2018年9月10日(月)
埼玉県秩父郡皆野町(みなのまち)にあります、
皆野アルプス(破風山:はっぷさん)に登ってきました!
”みなみ”アルプス ではありません ”みなの”アルプス”ですよ!
<目次>
①今回の登山ルート
皆野駅START → 大渕登山口 →皆野アルプス(破風山:626.5m)→ 華厳の滝登山口 → 秩父華厳前バス停GOAL
距離:8.04km/累積標高(登り)681m・(下り)545m/コースタイム4時間25分(標準)
※無料GPSアプリ [YAMAP(ヤマップ)] で実際に獲得した軌跡データを利用しています。
◆参考にした地図
・山と高原地図No.22 [奥武蔵・秩父](2018年版)
↑今回は、コースガイドP38に紹介されているルートを踏襲しました。
・皆野町観光協会HP( http://www.minano.gr.jp/hike/ )
↑詳細な登山マップも公開されているので、是非ご活用下さい。
この皆野アルプスですが、
皆野駅側の[大渕登山口] ⇔ 秩父華厳の滝側の[華厳の滝登山口]の間を、破風山を始めとしたいくつかのピークで繋ぐルートです。
最高点(表記がある中で)でも大前山の653mという低山の縦走路です。
どちらの登山口にも町営バスが通っているので、スタート地点は任意で選べます。
今回私は皆野駅スタートを選択。
町営バスは本数は多くないので、必ず時刻表を事前に確認して登山計画を立てるようにしましょう。皆野町役場のHPに路線図や時刻表が載っています。
★町営バスについて→ http://www.town.minano.saitama.jp/traffic/bus/
②.駐車場について
ここでは「車でアクセスする」という方向けに駐車場をご紹介します。
皆野駅側の駐車場は[破風山登山口駐車場]が使えます(無料)
駅から約1.1km地点の、大渕登山口へ向かう県道44号線沿いにありまして、入口にある緑色の看板が目印の砂利の駐車場です。
住所は埼玉県秩父郡皆野町大渕568-8で、郷平橋の近くの荒川沿いです。
・皆野町観光協会HP( http://www.minano.gr.jp/hike/ )の登山マップにも、場所が記されています。
今回ご紹介する駐車場の位置を、マップで表示しました。
※アルプスに、途中から入るルート(関東ふれあいの道)の駐車場は省略。
秩父華厳の滝側では[秩父華厳の駐車場]が使えます(無料)
こちらはその名の通り観光名所「秩父華厳の滝」の直ぐ近くにある駐車場です。
住所は埼玉県秩父郡皆野町下日野沢3287で、県道284号線沿いにあります。
この県道284号線は一部道幅が狭く、町営バスも通る道ですので、運転には十分ご注意下さい。
※ちなみに、皆野駅の横の線路脇に4~5台の有料駐車場(1日520円)もあるようですが、こちらは詳細は確認していません。
③.皆野駅から大渕登山口への徒歩ルート紹介
皆野駅から大渕登山口までは一般道を約1.5km :20~25分程度歩きます。
一部道が分かりにくいところがあるので、詳しく説明します。
スタート地点の↑秩父鉄道「皆野駅」です。トイレは改札内にあります。
改札を出たら正面の通りを直進します。直ぐに十字路がありますが、
大渕登山口へ行く方は右折して下さい。
ちなみにこの十字路を左折すると、その先に町営バス発着所があります。
という事で先に、町営バス発着所のご紹介をします。
十字路を左折してから50m程歩くと、右手に町営バス発着所があります。
秩父華厳の滝駐車用に車を止めて、町営バスで来た方はここからスタートとなります。
