こんにちは石井スポーツ大宮店です。
平成29年5月23日(火)・5月24日(水)の2日間、連休を利用して南八ヶ岳(赤岳・硫黄岳)へテント泊をしてきました。
今年は比較的、多くの山域で雪が残っている とのことですが、ここ南八ヶ岳も例外ではありませんでした。
これから南八ヶ岳へ登山を計画している方、残雪期の登山を将来的にやってみたいという方の参考になれば幸いです。
なお、今回の記録は2日間に渡ったもので、写真含め長くなりますので前・後編に分けて投稿させて頂きます。
この前編では主に、南八ヶ岳の主峰赤岳(標高2899m)の登頂記録となります。
赤岳鉱泉滞在時の食事風景や、硫黄岳登頂を記録した
→→→後編はこちら←←←
※注意※
その年の降雪量にもよりますが、この時期の南八ヶ岳は樹林帯を中心に雪がまだまだしっかり残っています。
冬山装備(前爪付きアイゼン・ピッケル・ヘルメット・厚手ロングスパッツ等)を持っていきましょう!
不安なら山小屋に問い合わせるのもいいと思います。
前爪付きアイゼンが装着できる硬さ(剛性)を持った登山靴でないとスリップ、転倒しやすいため危険です。
軽登山靴(トレッキングシューズ)やローカットシューズでの安易な山頂アタックは絶対にお止めください!
今回我々は、前爪付きアイゼンが装着できるいわゆる「マウンテンブーツ」を履いて登頂しています(勿論アイゼン・ピッケル等は装備に入れています)
そのような登山靴を履いていることを前提で書いてますので、「軽登山靴でも登れる」という訳ではありませんのでご注意ください。
折角の連休という事でテント泊を計画していたところ、山仲間のK氏が八ヶ岳のテント泊を提案してくれたので、
2人で赤岳に登るのを主目標として赤岳鉱泉でテント泊する計画を立案。
スタート地点は美濃戸口(八ヶ岳山荘)
八ヶ岳山荘手前の駐車場に車を止めて、八ヶ岳山荘の方に駐車料金(1日500円、2日間止めるので計1000円)をお支払い。
マイカー利用ですが、美濃戸口はアクセスが楽でいいですよね。
ここ八ヶ岳山荘は、仮眠室や入浴施設を備えており、登山者をサポートしてくれます。
登山ポストに登山計画書を投函してから出発です。
登山ポストは八ヶ岳山荘右手の目立つところにあります。
いざ出発!
ちなみに、朝の気温は15℃無風。
美濃戸口から赤岳山荘までは、砂利道の林道歩きになります。
ちなみに赤岳山荘まではマイカーで進むことも可能です。
その場合はコースタイムの短縮が期待できますが、砂利道の凸凹地面で道幅も車1台分程度のところも多いので、運転には注意が必要です。
ちなみに赤岳山荘奥の駐車場に止める場合は1日1000円。
林道を通って赤岳山荘→美濃戸山荘と抜けると、北沢・南沢の分岐があります。
北沢に進むと赤岳鉱泉へ、南沢に進むと行者小屋へと辿り着きます。
赤岳鉱泉にテントを張るので今回は北沢を進みます。
北沢は初めて利用しましたが、開けてて清々しいです。
赤岳鉱泉へ近づくにつれて、雪が姿を現します。
赤岳鉱泉手前でも場所によってはまだ雪が残ってました。
とは言え、ごく一部ですのでアイゼンは付けずに進めます。
宿泊地である赤岳鉱泉に到着。
非常に清潔感のある山小屋です。外にあるトイレも綺麗です。
テント設営代1000円と夕食代2000円の計3000円をお支払い。今回の楽しみの一つである夕食の模様は後編で。
天気が良いのでこのチャンスを逃すまいと思い、テントを設営する前に荷物をデポして赤岳へアタックすることに決定。
アタックザックに貴重品や必要な物を入れて先ずは赤岳への起点となる行者小屋へ。
赤岳鉱泉⇔行者小屋間の樹林帯はこんな感じでしっかり雪が残っています。
少し横にそれるとズボっと踏み抜くこともありますので、足の置き場には注意しながら進みます。
