2018年8月6日(月)
群馬県の赤城山(長七郎山~地蔵岳)に、日帰り登山してきましたのでレポートします。
↑地蔵岳(1647m)山頂にある標柱。
まずは赤城山について少し解説しますが、
赤城山は火山体の名称であり「赤城山」というピークは存在しません。
最高峰の黒檜山(くろびやま:1827.7m)を始め、いくつもの山々で構成されています。
↑赤城山登山において最も人気なのが、最高峰の黒檜山(黒い山マーク)と駒ヶ岳(青マーク)を縦走するルートです。
位置関係を分かりやすくするために、いくつかの山にマークを付けてマップで表示してみました。
今回登る長七郎山や地蔵岳は、ビジターセンターを挟んで南側にある山ということになります。
黒檜山~駒ヶ岳は夏・冬山ともに登ったことがありましたが、
「そういえば、赤城山も黒檜山以外は登ってなかったな・・・・・・・」とふと思い出し、今回の山行計画を立てることにしました。
↑黒檜山山頂。唐突に、冬山の写真ですが(笑)
↓ 黒檜山~駒ヶ岳の縦走路から見える地蔵岳と、突き出た電波塔。
非常に目立つので、気になっていました。
◆今回歩いたコース◆
ビジターセンターSTART ~ 鳥居峠 ~ 小地蔵岳 ~ 長七郎山 ~ 小沼 ~ 八丁峠 ~ 地蔵岳 ~(舗装路徒歩)~ ビジターセンターGOAL
標準コースタイム:約3時間30分(舗装路歩きがあるため概算値) / 距離:8.3km / 累積標高(登り):544m (実測値)
ビジターセンターに車を止めて、鳥居峠から入山、長七郎山→地蔵岳と時計回りに周遊するコースです。
赤城山は山をつなぎ、様々なコースが組めるので、計画を立てるのも楽しい山域ですね!
※コース構築については、山と高原地図[赤城・皇海・筑波(2015年版)]を参考にしました。
車は↓[県立赤城公園ビジターセンター]の駐車場を利用しました(無料50台:外にトイレ、自動販売機有り)
コースタイムが短い登山ではありますが、時間的都合など諸事情あり、今回は日の出前スタート。
この日は休日ですが、早朝の時間を有意義に使うという意味では「朝活」と言えます。朝から動くの大得意なんです。
ちなみに、到着してから少し仮眠を取ったのですが、標高1360m地点なので気温18~20℃と涼しく快適でした。
ビジターセンターから車道を600m程度登れば、長七郎山・小沼への登山口がある[鳥居峠]に到着します。
(写真左)鳥居峠。駐車場もあって広々としています。登山口は右側(赤丸)のところ。
(写真右)長七郎山・小沼への登山口。ここから登山道です。
長七郎山までの登山道は殆どがなだらかな登りで、よく整備されているので歩きやすいです。
(写真左)熊笹と木の階段。前日雨が降ったのか、少し湿っていました。
(写真右)道中にある小地蔵岳への分岐。小地蔵岳にも行ってみることに。
小地蔵岳へは上の写真右の分岐点から5分と短いですが、山頂と思しきところは熊笹や木立で展望はゼロでした。
もう少し奥まで道は続いてましたが、藪漕ぎになりそうな気配がしたので戻りました。
分岐まで戻ったら、長七郎山へむけて尾根道を歩きます。
ここら辺は開けており・・・・・・・・・・・・・
丁度いいタイミングで日の出を拝むことができました!
早朝登山の楽しみの一つ!
最後少しだけ登りがありますが、全体的には緩やかな道のまま、あっという間に[長七郎山(1579.1m)]に到着!
