2019年8月26日(月)
山梨県の名山『三ツ峠山』に日帰り登山をしてきましたので、レポートします!
結局8月も、中々登山に行く機会に恵まれず「このままではマズイ」と思い、この日の午前中に時間を作って朝活登山を敢行してきました。
◆今回の登山コース(憩いの森公園からピストン:表登山道コース)
憩いの森公園駐車場START~開運山(1,785m)~御巣鷹山(1,775m)~木無山(1,732m)~(再び)開運山~憩いの森公園駐車場GOAL
【登山DATA】
・標準コースタイム:三山廻って6時間程度(※1)
・距離:10.1km(実測値※2)
・累積標高値(登り):1,333m(実測値※2)
※1.三ツ峠山は山頂周辺は道が入り組んでいて、ルート取りの選択肢が多いため「程度」と記載。
※2.今回は諸事情により開運山に2度登頂しているので、これらの数値は単純なピストンよりも増えています。
三ツ峠山は「開運山」「御巣鷹山(おすたかやま)」「木無山(けなしやま)」の三山の総称であり、富士山の展望に優れる開運山を筆頭に、好展望の山として人気のある山です。
↑開運山⇔木無山の登山道にあった案内板。
登山コースは四方から複数あり、電車やバス、タクシーを上手く利用すれば周回登山も可能です。
今回は車なので、歴史のある表登山道(三ツ峠駅から続く登山道。達磨石コースと呼ばれることもある)を、シンプルにピストンしてみることにしました。
天気予報では、大気の状態がやや不安定ながら晴れ後曇りの予報。
もちろん富士山の展望も期待して登りました・・・・・・・・・・が。
※以後の掲載写真につきまして※
朝活登山という事で明るくなる前の朝4時頃からスタートしたのですが、当日の天気が思ったより悪くて終始濃いガスの中での登山となりました。
ウェアや二の腕に水滴が多量に付着するほどで、暗いうちはろくな写真が撮れませんでしたので、日中の下山中に振り返りながら再撮影した写真を「登りの写真」として掲載していきますのでご了承ください。
↑実際の朝登ってた時の写真。
ガスが充満していて、数メートル先が見えませんでした。
駐車場に関しましては「憩いの森公園駐車場」を利用しました。
アクセスは中央自動車道「都留IC」で降りたなら、下道を10km 25分くらいで到着します。
↑憩いの森公園駐車場(無料)
道路挟んで反対側にも駐車スペースがあって、全部で30台くらい駐車可能だったと思います。
駐車場の下段にはトイレがありました。
割と簡素な感じなので、手前のさくら公園の公衆トイレや、高速降りて街中通る際に食料調達ついでにコンビニなどで済ませてもいいでしょう。
憩いの森公園駐車場までの道のりは、最後の1.5kmは車一台分の幅の急坂となります。
一応舗装はされていますが、車のすれ違いや路面状況には十分注意して運転しましょう。
↑道が荒れているところもありました。
麓の三つ峠駅からスタートする方は、この道を歩いて登る必要があるため、更に距離やタイムは増えます。
先程掲載した駐車場に車を止めたら登山開始です。
先ずはそのまま伸びる舗装路を登っていきます。
(※改めて説明)写真は日中のものですが、実際は朝4時頃スタートのため、真っ暗な中ヘッドライトを頼りに登っていました。
スタート時の気温は18度くらいで、寒がりな人は長袖推奨です。私は暑がりなので半袖スタートでした。
15分ほど歩くと、分かりやすい標識がある分岐があるので、ここで左の登山道に入ります。
↑わかりやすい標識。
三ツ峠山は、標識が充実しているのは助かります。
ちなみに、ここの右側には車が数台止められるスペースがあります。
↑下山時は、2台ほどとまっていました。
私は車が止めやすい憩いの森公園駐車場をおススメしますが、少しでも歩く距離を減らしたいのであれば、ここまで車で来るのもアリでしょう。
登山道に入り少し歩きますと、
↑広場になっているところに出て、ここには「達磨石」という西桂町指定の史跡があります(写真右側にある大きな石)
水難防止の祈願として、梵字(大日如来を意味するアークと読む)を自然石に刻んだものだそうです。
達磨石を通過したら、一旦林道に出ます。
直ぐにまた分かりやすい標識があるので、再び登山道に入ります。
ここから本格的な登りがスタートします。
最初の方は階段状になっているので登りやすいですが、開幕からそこそこ急な登りが連続します。
途中にある「股のぞき」というスポットです。
設置してある台に乗って、木の股から富士山を望めるそうです。
この日は、登りも下りも曇りで全く見られず。
この後も、樹林帯の中のつづら折りの坂道をひたすら登っていきます。結構急です。この表登山道コースは中々の歯応えでした。