それでは先ほどの十字路まで戻って、大渕登山口へ向かいます。
駅の十字路を右折したら、県道43号線を直進します。
すると、信号のある変則五差路に当たりますので
レストラン「ヤマシタ」の看板左の下り坂に進んでください(赤矢印参照)
感覚的には直進に近いです。
そのまま坂を下っていきます。
歩道がないので車に十分注意して歩いて下さい。
下りきると「皆野橋」があるので渡ります。
この橋も歩道がないので、右側の緑色のライン上を気を付けて通ります。
橋の下は荒川が流れていて、大渕登山口方面に目をやるとこれから登る山域が見えます。
皆野橋を渡り切った先のT字路を右折して、県道44号線に入ります。
ここからは歩道があるので一安心。
直ぐ先の「郷平橋」も渡って下さい。
下に流れてる川は、赤平川と言うそうです。
郷平橋を渡り切ったら直ぐ、車に注意しながら県道44号線を横断し左折。
坂道を上ります。
ちなみに、このまま県道44号線を進むと
先に紹介した「破風山登山口駐車場」があります。
こちらに駐車した方は、ここから大渕登山口へ行くか、皆野駅(バス停)に行くか、という形になります。
道なりに進んでいくと、県道37号線との十字路に当たりますが、
そのまま県道37号線を横断して、民家の横にある狭い砂利道を直進して下さい。
多分、ここが一番分かりにくいところだと思います。
一応正規のルートをご紹介してますが、多少間違えてしまっても他のルートで登山口へ行くこともできます。
ここら辺はグーグルマップのストリートビューで確認できるので事前に見ておくと安心です。
砂利道を進んだ先の突き当りを右折です。
突き当りの右手には案内標識(赤丸のところ)があるので、
駅に向かわれる方は、この標識を目印に曲がると良いと思います。
右折したら道なりに進んで、左手にある墓地の先が皆野アルプス登山口となります。
④.皆野アルプス(登山道)
こちらが皆野アルプスの大渕登山口です。標識があるところで左折します。
皆野駅からここまで約1.5km / 20~25分くらいです。
いよいよ皆野アルプスに挑む!
畑の横を抜けて林の中に入ったところで、
クマ注意の標識と登山者数調査用のカウンターが設置してありました。
ポチッとな。
登山道に入ると、いきなりの急坂スタートです。
そしてクモの巣地獄の始まりです。久しぶりの低山ハイクでその存在をすっかり忘れてましたが、この時期の低山はクモの巣が非常に厄介なんですよね。
「低山だからって侮るなよ」って声が、どこからか聞こえてきそうなスタートでした。
皆野アルプスはいくつかの山を繋ぐ縦走路ですが、
その多くが樹林帯の中の小ピークって感じです。
ここら辺では、まだ電車の音が聞こえたりもします。
気温は22℃~24℃くらいですが湿度が高く、
登りは半袖でも結構汗ばむくらいでした。
ちなみに登山道にトイレや水場は一切ありません。
「前原岩稜」と呼ばれるヤセ尾根が多いエリアに近づくと、
頭上が少し開けているので雰囲気が変わります。
この皆野アルプスは[前原尾根コース] [関東ふれあいの道] [如金峰コース]の3つのコースが合わさって構成されていて、前半部は[前原尾根コース]に当たります。
そして前原尾根コースは通称「山靴の道」と呼ばれています。そのためか標識が靴の形をしていました。
「前原岩稜」の核心部?と呼ぶべき岩場です。
ヤセ尾根で道幅が狭いので、足を踏み外さないように注意が必要ですが、
そこまで難しいポイントではありませんでした。
登山道の雰囲気だけはコース随一でした。
ここだけ見たら、本場のアルプスっぽく・・・・・・・・・・ないですか?
