【高尾店】ソロで厳冬期の赤岳へ

2019-02-22

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2月16日(土)八ヶ岳連峰・赤岳に行ってきました。

 

 

この前の週に赤岳山行を予定していた私。
インフルエンザにかかり、行けなくなったことで悔しい思いをしていた。
11月末にケガをした捻挫もなかなか良くならず、走ることも、しっかり山に登ることもできないでいた。
痛みをだましだまし、やり過ごす毎日。

 

山に登りたい気持ちがあるのに、登りたい山があるのに行けないことが、こんなに辛いんだとゆうことを私は初めて感じていた。

 

山は逃げない

…そうは言うけど、なんだか逃げてしまう気さえしていた。
しかし、良かったのか悪かったのか、インフルエンザで5日間の安静を余儀なくされたことで、捻挫がすっかり良くなっていた。

 

復帰後、久しぶりに高尾へ走りに行っても少し違和感が残るものの、痛みはなかった。

 

 

『大丈夫だ!!これなら山にちゃんと登れる!!』

 

 

そう思ってからの数日は、天気と地図のにらめっこだった。
今回はソロで行くと決めていたので、下調べもいつもより念入りだった。

 

16日(土)

予報では赤岳山頂付近は晴天の予報ではなかったたが、ひどく荒れるわけではないので、行くことを決めた。

 

『行けるとこまで行ってみよう』

 

気持ちはそれだけだった。

美濃戸口から赤岳山荘までの林道の凍結が心配だった為、車は美濃戸口に置いて行くことにした。
登山届けもここで提出。

 

6:50  美濃戸口駐車場スタート

林道を歩き始めてすぐ、凍結がみられた。

登山靴だけでは滑る為、チェーンスパイクをつけた。
安心して歩け、ガリガリッガリガリッと歩く度に凍結した路面に刺さる爪の音がなんだか心地良かった。わざわざ凍結箇所を選びながら一定のリズムで歩いた。
途中陽あたりが良い道は、土も見えているが刃の短いチェーンスパイクはそんな場所さえ、そのまま歩ける。
装着も歩きやすさも良いチェーンスパイクは、もはや冬の山行には欠かせないアイテムの1つになっている。

林道では、凍結した路面にタイヤがはまり、立ち往生している車もみられた。
この道を早朝に通る場合は、準備と注意が必要だ。
単調な道だが、チェーンスパイクの音のおかげで、単調ながらも楽しく歩けた。

赤岳山荘では、アイスキャンディが静かに、たたずんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7:35  分岐で南沢から行者小屋を目指した。

トレースもしっかりあり、雪はしまっていて、チェーンスパイクでも歩きやすかった。

土曜日にも関わらず、人にすれ違うこともほとんどなく、静かな山歩きが続いた。
少しずつ雪深くなる景色を楽しみながら、仕事のこと、家族のこと、友達のことが脳裏をよぎっていた。その一方で、お腹が空いたなぁとか、ラーメンが食べたいなぁとか、食べ物のことばかりも考えていた。
途中、歩きながらチョコレートを食べて、冷え切ったお茶を飲んだ。

 

 

 

 

 

こんな思考になったり、自分のペースで気ままに歩くのは、ソロならではなのかと思う。
仲間と行く山は、賑やかで楽しくて心強い。
それに比べて、一人で行く山は、静かで、寂しくて不安だ。
だけど、自分と向き合うことができるようで、これはこれで好きだったりもする。

 

 

なんだか、任務を遂行するチャレンジャーになったように、ただ山頂を目指す。
誰に命令されたわけでもないのに。気分はそんな感じだった。

途中すれ違う人に、雪の状態を教えてもらった。
「気を付けて、頑張れな‼︎」と言っくれるその言葉と笑顔に元気をもらった。

 

 

9:25 行者小屋に着くと山頂は厚い雲に覆われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12本爪のアイゼンに履き替え、ピッケルを持ち、地蔵尾根に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


『行けるところまで行ってみよう』

 

 

 

この時もそう思っていた。

夏に登った道はすっかり雪に埋まり、傾斜のキツくなる尾根道をひたすらに登った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中、ハシゴや鎖が姿を現していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何も無い斜面には、ピッケルを差し込み支点をつくる。
道具の大切さがわかる瞬間。
これが外れたらアウト。
アイゼンもしっかり蹴り込んで。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくり確実に。
安全第一。

ふと、振り返ると街は雲が晴れていた。

 

 

 

 

 

時折、強風の合間に見せる赤岳や阿弥陀岳が幻想的で美しく、しばらく見惚れてしまった。
安全な稜線まであがろうと思いながら、そこから見る景色や思いに、心を奪われて動けなかった。

一歩。一歩。
ピッケル。アイゼン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

稜線にある地蔵の頭まで登り、一息つくと、急に寒さを感じた。
風が強く、油断をすると体が横に振られた。

 

 

 

 

 

 

 

 


休憩も早々に、赤岳山頂を目指した。
岩肌が見えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文三郎尾根から登ってきた人達とすれ違う。
「山頂まで、もう少しですよ。頑張ってください」
「はい、ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雲の合間から時折見せてくれる景色を楽しみながら、山頂を目指した。
山小屋も寒々しく、そこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11:55 赤岳山頂に到着

視界は真っ白だった。
それでも、景色はまた見に登りにくればいいと、そうすでに納得していた。
それよりもここまで辿り着けたことに充実感を感じていた。
『また来よう』
そう思って山頂にいた方とあいさつを交わし、帰路についた。

下山は文三郎尾根から行者小屋へ。
地蔵尾根ほどの急斜面ではないが、岩・鎖・トラバースもある。
慎重に。確実に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13:00 行者小屋に戻ってきた。
人で賑わい、テントの数も増えていた。

登りと同じく、南沢から美濃戸口駐車場を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15:30 美濃戸口到着。
全行程8時間40分の日帰り山行となった。

 

 

 

2019年2月16日(土)
八ヶ岳連峰・赤岳

次登る時期は、春…夏…秋かもしれない。
来年…再来年…今時期、厳冬期に、また赤岳に登るかもしれない。
その時は、1人かもしれないし、誰かと一緒かもしれない。
先のことは誰にもわからない。

この日と同じような状況だとしても、この日と同じ想いを持って登ることは、もう二度とない。
だから山は、一期一会だと思う。

 

自分を弱くも強くもさせてくれる山が、私はやっぱり大好きだ。
そう思った山行になった。

 

 

私が尊敬し憧れている人の中に、女性登山家の田部井淳子さんがいる。
その田部井さんが残した言葉にこんな言葉がある。

 

 

「歩けるうちは歩きたい、生きているうちは、1分1秒でも楽しく、やりたいことをやって生き抜けたい」

 

 

どんな状況の中でも、
「私には山がある」と強く生き抜いた1人の女性。

 

私も生涯そうありたいと、そう思っている。

 

 

 

みなさんが次に目指す山はどこですか?

山に魅了された多くの人は、きっと少しずつ次のステップに進んでいるのではないでしょうか?

Mt.石井スポーツは、そんなみなさんの為にあります。

各店舗で開催されている登山学校を是非、フル活用してそれぞれの目指す場所に進んでください。

 

 

Mt.石井ポーツ 登山学校詳細ページ↓
https://www.ici-sports.com/climbing_school/school/index.php

 

低い山であろうと、高い山であろうと、目指す場所はそれぞれの中に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高尾店 堀

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