この区間はなだらかな登り下りが主なので、我々はアイゼンを付けずにしっかり踏みしめながら歩きましたが、不安なら直ぐに装着しましょう。
赤岳鉱泉から上は一段階寒くなります。防寒対策もお忘れなく。
行者小屋へ到着。
行者小屋はまだ営業してません。
行者小屋から赤岳への登りには「地蔵尾根ルート」で登ります。
「地蔵の頭から」臨む、赤岳の雄姿を眺めるのが好きなのが選んだ理由です。
行者小屋から直ぐに雪道となります。
時折陽当たりのいい所だけ溶けてましたが樹林帯は概ね雪道でした。
鉄階段のところはしっかり溶けてました。
「おっ!もう雪ないかな?」って思って上がったらその先に「まだ雪あるじゃん・・・」の繰り返しでした。
場合によってはアイゼンの付け外しも必要となります。
地蔵尾根ルート最大の斜度を誇る雪道。
アイゼン、ピッケル(ストック)ないと登るのキツいです。
我々はアタックザックにピッケルを装備してたのでピッケルを使いながら登りました。
アイゼン無しで登るのも不可能ではないですが、そのためにはキックステップに耐えうる硬い登山靴でないと危険です。
鉄階段を全て登り終えると登山道に雪はほとんど無くなります。
ここだけ見れば夏山ですね。
地蔵の頭に到着!
左手に横岳
そして右手には我々が目指す赤岳がそびえ立ちます。
大分雪は融けているようです。
地蔵の頭から見たこのアングルが私は大好きです。
「やってやるぜっ!」って感じでテンションが上がります(笑)
赤岳へはこのようなガレた斜面を登っていく必要があります。
例え夏山でも硬さのあるしっかりとした登山靴をおススメします。その方が単純に歩きやすくて安全です。
実際に来るまで雪の状態が不安だったのですが、ここ最近の気温の上昇に伴って
稜線上の登山道は大部分の雪が融けて無くなっていました。
まだ一部で残ってましたが、岩場の方に上手く回り込んだりすれば雪の上を歩く必要は殆どありませんでした。
こんな感じで残っているところは踏み抜き注意です。
そして・・・・・・・・・
11:40赤岳山頂に到着!
天気は晴れ、殆ど風は無く気温も16℃~19℃くらい。長袖シャツ+肌着で汗もかかず快適な陽気。
読みが当たって非常にいい条件下で登頂できました。
赤岳頂上山荘
いい景色。
景色をじっくり堪能した後は、今度は「文三郎ルート」で下山を開始します。
文三郎ルートは行者小屋から文三郎尾根で赤岳へ一気に登るルートです。
ガレてる斜面を慎重に下っていきます。
文三郎ルートも上の方は雪は殆どありませんでした。
正面には中岳と阿弥陀岳。
「樹林帯は(コッチも)雪かな?」なんて言いながら下っていきますと
やっぱり樹林帯に入ったらしっかり雪道でした。
再びアイゼンを付けて下り始めます。
下りの方が滑るのでアイゼンないと怖いですよ。
下りきっても行者小屋まではこんな感じでした。
サングラスないと雪面からの照り返しがキツい・・・・。
そして行者小屋へと戻ってきました。
行者小屋はまだやってません。
トイレと水場は機能してました。
その後、宿泊地の赤岳鉱泉へと来た道を戻りました。
稜線に出てしまえば雪は融けていますが、
地蔵尾根ルート、文三郎尾根ルートともに樹林帯を中心に、まだ雪がしっかり残っていました。
繰り返しになりますが、
この時期に赤岳登るのであれば、前爪付きアイゼンが付けられるしっかりとした登山靴(マウンテンブーツ)推奨です。
靴底の柔らかい登山靴だと雪の斜面で踏ん張れません(そもそもアイゼンも付かない)し、下りはかなり滑ります。
前爪付きアイゼンや、ピッケル、ヘルメット、厚手のロングスパッツ等の冬山装備もしっかり準備した上で、万全の状態で山頂アタックをして下さいね。
条件が整えば、ハイシーズンとは違った静かな自然と向き合うかのような山登りが楽しめますよ。
赤岳鉱泉滞在時の食事風景や、硫黄岳登頂を記録した
後編に続く
大宮店 会田