【登山本店】マレーシア最高峰のキナバル山に登ってきました。

2018-01-19

2017年1月1日~1月3日 マレーシアの最高峰キナバル山(4095m)に行ってきました。

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上)写真 キナバルパークへ向かう途中、車の中から見たキナバル山

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上)写真 ロウズピーク方面からセントジョーンズピーク方面を見る

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上)写真 ラバンラタレストハウスからの登山中、朝日が昇ってきました。

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上)写真 キナバル登山の前半は世界最古といわれるボルネオの熱帯雨林の中を歩きます。

 

キナバル山は、世界で三番目の面積を持つ島(日本の1.9倍ほど)であるボルネオ島の北側に位置している山です。

キナバル山の麓には世界最古の熱帯雨林が広がっていて、非常に貴重で生物多様性に富んだ熱帯雨林を見ることができます。

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上)写真 1泊目の標高1500m前後のキナバル管理事務所近くのロッジでは血中酸素濃度は97%でした。

97%は正常な値なので標高1500mは自分にとっては問題のない標高のようです。

1日目はキナバルパーク管理事務所近くのロッジに宿泊しました。

ここでもすでに標高は1500m前後になるので、高度順応の為に1泊しておくと良いかと思います。

今回はキナバル登山の高度順応の為に

12月22日に、2909mの西穂高岳

12月26日、ミウラドルフィンズにて4000mの低酸素膣での運動2時間、呼吸法の勉強

1月1日1500mの麓に一泊

1月2日3273mのラバンラタレストハウスに1伯したのちに頂上に行く計画にしました。

高度順応は登山までの期間があいてしまっては効果がないと考え、二週間前からなるべく仕事の合間をぬって標高の高い場所にいることにしました。

また、パルスオキシメーターで血中酸素濃度を常に計り、

血中酸素濃度が、80パーセント以下、70パーセント以下などの数値を行動の目安にする考えでした。

80パーセント以下で様子を見ながらゆっくり登る。

70パーセント以下になったら登山続行するかどうか検討する段階かと、自分の中で考えていました。

その数値に特に明確な根拠はありませんが、同僚の話や、事前に高度順応の為に行ったミウラドルフィンズでの話などを参考にしました。

人によって、高山病の症状が出る数値が違う可能性もありますので、数値を目安にしながら、自分の体と相談しながらの登山になります。

数値に関係なく頭痛や食欲不振、睡眠障害など高山病の症状が出たら登山続行が厳しくなるので、高山病がでないようにペースを上げずにゆっくりと登りました。

※(通常、地上での血中酸素濃度は97%~100%ほど)

キナバル公園の管理事務所近くのロッジで1泊し、翌日7時30分頃から朝食をとり、8時30分頃にキナバル公園公園管理事務所から

標高1866mのティンポホンゲートへの車に乗り込みました。

ティンポホンゲートからは、熱帯雨林の森の中に作られたよく整備された登山道をひたすら登ります。

美しい熱帯雨林が日本の山とはまた違った趣を与えています。

熱帯雨林は植物の密度の濃さを感じます。

所狭しと植物が生えています。

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キナバル山はラバンラタレストハウスまで、丁度いい感覚で休憩所があり、トイレも併設されています。

休憩所があるたび軽く休憩を取りながら進みます。

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トイレットペーパーはなかったので持参するか、現地の水を使う方式に慣れる必要があります。

私は現地の水を使う方式が好きなので、紙を使うことがなかったのですが、トイレに紙を流せるか事前にガイドの方に確認する必要があります。

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ラバンラタレストハウスに着くと血中酸素濃度が78パーセントに下がっていました。ピンチ!ということで、

事前にミウラドルフィンズで習った呼吸法を実施。

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呼吸法でまさかの97パーセントまで回復。

ただ、これは一時的なことなので呼吸法を使わなくても血中酸素濃度が下がらないように順応していく必要があります。

一時的とはいえ、呼吸法がここまで素晴らしい力を発揮するとは驚きです。

血中酸素濃度が下がったら呼吸法で少ししのげると思うと安心感が違います。

ラバンラタレストハウスに着いたら、まずシャワーを浴びましたがありがたいことに温水シャワーが出ました。

シャワーを浴びたら夕飯をいただき、すぐに就寝しました。翌日深夜の1時30分に起床し、はやーい朝食をいただき2時40分頃にラバンラタレストハウスから頂上へ向かって出発しました。