前原岩稜を抜けて再び頭上まで木立で覆われると、
後はひたすら樹林帯の中の登りです。
大渕登山口から登り始めると、登りの割合が多い気がします。
一ヶ所ロープが張ってありましたが、この岩を乗り越えるだけなので使いませんでした。
登山靴も軽登山靴(ハイキングシューズ)でOKなレベルです。
途中の「男体拝」というところでは、一部展望が得られます。
道中にはベンチとかないので、こういう少し開けたところで小休憩を取りたいですね
(虫が鬱陶しいですが)
男体拝と言うぐらいですから、晴れていれば男体山が見られる?のでしょうか。
どちらにせよ本日の天候は曇りなので、それを知る術はありませんでした。
この先は[関東ふれあいの道コース]に変わります。
なんだか馴染みのある標識に変わって、ホッとしている自分がいました。
相変わらず、ジワジワと高度を上げていくような登りです。
そして道幅の狭いところでは、蜘蛛の巣が登山道を横断するように張り巡らされているので厄介です。
破風山の手前では「猿岩」という奇岩がそびえています。
登山道の真横にいきなり大岩が現れるので、目に付きます。
標柱はありますが案内板とかは無いので、由来はよく分かりません。
猿に見えるのでしょうか?何れにせよ木が邪魔で全容を把握できませんでした。
近づいて観察すると、登れそうな感じだったので折角だし登ってみました。
右側から巻いていきます。
手足を引っ掛けられるところはいくつもあるので、慣れてる方なら問題ないですが、
危険を伴うので初心者の方や自信が無い方は登らない方が無難です。
登山ルートではないので、あくまで自己満足・自己責任です。
ものの数分で猿岩の頂上部につきました。
風が強い日だと、頂上部は結構怖いかもしれません。
猿岩頂上部からは、晴れていればさぞ素晴らしい景色が見られるのでしょう!
ガスの中~。
猿岩から降りて登山道に戻り、いよいよ主峰、破風山に向かいます。
道中完璧にガスの中で、幻想的とすら言える感じになってきました。
破風山の直前には屋根付きの立派な休憩舎があります。
ベンチやテーブルもキレイで、箒まで備わっていました。
山頂はそこまで広くなくてベンチも無いので、
食事をとるならコチラの方が快適だと思います。
破風山直下の登りもヤセ尾根なので、注意は必要です。
すれ違いそうな時は、お互い声をかけて無理のないように通りましょう。
そして、皆野アルプスの主峰、破風山(はっぷさん:626.5m)に到着です!
木のベンチなどはありませんが、少し開けていて南側の展望が期待できます。
秩父方面の山々(武甲山など)を眺めることができるでしょう!天気が良ければ!
清々しいくらいに何も見えませんね!
破風山からは一旦下りとなります。
足元がちょっとザレ気味なので、滑らないように気を付けて下ります。
下りきると「札立峠」に着きます。
「ここは秩父札所の巡礼道として昔から存在していた道―」と案内板に書かれていました。
四方に分岐するので道を間違えないように。
直進して皆野アルプス[如金峰コース]へ進みます。
札立峠より先は[如金峰コース]となります。再び登り基調です。
ヤセ尾根が続き、3つのコースの中で最も変化に富んだ区間と言えます。
関東ふれあいの道は、歩きやすかったのですが単調な道が多かったのでこの道はちょっとワクワクしました。
少し進むと、このコースの由来となった「如金さま」という大岩があります。
そびえ立つその姿は、確かな存在感を放っています。
如金さまより先には、クサリ場があります。
足場はしっかりしているので、クサリはあくまで補助として使いましょう。
3点支持で確実に登っていけば、クサリを使わなくても十分登れました。
クサリ場をクリアすると「武蔵展望台」という展望スポットがあります。
北側と南側が開けています。
北側(群馬方面)は薄っすらとですが、近くの山々が見えました。
これでも今日はイイほう!
皆野アルプスは、全体を通して道はハッキリしていて
よく踏まれている点は安心でした。
そんなこんなでいつの間にか「大前山(653m)」に着きました。
皆野アルプスの最高点(多分)ですが、山頂らしさは全くなく、
標識が無ければそこが山頂だとは気づかなかったでしょう。
大前山を過ぎると、皆野アルプス最大の難所が待ち構えます。
そこそこの高度感のあるクサリ場です。
こいうクサリ場は登るより、降りる方が大変ですね。
上からの写真だと分かりづらいので、降りきったあとの写真も↓
他の岩場もそうですが、面倒くさがらずにトレッキングポールは仕舞って両手が使えるようにして登ってください。
大前山のクサリ場を攻略したら、残すは天狗山のみ。
天狗山直下の登りは短いものの急坂で、足元も悪いので結構しんどいポイントです。
下りで利用する場合でも結構大変そうだと感じました。
山頂にはお天狗様の祠があります。
ちなみに天狗山手前で「大前近道」という巻き道があるので、この天狗山は登らないことも可能です。
天狗山まで登り切ったら、あとは華厳の滝登山口へ向けてひたすら下るだけです。
樹林帯の中を、緩やかに下っていきます。
途中で「大前集落」に出ます。
案内標識に従って、右折して集落の中を少しだけ通ります。
民家の間にある舗装路を少し下ると直ぐに標識があるので、
再び山道に入っていきます。
歩きやすい樹林帯を下っていくと・・・・・・・
「華厳の滝登山口」に出て、皆野アルプスは終了です!