山頂は広場となっていて、開けています(ベンチなどはありません)
南側は大きく開けていて、関東平野が広がっていいます。
この日は晴れていましたが、遠くの方は霞んで薄っすら見える感じでした。
これから登る地蔵岳も見えます。
電波塔はやはりインパクトありますねぇ。
この先は一旦下って小沼(この)を経由して地蔵岳を目指します。
長七郎山山頂周辺の道は開けているので、気持ちのいい山歩きが楽しめます。
小沼への道は、一部ガレているところもあるので注意して下ります。
(写真左)下りきる手前に、ガレた急坂が少しありました。
(写真右)小沼に向かいます。
程なくして小沼(この)に到着。長七郎山の火山活動でできた火口湖で「この」と読みます。
直ぐに分岐があり、左回りか右回りを選べます。
地蔵岳へは左回りの方が早いですが、折角なので右回りで湖畔をグルっと歩いてみることにしました。
早朝なので誰も歩いておらず、湖の穏やかな波の音のみが聞こえてきます。
雰囲気が良くとても癒されます。
ある程度回ると湖畔に出られます。
レジャー中心地として賑わう大沼に比べると、手つかずの自然が残されている静かな小沼は違った魅力がありました。
ここら辺にはベンチもあるので、休憩にもってこいの場所です。
カモ2匹が優雅に泳いでます。
小沼へは車でアクセスもできるので、癒しを求める方は是非。
小沼の北西側から車道に出て、地蔵岳への登山口となる[八丁峠]に向かいます。
小沼から出る際に標識を見つけられず、地図に記載されていた道を探すのにやや手こずりました。
右回りで小沼を歩いたなら、駐車場の方に出ちゃって車道を少し長く歩いてもいいのかなと思います。
車道を200m程歩けば[八丁峠]です。砂利道を右側に入っていきます。
(写真左)八丁峠と書かれた看板が車道にもあるので分かりやすいです。
(写真右)地蔵岳の登山口である八丁峠。車も何台か止められます。
ここからは地蔵岳に向けて、登りの区間となります。登りは標準30分です。
木の階段が続きます。傾斜はそれほどでもないのでゆっくり登れば誰でも登れます。
一部樹林帯もありますが、多くは開けた登りです。
今回のコースで言えば、本格的な登りはこの区間のみなので気合入れて登っていきました。
(写真左)気温は相変わらず20℃くらいですが、日が当たる登りは汗をかきます。
(写真右)道は整備されているので登りやすいです。
山と高原地図によると、地蔵岳山頂手前の東側で「展望よい」と書かれたポイントがあるとのことで、探してみることに。
↑山頂まであともうチョットの位置にあります。
特に標識とかはないですが、踏み跡があるので通れば何となく分かるとは思います。
この展望ポイントからは、先ほどまでいた小沼や長七郎山が見渡せます!
↑火口湖ならではの円形をした小沼と、長七郎山
登山道に戻って、少し登れば[地蔵岳(1674m)]に到着です!
地蔵岳も山頂は広いです。気温は20℃で風も弱く非常に快適でした。
ここ地蔵岳は1等三角点があったり、電波塔があったり、首無し地蔵があったりと中々賑やか?な山頂です。
(写真左)山頂標柱近くにある1等三角点。立派なモノです。
(写真右)建ち並ぶ電波塔。お馴染みのTV局の名前が、建物に記載されていたり。
地蔵岳山頂からは黒檜山や駒ヶ岳、麓の大沼(おの)などが見えて、迫力ある素晴らしい展望です。
時間帯的に逆光になってしまいましたが、遠くまで見通せれば日光の山々も見えます。
こちらは尾瀬や上越の山々が見える方角ですが、今回は見られず。全体的に霞がかっていました。
また次回リベンジしたいと思います。
地蔵岳からの下山方法ですが、八丁峠まで戻って大洞へ下るルートや、新坂平(白樺牧場)の方へ抜けるルートなどいくつかありますが、
今回は山と高原地図で「好展望の尾根」と書かれている、地蔵岳から直接、大沼方面(県道4号線)へ下山するルートを選択しました。
下り始めると、直ぐに樹林帯に入りますが、今までの道とは明らかに雰囲気が違います・・・・・・・・・・嫌な予感が。
道中、地図通り開けた好展望の尾根道もありました!