辺りは真っ暗でヘッドランプの明かりで進みます。今回使用したヘッドランプは、ペツルのアークティックコアと予備のヘッドランプでペツルのティカをもって行きました。

途中、小屋で登山許可証のチェックを行いました。ここに併設されているトイレが頂上までの最後のトイレになります。

ここから頂上まではある程度距離がありますが、ここからトイレがないので注意が必要です。

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3500m位から森林限界になってくるので頂上付近は巨大な岩で構成された雄大な景色が広がります。

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登山途中に朝日が昇り美しい景色を見ることができました。

その後、ローズピーク(4095m)に登頂し、その日のうちに歩いてティンポホンゲートまで下りました。

一日のうちに標高差800mほど登ってから、標高差2200m以上連続で下るロングコースになります。

素晴らしい景色を見ることができる、とても素敵な山でした。

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キナバル登山 装備一覧(今回使用したもの)

ラバンラタレストハウスの部屋で装備の写真を撮ってみました。

前半の熱帯雨林の中は気温もそれほど低くないので、私はRabの半袖Tシャツとマーモットの夏用トレッキングパンツ、フェニックスのキャップ、AKUの登山靴(スーパーアルプ)で歩きました。

防水の軽トレッキングシューズや防水のトレランシューズで着ている方も多かったですが、私は登山靴のしっかりしたホールド力と、下りでの安定感がある靴が好きなので、少し重いですがしっかりしたつくりの登山靴(AKUスーパーアルプ)で行きました。登山全体を通してしっかりと足を守ってくれる登山靴はありがたいです。

その他、万が一頂上付近の気温が低かった時のためのバラクラバとウールの薄手の手袋も持って行きましたが、今回は使いませんでした。

ヘッドランプは予備も含めて2種類、いつも3種類のヘッドランプを持って行きますが今回は軽量化のため2種類にしました。

ザックは軽量化を図るためドイターのグラビティーエクスプローラーを使用、PAINEのザックカバーと合わせて持って行きました。

キナバルは熱帯の気候ということもあり雨もよく降るので、防水対策は万全にしていくことをお勧めします。

登山者の中には傘やポンチョで来ている方もいましたが、暖かい前半の熱帯雨林帯では、ポンチョや傘も涼しくて良さそうですが、後半の気温の低い岩稜体で雨に降られたらやはり上下セパレートの雨具があった方がいいと思います。

その他高山病対策のために沢山の水を飲む戦略だったため、一応浄水器も持って行きましたが活躍する場所がなかったです。

山の途中のラバンラタレストハウスでも水を購入できたので水に関しては問題ありませんでした。その他サングラスも持って行きましたが、今回は使用しませんでした。

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持ち物

使用したもの

ゴアテックス上下レインウェアー

Rab 半袖速乾性登山用Tシャツ

THE NORTHFACE 長袖速乾性ロングTシャツ

マーモット夏用トレッキングパンツ

ホグロフス薄手フリース

フリースネックウォーマー

PAINE ゴアテックス防水手袋

ホットチリ 冬用アンダー ファクター8メリノウール上下

ウール厚手ソックス

AKU スーパーアルプ 登山靴

ACP カーボントレッキングポール

フェニックスキャップ帽子

水一日目1.5リットル、二日目1.5リットル

 

使用しなかったが持って行った物

薄手ダウンジャケット

ニット帽

バラクラバ

薄手ウールインナー手袋

浄水器

サングラス

※防寒着に関してはその日のコンディションにもよるので多めに持って行くことをお勧めします。

高度の高い場所では体の水分が多く失われるので血液がどろどろになりやすいそうです。水分を多めに補給することで高度順応もしやすくなるということで意識的に多めに水を飲みました。

今回は高山病対策をかなり入念にしたので、高山病の症状が出ることなく登山をすることができました。

 

ICI石井スポーツ登山本店 土居 龍人

 

 

 

 

 

 

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