木橋を渡って県道284号線を左折すれば「秩父華厳の滝(駐車場&バス停)」に行けます。
秩父華厳前バス停は、登山口から歩いて200mくらいです。
バス停の手前には、トイレと先に紹介した華厳の滝駐車場もあります。
秩父華厳の滝駐車場手前にあるトイレです。
滝に関する案内板もありました。
そしてこちらが今回のゴール地点「秩父華厳前バス停」です。
町営バスは本数が少ないので、必ず下調べしてから計画を立てましょう!
★町営バスについて→ http://www.town.minano.saitama.jp/traffic/bus/
折角ここまで来たのですから、秩父華厳の滝にも寄ってみました!
⑤.秩父華厳の滝(観光)
秩父華厳の滝駐車場&バス停から直ぐのところに、滝入り口があります。
道路沿いにあるので直ぐ分かると思います。
入口には「全国10位に選ばれました―」という看板がありました。
何の基準なのか、イマイチ分からないランキングですが(笑)
バス停から滝へは5分程歩けば着きますので、気軽に見に行けます。
舗装路をちょっと登ります。
滝が見えてきました!
滝壺へ向かう道は未舗装路になります。
スニーカーでもOKですが、足元にはお気を付けください。
こちらが「秩父華厳の滝」です!
そこまで落差はないですが、滝壺に向かって真っ直ぐ流れ落ちていてシンプルながら見応えのある滝って感じです。
日光の華厳の滝に似ていることから、この名が付けられたみたいです。
トイレの前にあった案内板によると「滝は落差約12mの崖(赤色のチャート)を直線的に流れ落ちる―」とありました。
確かに、滝と赤い岩壁のコントラストが良い感じです!
折角なので動画も載せておきます!
『秩父華厳の滝』動画時間:6秒/ 音有り
ちなみに、滝の上部には「不動明王」が鎮座しています。
何と言うか、一般的なイメージとはまた違った、風変わりな不動明王でした。
ここ最近天気が不安定な日が多く、山に行けない日々が続いていました。
この日も曇り後雨予報でしたが山に行こうと決めて、目に留まったのが皆野アルプス及び破風山でした。
実際に歩いた感想としては、低山縦走ながら変化に富んでいて、ヤセ尾根やクサリ場もあって面白いコースだと思います。
町営バスを上手く使えば色んなルートプランが組めますし、観光名所の秩父華厳の滝が近くにあるのもポイントですね。
無料地図GPSアプリ『YAMAP(ヤマップ)』による計測だと、
累積標高は(登り)681m・(下り)545mを記録。
やはり大渕登山口から登り始めると、登りの割合が少し多くなるようです。
ただ、その登りも一部急坂はあるものの、全体的には緩やかに高度を上げていく感じなのでそこまでハードではないです。
クサリ場も天狗山~大前山間のところを除けば、クサリに頼らずとも登降下できるレベルですので、これから本場のアルプスに挑戦したい方などが岩稜帯の練習がてら登るのもいいのではないかと思います。
今回の山行で惜しむらくは、クモの巣があちこちにあって、そちらの対処に神経を使わざるを得なかったことでしょう。
回避不可能なクモの巣は、仕方がないので木の棒で巣を断ち切りながら進みました。
この時期に歩くなら、ある程度覚悟する必要があります。
後1か月・・・・・・・・いや、11月の紅葉シーズン辺りがベストですかね?!
『皆野アルプス』覚えておいて損はないですよ~。
大宮店 會田