートで、再び女峰山登頂を目指してみたいと思いました!
大宮店 會田