平成29年5月23日(火)・5月24日(水)の2日間、連休を利用して南八ヶ岳(赤岳・硫黄岳)へテント泊をしてきました。
宿泊地の赤岳鉱泉。
前編では主峰赤岳(標高2899m)への登頂記録でしたが、
後編では赤岳鉱泉滞在時の食事風景や2日目の硫黄岳登頂の記録となります。
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※注意※
その年の降雪量にもよりますが、この時期の南八ヶ岳は樹林帯を中心に雪がまだまだしっかり残っています。
冬山装備(前爪付きアイゼン・ピッケル・ヘルメット・厚手ロングスパッツ等)を持っていきましょう!
不安ならば山小屋に問い合わせるのもいいと思います。
前爪付きアイゼンが装着できる硬さ(剛性)を持った登山靴でないとスリップ、転倒しやすいため危険です。
軽登山靴(トレッキングシューズ)やローカットシューズでの安易な山頂アタックは絶対にお止めください!
今回我々は、前爪付きアイゼンが装着できるいわゆる「マウンテンブーツ」を履いて登頂しています(勿論アイゼン・ピッケル等は装備に入れています)
そのような登山靴を履いていることを前提で書いてますので、「軽登山靴でも登れる」という訳ではありませんのでご注意ください。
赤岳アタックを無事完遂して赤岳鉱泉へ戻ってきた私とK氏は早速テントを張るのかと思いきや・・・・・・
「先にメシでしょ!」
ってことになりまして(主に私が)
テント張る前に少し遅めの昼食をとることにしました。
お昼はK氏が振る舞ってくれるということで、お言葉に甘えて私はアルファ米(白飯)の準備でお湯を沸かします。
山岳経験豊富なK氏は慣れた手つきで食材を準備していきます。
題して、[チキンのトマトソース煮 スモークベーコンを添えて~粉チーズ多目~]
う、上手い・・・・。行動食でスポーツヨウカンとかショッツばかり食べてたからというのもありますが、
トマトソースの酸味が山の中では最高に引き立ちます。
しかし、この料理はこれで終わりではなく、卵を熱湯の中にIN!
温泉卵を作りますよ。
余ったトマトソースに、アルファ米と出来上がった温泉卵を入れれば[なんちゃってリゾット]の出来上がり!
ご飯を入れることでトマトソースの後片付けも簡略化できるという、色んな意味で美味しい料理でした。
美味しく頂きました。ありがとうございました。
ゴミはキチンと持ち帰りましょう!
お湯や茹で汁も、地面に捨てないようにしましょうね!
腹ごしらえも済んだので、テント設営に移ります。
この日は本当に風が穏やかでテント張るのも楽でした。
私が張ったのは[NEMO タニ1P(旧モデル)]
食事までしばしのお昼寝タイム。
西日が強烈でテント内の温度はゆうに20℃を超えてました。
冬にはアイスクライミングで賑わうアイスキャンディも解体中。
テント内で休憩していたら「ドガッ!!!」って音がしたので何事か?!!
って思ったらアイスキャンディが崩落してた音でした。
各々テントで自由時間を過ごした後は、18時からお待ちかねの赤岳鉱泉での夕食!
テント設営代1000円に夕食代2000円を追加すれば、このようにテント宿泊者でも夕食を頂けるんです!
この日は[ステーキ]の日でした(メニューは日替わりの模様)。これを食べたくて今回赤岳鉱泉を宿泊地に選んだようなものですよ!
ご飯・スープ(これまたコンソメ味で絶品!)・サラダ・ステーキ(玉ねぎ・ピーマン・カボチャ付き)・フルーツと素晴らしすぎるメニュー。野菜も美味い。
しかもご飯とスープはお替わりができます。温かいお茶も出して頂けます。
厚みがあるステーキ肉。それでいて歯ごたえと柔らかさが絶妙なバランスの一品です。
標高2200mでこんなお肉が食べられるなんて最高です。
「こんなの美味いにきまってるじゃないですか~」ってノリで2人してご飯とスープお替りまでして心行くまで食事を堪能しました。
赤岳鉱泉に宿泊する際は是非食べてみてください。おススメです。
という訳で、山に来てるのに普段より格段に良いもの食べられて幸せな気持ちで1日目を終了。
ちなみに19:30の時点でテント内の気温は10℃くらいでした。
<2日目>
この日は同行してくれているK氏が夕方から用事があるということなので、硫黄岳に朝一番で登頂して早目に帰ることに。
4:30に外のベンチで撮影。気温は5~6℃。
この寒暖の差は堪えます。寒いです。
フリースの上にレインウェアも着ました。
見辛くてすいません。
そんな中でも食いしん坊な私は朝からクッキング。
当ブログでも以前紹介したことのある[山頂チカラモチ]と[おしるこ]
黄金コンビ。
時間取りたくなかったので、お餅の形は悪いですが、お餅ですよ。
食べやすいように少し柔らかめに作りました。
本当美味しいんですよね山頂チカラモチ。
おしるこ内に入れられなかったお餅は付属の黒蜜ときなこをかけて食べました。う~ん山の食事はやっぱりいいなぁ。
テントはそのままにして5:30頃に硫黄岳へ出発。
本日もしっかりアイゼン・ピッケルを持参していきます。
本日は曇りで気温も低いので出発時はフリース着用です。
日によって寒暖の差が大きいので防寒対策お忘れなく。
赤岳鉱泉⇔赤岩の頭 間はほぼ樹林帯なんですが、上の方を中心に雪がしっかり残ってました。
斜度もそれなりにあるとこともありますので、こちらもアイゼンやストック(ピッケル)を使った方が安全です。
チェーンスパイクは斜面には今一つのグリップ力なのでこの場合はアイゼンの方がいいです。
ここだけ見ると5月下旬とは思えませんでした・・・。
標高が上がりハイマツ帯に差し掛かっても雪はあります。
踏み抜きに注意です。実際にズボっといくとスネくらいは軽く沈みます。
赤岩の頭から硫黄岳へは雪はありませんでした。
7:15硫黄岳(標高2742m)到着!
さ、寒い・・・・・・。
気温計ったら6~7℃でした。風もそこそこ吹いてました。
天狗岳方面
稜線上の雪は大分少なくなってきています。
その後、赤岳鉱泉へ戻ってテントを撤収。
再び北沢から美濃戸口へ下山しました。
眺望あり、雪あり、アイゼンあり、踏み抜きあり、グルメありと実に濃い1泊2日のテント泊山行になりました。
この時期の登山は装備やウェアリングの選択が本当に難しい時期です。
その年によって雪があったり全くなかったり、一週間の内に状況が大きく変化したり、気温も1日ズレるだけで全然違ったり、
私も今回は装備の取捨選択には頭を悩ませました。
踏み抜くこともありますので、スパッツは必携です。
ストックやピッケルを使って深さを確認しながら慎重に歩きましょう。
軽アイゼンやチェーンスパイクは、斜度によっては十分なグリップ力を発揮してくれない場合もありますので、今回は前爪付きアイゼンの方が安心でした。
とは言え、これからどんどん融雪が進むと雪道と夏道がもっと混在する形となり、アイゼンでの歩行や着脱も大変になっていくのも事実。
必ず直近の現地の最新情報を取得してから、山に行くようにしましょう。
折角行ったのに、装備が不十分で途中で引き返せざるを得ないという事にもなりかねませんので。
適切な装備と山行計画で、安心安全な登山を楽しみましょう!
分からないことは遠慮なく我々スタッフお尋ね下さい!
赤岳登頂記録を書いた、
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大宮店 会田