立ち止まって景色を眺めたいのですが、飛んでる虫や多くてゆっくりはできませんでした。
麓の車を止めたビジターセンター(赤丸)や、隣にある覚満淵(かくまんぶち)も見えます。
あとは下るだけ・・・・・・・・・・・でしたが、
熊笹が生い茂っていて、登山道を塞いでいます。嫌な予感が的中しました。
なんとか先は見えているのですが、地面は見えず半藪漕ぎ状態で下山を余儀なくされました。
昨日の雨で葉が濡れていたのか、トレッキングパンツは膝から下はビショビショです。
更に、ハチと思しき大型の虫がブンブン顔周辺を飛び回り始めます。
「明らかに警告(威嚇)行為だよなぁ・・・・・・・・」と、完全にビビった私。
熊笹で足元が見えない中、石にヒザをぶつけて悶絶しながら、攻撃されないのを祈りつつそそくさと下山するハメに。
何とか虫を振り払い開けたところまで下りてきましたが、ここは地図上で登山道が分かれている地点。
本来は大洞方面へ真っ直ぐ下りるルートを行きたかったのですが、踏み跡が見つけられないくらい笹が生い茂っていました。
(山と高原地図でも「崩壊が進み歩きにくい」と記載されているルートでした。)
先ほどのハチの恐怖で、すっかりメンタルをやられた私は藪漕ぎする気になれず、
登山道がハッキリしていた、赤城少年自然の家方面の道を選択しました。
虫の恐怖からは解放されましたが、道が結構急で、しかも浮石が多く何度が転びそうになりました。
ストックを持っているなら、使った方がいいです。
↑下山途中に振り返って撮影。中々の斜度と浮石が多い不安定な道でした。それでも藪漕ぎよりは数倍マシです。
下りきると、大沼横の県道4号線に出ますので、後はビジターセンターに向けて車道横を歩くだけです。
(写真左)一般道が見えた時は、それはもう安心しました(笑)
(写真右)県道4号線。歩道が左側にあり、ここからビジターセンターまで約1.2kmの道のりです。
戻る途中で、大洞駐車場や八丁峠へ至る登山口も確認。
地蔵岳のみ登る場合は、八丁峠を経由したピストンが一番安定していると思います。
(写真左)大洞駐車場。県道4号線沿いにあって、地蔵岳のみ登山する際は最寄りの駐車場となります。
(写真右)八丁峠へ至る登山口。赤城山第一スキー場の看板が目印です。
ちなみに、
ビジターセンターの道路を挟んで反対側には覚満淵(かくまんぶち)という湿原があります。
一周30分くらいですので、時間に余裕があるなら是非コチラも歩いてみて下さい。
「小尾瀬」と呼ばれている覚満淵は、これまた風光明媚な景勝地で、ココだけなら軽装で歩けるので観光でもおススメです。
戻ってきても、気温22~23℃とそこまで暑くなかったです。
結局3時間かからないくらいでビジターセンターに戻ってこれました。
完全に朝活登山となりましたが、朝は静かで清々しく、何より涼しいのでこの暑い時期は特におススメですよ!
長七郎山も地蔵岳も展望に優れ、小沼や覚満淵を組み合わせれば、短い時間で変化に富んだ登山を楽しめます。
しっかり登るのは八丁峠~地蔵岳くらいですし、登山靴を始め、装備がある程度揃っていれば誰でも登れる山といった印象です。
むしろ地蔵岳からの下山が一番大変でした。
登山道があんなに笹で覆われているとは思ってなかったですし、ハチも怖かったです。
下山は、地蔵岳山頂から八丁峠へ戻って、大洞へ下る方がいいと思いました。
冒頭でも述べましたが、赤城山は色んなルートが考えられるので、あくまで参考の一つと捉えて頂き、
ご自身に合ったルートで安全に登山をお楽しみください!
今度は冬山登山で来たいと思います!
大宮店 會田