ヨセミテクライミングツアー9/20ー10/3

2018-10-21

高尾店 渡邉です。

 

9月20日-10月3日にかけて、アメリカのヨセミテ渓谷にクライミングに行ってきました。

 

ヨセミテはカルフォルニア州にある国立公園で、日本にないスケールの巨大な花崗岩の岩壁が無数にあります。

 

クライミングだけでなく有名なロングトレイルもあり、ハイカーにも人気です。

 

ヨセミテまでは、ロサンゼルスからレンタカーで6時間(サンフランシスコからなら3時間)

 

園内のキャンプ場である「キャンプ4」にベースを張りました。

 

キャンプ4は公園内で最も安価で滞在出来るキャンプ場です。

予約は不可、当日受け付けのみなので、毎晩寝袋にくるまり受付待ちをする人がたくさんいます。

 

私達も午前1時にキャンプ4に付きましたが、既に10人ほど並んでいました。

 

受付は7時開始とのことでしたが、実際にレンジャーが来たのは7時30分くらいとアバウトです。

 

8月まではハイシーズンで最長で5~7日間までの滞在が限度らしいですが、今回は10日間滞在することが出来ました。

 

キャンプ4内は大きな針葉樹林の中にあり下地は細かな砂利です。

また時折木から松ヤニのようなものが降ってきます。

空気が乾燥していて、気温は明け方は10℃くらい、日中は日当たりが良いところで30℃くらいになるときもあります。

 

キャンプ4から車で5分ほどのところにスーパーがあり食料や日用品は簡単に手に入ります。

また有料のシャワールームやコインランドリーもあります。

 

園内のスーパーは市街地より若干値段は高くなりますが、なんでも揃っていて便利です。

またキャンプ4内にはベンチやテーブルがたくさんあります。

 

食料の保管は、キャンプ場のすぐ近くにまで熊やアライグマ、リスが出るので、すべてフードストレージと呼ばれる金属の箱の中に入れておきます。

 

特にアライグマはファスナーも開けられるほど手が器用で、夜中にテント内に侵入し、食べ物を漁って来るので油断禁物です。

 

車に食べ物をしまうのも、熊に車を破壊されてしまう恐れがあるのでNGです。

 

 

テント設営後は園内を軽く観光

 

園内には無料のシャトルバスが走っているので、車がなくても移動は可能です。

 

ハーフドームヴィレッジから望むハーフドーム

 

トンネル・ビューからはエル・キャピタンとハーフドームが同時に望めます。

 

車道からすぐのところにエル・キャピタン。

夜になるとの岩壁の途中で寝泊まりする人のライトの明かりが見えます。

 

キャンプ4のトイレ脇には巨大なボルダーがあります。

雷マークが描かれていて、その面には人気課題の「ミッドナイトライトニング」があります。

 

 

2日目からはクライミング三昧

今回トライしたルートを一部紹介します。

赤字はエリア名です。

 

スワンスラブ

キャンプ4から徒歩5分という高立地にあるマルチピッチクライミングが出来る規模の岩場です。いつも人がたくさんいて、たくさん登られているため、岩も磨かれていて少し滑りやすくなっています。

 

クッキークリフ

アプローチは路肩の駐車場から10分程度、山火事の影響なのか下地は灰まみれ、また風が吹くと岩壁の上部から小石がパラパラと降ってきます。

 

アウター・リミッツ10a

レイバックとハンドジャムを交えて登る。登りやすいが、長くて疲れる。

 

 

 

トワイライト・ゾーン10d

上半分が苦しいオフウィズス、取り付きが分かりづらい。山火事の影響か、抜け口は灰まみれで、終了点のスリングは溶けている。下降用にバックロープを引いて登ったほうが良い。

 

 

エレベーターシャフト5.8

傾斜が強く、明らかにグレード以上の難しさがありそうなチムニー。私自身は登ってないですが、登ってみてもやはり難しいらしい。

 

 

 

ハーフドーム

ヨセミテのシンボル。名前の通り、ドームを割ったような形をした大岩。

傾斜が緩やかな面にはトレッキングルート(とはいっても傾斜が50度近くあるところに手すりがついているだけらしい)があり、歩いて登ることもできます。

 

ハーフドームはトレッキングで登るには人数制限があり許可を取る必要があります。でもクライミングルートから登って、一般道を下るのには不要。

 

 

スネークダイク

ハーフドームのクライミングルートの中で最もやさしいルート

 

切れ落ちた面ではなく、ハーフドームの側面を登るライン(上の写真の手前側)

 

30mくらいランナウト(落ちたときに止めるための支点の感覚が30m離れているということ)するらしいですが傾斜は60度くらいでグレードは5.7

 

午前4時半頃にハーフドームヴィレッジを出発し、約5、6時間かけて歩きます。

 

スネークダイク取り付きに到着するも、日曜ということもあり渋滞していて、取り付きで8組の順番待ち

 

1ピッチ目は緩傾斜ながらもホールドが乏しく、ランナウトして緊張するスラブ

 

2ピッチ目も傾斜は緩いですが、ホールドの少ない斜面のトラバース。

 

2ピッチ目まで上ったところで時間切れのため下降しました。私達以外にも先行していた2パーティーがあまりの渋滞のため下降していました。

 

今回登れなかった3ピッチ目以降は名前の由来のダイクを登るライン。支点が全く見当たりません。

 

ハーフドームの山頂へ最も登りやすいルートで初心者も多いので、平日に来るか前夜発しないと日帰りで山頂まで行くのは厳しそうです。

 

 

エルキャップベース

 

サッカラークラッカー10a

途中のシンハンドサイズにグレードがついていて、上部のオフウィズスは5.9になっているが、上部のほうが圧倒的に難しく感じる。

 

 

 

 

エル・キャピタン

ハーフドームに続いてヨセミテのシンボル的大岩壁。

 

イーストバットレス13P

 

最寄りの駐車場から40分程度のアプローチ

岩壁に向かって森を進み壁の基部の少し手前から右寄りに進み壁沿いにガレ場を右にトラバースします。

 

1ピッチ目は5.8のワイドクラック

 

中盤からは高度感のあるクライミング

 

ハーフドームをバックに、最高のロケーションです。

 

登り終える頃には暗くなってしまったため一晩ビバークして、翌朝下降することに

山頂近くの岩小屋に寝袋が置かれていました。

 

エル・キャピタンでの夜明け

 

下降路は再びイーストバットレスの終了点付近まで戻り、別ルートから懸垂下降しました。

 

今回1人飲水を4L持っていきましたが、1日目で飲みきってしまい、強い日差しの中、辛い下降路となりました。

 

 

レンジャーロック

 

アフターシックス1p 5.7or5.8(左)&アフターセブン1p 5.8(右)

私がトライしたのはアフターセブンの方、スラブをクラックに沿って灌木まで登る。下降にはバックロープが必要。

 

まとめ

ヨセミテは空気が大変乾燥していて、脱水症状になりやすいので、水はとても重要。一人1日4L

 

クラックルートは日本と比べるとグレードが辛めな気がします。特にワイドクラックは簡単なグレードだからと取り付いて痛い目を見ることがありました。

 

ルートが長く、シングルピッチでもバックロープが必要なルートが多いです。70mロープがあると良いかも

 

ヨセミテは夏が乾季で冬が雨季

ツアー中は一切雨が降らず、8月も乾季で1ヶ月で2日しか降らなかったらしいです。私達が帰る翌日から天候が崩れ、悪天が続いたようです。

 

以上、ヨセミテツアー報告でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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