↑標高が上がるにつれて、岩が増えてきます。
ただ、クサリ場などの危険個所はありませんし、幸いにも要所にベンチが設けてあって休憩しやすいので、ペースを守って登っていけば大丈夫です。
そして、こちらの写真ですが、4時台に実際に登っていた時の一枚です。
ポツポツ白い丸が写ってますが、これはレンズが汚いのではなく、大気中を漂う霧が写り込んでいるものです。肉眼だと真横に霧が流れていて前方が見えづらくて大変でした。
この時期のこんな時間に登る方もそういないとは思いますが、ヘッドライトの灯りが消えると完全な闇になるので、事前のライトの点灯チェック及び予備電池の準備は怠らないようにしましょう。
湿度100%(多分)のジメジメした空気に体力を奪われて、思いの外苦戦しましたが何とか急登を登りきると、再び広場になっているところに出ます。
↑ここには「山と高原地図」にも記載がある「八十八大師」という、見た目にもインパクトのある史跡があって、目を引きます。
この表登山道コースは、他にも石碑などの史跡が点在しているのも特徴的です。
八十八大師を通過すると傾斜は緩やかになり、左側が切れ落ちたガレている狭い道が連続します。
本コースで最も注意すべき区間と言えるでしょう。
↑崩落気味のところもあって、落石にも注意を払う必要があります。
登山者どうしのすれ違い時は、お互い声をかけあって安全に山側に退避できる方が道を譲るようにしましょう。
しばらく進むと、右側に巨大な岩が姿を現します。
「屏風岩」と呼ばれるこの岩は、クライミングの名所として古くから知られています。
(↑この写真からは、再撮影時の写真ではなく、実際に登ってきた際の時間帯の写真となります)
憩いの森公園からの表登山道コースは、この屏風岩の真横を歩いていきます。
平坦部が増えてきたため汗をかかなくなり、ガスによる体の濡れもあって体が冷えてきました。ザックから、長袖シャツをサッと取り出して重ね着しました。
屏風岩を過ぎた先で分岐があります。
左に行くと三ツ峠山荘及び木無山方面。右に行くと四季楽園及び開運山方面です。
先ずは、三ツ峠最高点の開運山に行くため右に進みました。
三ツ峠山は、富士山展望やクライミング以外にも、高山植物の宝庫としてお花を目的に登られる方も多いです。
↑この前の根子岳で見たハクサンフウロに似たお花・・・・・・・・。
ちょっと調べてみたらカイフウロっていうお花みたいです(間違っていたらすみません)
やがて、四季楽園という立派な山小屋前に辿り着きます。
開運山へ登るため、四季楽園前を右折します。
↑四季楽園付近には木のテーブルとベンチが多数ありますが、休憩料として一人100円を集金箱に入れるシステムになっています。
四季楽園から少し進むと十字路(勝手に命名)に到着します。
四方に分岐するので分かりづらいポイントですが、標識(赤丸)や地図、GPSなどでしっかり確認しましょう。
ここは開運山へ登るため右側の坂道を進みます。
ちなみに左に進むと公衆トイレがあります。
直ぐに富士見山荘があるので、その横を通って先へ進みます。
階段を登っていきます。
やがて、よく整備された綺麗な階段に変わります。ここまできたら開運山山頂まであと少しです。
↑山頂周辺には、NHKの電波塔など人工物が多く建っています。
そして、
見えてきました・・・・・・・
三ツ峠山の最高点である、開運山(1,785m)に到着!!
↑山頂はそこまで広くありませんが、石碑や三角点、方位盤があります。
ちなみに山頂の気温は朝6時台で14℃と、ウェアが濡れていたのもあって結構肌寒かったです。
開運山からは雄大な富士山を望めます!晴れてさえいればですが!!
↑富士山が見える(であろう)方面。う~ん。
開運山山頂でそのまま待ってても仕方がないので、他の山頂に行ってみることに。先ずは御巣鷹山へ。開運山から大体20分で到着できます。
通信施設の横を通ったりしながら、なだらかな道を歩いてきます。
分岐に差し掛かったら、標識で確認して御巣鷹山方面へ進みます。
間違えて直進すると、再び先程の十字路に出戻りなのでご注意を!
少し進むと周辺が開けます。
↑ここではマルバダケブキがチラホラ咲いていました。
展望ゼロだったので、何だか救われた気分になりました(苦笑)
↓ここに建っていた「三ツ峠山自然保存地区」の看板です。
ゴミのポイ捨て、コース外に出て野草を踏み荒らす、盗掘はもっての外。
「山への感謝の気持ち」を常に忘れないようにしたいです。
ここら辺は、柵越しではありますが高山植物が見られたので来てよかったです。
↑これは多分・・・・・・コオニユリ!?
その先少し登ったところにまた大きな電波塔がありまして、ここが御巣鷹山(おすたかやま:1,775m)の山頂となります。
↑「山頂の標識とかないかな~」って周囲を散策して見ると・・・・・・・・・
まさかの建物の裏に、小さな標識がこっそりとありました。
人工物が占領していて木立もうるさく、何より山頂ぽくないので「折角なので、三山全部の山頂踏みたいです!」って人以外は来る価値があるかと言われると、微妙なところです。
足早に御巣鷹山を後にして、お花が咲いていた道を戻って分岐まで戻ってきました。
今度は木無山へ向かうため、一旦十字路を経て四季楽園に戻りますので分岐を右に進みます。
開運山を経由して戻ることも可能なので、別に左に進んでも大丈夫ですが。
このように三ツ峠山山頂周辺は、分岐も多くて道が入り組んでいるため、現在地の把握や進むべき方向の確認が一層重要となります。
↑そこでオススメなのが、スマートフォンが無料GPSになるアプリ「YAMAP」です。
私は分かりにくい分岐などでは、少し進んだらYAMAP画面で軌跡を確認して道が合っているかを都度確認するようにしています。
バッテリーの消費も本体設定で機内モードにすればある程度抑えられますし、帰宅後に山行データを管理・確認できたりと登山において非常に便利なアプリですよ!
↓十字路を経由して、四季楽園まで戻ってきました。
↑木無山へは、四季楽園横の分岐を左へ進みます。
ちなみに、直進して坂道を下っていくと、北側の最短コースである三ツ峠登山口コースとなります。
その先直ぐに大きく開けたところに出ます。ここにはキャンプ禁止の標識がありました。ルールは守りましょうね!
↑その先には三ツ峠山荘があって、建物の横を通ります。
その先にある分岐では、右に下らず直進です。
(右に下ると三ツ峠登山口コースです)
↑その先は「山と高原地図」で地図上の「展望地」というポイントです。
ここからも富士山がバッチリ見られます!私は心の目で見ます!
三ツ峠山荘から10分もせずに、木無山(けなしやま:1,732m)に到着しました!
こちらも2つの登山コースの分岐路にあるため、山頂って感じは薄いですが、分かりやすいところに標識はあるので御巣鷹山よりかはマシでしょうか?!
木無山山頂は、草原が広がっています。
天気が良ければ草原+富士山の構図が楽しめるそうです!見たかった~!
開運山だけピストンする予定の方でも、木無山方面は途中に展望地もあることですし、ここまで来ても面白いと思いますよ!
さて、三山全てに登った訳ですが、ここで未練がましい私はミラクルを信じて再び開運山に登ることに!
と言う訳で、再び戻って開運山への階段を登っていきます。
うぉぉぉ~~頼むから晴れてくれ~!!
はいダメでした~。
寧ろ一度目よりもガスが濃くなっている印象で、30分くらい様子見したのですが、元々時間的な制約もあるしガスバーナーなども持ってきていなかったため、長時間の停滞は諦めて下山することにしました。
下山時は、足元が濡れているところで滑って転ばないように注意します。
木の階段って、濡れてたり凍ってると凄い厄介ですよね。
下山中に見つけたお花。
↑ソバナ・・・・・・・ですかね?
後は屏風岩横を再び通り、来た道を下るだけです。
気温は18度~20度程度でしたが、日中は標高が下がってくると蒸し暑さが戻ってきたため、最終的には半袖+アームカバーに落ち着きました。
↑下山中には時折太陽が顔を出すようになり、麓の町並みが何とか見渡せる程度には天候は回復していました。
これから登ってこられる方々は、果たして富士山を見られたのでしょうか。
最後は舗装路に出て、憩いの森公園駐車場まで戻ってきてゴールです。
すれ違った人数のわりには車の台数が少ない気がしたので、麓の駅から歩いて登って来た方もある程度いらっしゃったのかもしれません。
と言う訳で、憩いの森公園からのピストン山行による『三ツ峠登山レポート』でした。
最大の売りである富士山の好展望が全く見られなかったという、何とも残念な感じになってしまいましたが、ガスが立ち込める悪条件の中、早朝から歩いて今後の登山に向けたトレーニングになったかなぁ~みたいなことにしておきます!
このコース自体は、累積標高1,000m越えなのでそこそこ登り応えはあります。冒頭でも書きましたが、駅からスタートしたらもっとです。
クサリ場などの危険箇所はありませんが、一部切れ落ちた狭い道があったり、今回のように足元が濡れていると岩の上や木の階段は滑りやすいですので油断は禁物です。
とは言え、道中に木のベンチがあって休憩しやすかったり、山頂付近には山小屋もあるためそこら辺の安心感はありますし、別のコースも含めて体力度に合った登山計画を立てられれば、初心者の方でも楽しく登ることができるでしょう。
装備に関しては、登山靴は雪のない時期であればハイキングシューズでもOKです。
ローカットシューズは、岩が多い急坂の下山時に、怪我のリスクが増すのであまりおススメできません。
ウェア類に関しては、9月になろうとしてきて寒暖の差が徐々に大きくなってきています。
朝晩は「涼しい」を通り越して「寒い」と感じることもありますし、今回のように冷えに対する対策としても気軽に重ね着できるウェアを用意すると快適性がアップしますよ!
↑今回実際に携行したアームカバーと、フード付き薄手のフルジップシャツ。
どちらも軽くてコンパクトに収納可能なので、ザックのサブポケットなどの出しやすいところに入れておくとサッと着れて重宝します。
また今度、季節を変えて富士山の展望に再チャレンジしたいと思います!
大宮店 會田