2019年9月9日(月)~2019年9月10日(火)
北アルプスの後立山連峰にあります
『唐松岳(からまつだけ:2,696m)』
『五竜岳(ごりゅうだけ:2,814m)』
に、1泊2日テント泊縦走をしてきましたのでレポートします!
本ページは、前編となる【1日目】の内容となります。
↑これらの山頂写真をご覧になって”お察しの方”もいらっしゃると思いますが、今回は山頂の展望は両方ともゼロでした。
眺望に優れる山々なだけに、その点は残念な結果になりましたが、お花や雷鳥なども楽しめた印象的なテント泊になりましたので、ご覧になって頂けるなら幸いです!
◆[1日目]の目次◆
④唐松頂上山荘~牛首(岩場)~大黒岳~五竜山荘の縦走路について
★五竜岳登頂の模様や、下山で利用した遠見尾根、テレキャビン(ゴンドラ)につきましては
①今回の登山コースについて
※健脚者の単独行による、1泊2日のテント泊山行です。
ご自身の技術・体力・装備・経験をしっかりとふまえたうえで、安全登山に留意した無理のない登山計画を立てるようお願い致します。
■全行程(2日間)■
歩行距離:18.2km/累積標高(登り/下り)1,840m/2,140m
『1日目登山コース』
エスカルプラザ駐車場~(タクシー)~八方ゴンドラ駅~(八方アルペンライン)~八方池山荘(登山開始)~八方尾根~唐松岳~唐松岳頂上山荘~縦走路~五竜山荘(テント泊)
■1日目登山データ■
活動時間約5時間※(標準CT約7時間30分)/距離8.8km(歩行距離)/累積標高(登り/下り)1,267m/616m
※八方ゴンドラ乗車から五竜山荘到着までの概算タイムです。その後のテント設営等の時間は含まれていません。
『2日目登山コース』
五竜山荘~五竜岳~五竜山荘~遠見尾根~(白馬五竜高山植物園)~アルプス平駅~(テレキャビン)~とおみ駅~エスカルプラザ駐車場GOAL
■2日目登山データ■
活動時間約4時間30分※(標準CT約5時間55分)/距離9.6km(歩行距離)/累積標高(登り/下り)573m/1,524m
※山頂での待機やテント撤収時の時間は含まれていません(それらを含めると7時間程度です)
↑全行程をマップで表示(YAMAPの軌跡データを利用)
・1日目に八方尾根で唐松岳へ登り、縦走路を経て五竜山荘でテント泊。
・2日目朝に五竜岳へ登り、テント撤収後、遠見尾根で下山するというコースです。
往路・復路とも、麓からゴンドラリフトを利用するのも特徴的です。
このコースは1泊2日、ゆとりを持つなら2泊で登られるコースです。
脚力に相当自身のある方は、気合の日帰りも可能かもしれません(やる場合はトレーニング必須でしょう)
このコースを計画するにあたって、私が事前に決めておいたポイントをご紹介します(車1台でアクセスしての登山計画)
Q1.どっち回りで歩くか(唐松→五竜 or 五竜→唐松)
Q2.「五竜」と「八方」どちらに車を止めるか(スタート地点に車を止める or ゴール地点)
Q3.「五竜」⇔「八方」間の、麓での移動手段をどうするか(往路?復路どちらで使う?移動手段はタクシー?電車?バス?)
Q4.1日目にどこでテント泊するか(唐松岳頂上山荘 or 五竜山荘)
アクセスを含めた全体の登山計画を無理なくしっかり立てて、プラン通りに動くことが、精神的にも余裕が出て安全登山に繋がります。
②アクセス及び「八方アルペンライン(リフト)」利用について
上述した「事前に決めておいたポイント」を踏まえながら、アクセスについて書きたいと思います。
上のマップをご覧になるとお分かりですが、登山のスタートとゴール地点が違う場所になり、尚且つそれぞれ距離が離れていますので、入山前か下山後に、何かしらの交通手段で街中(五竜⇔八方)を移動する必要が出てきます。
私は①唐松岳→②五竜岳の順番で縦走する計画ですが、
ゴール地点となるエイブル白馬五竜の「エスカルプラザ駐車場」に車を止めて、そこからタクシーでスタート地点の「八方駅(ゴンドラリフトアダム)」に行く(往路利用)ことにしました。
↑エイブル白馬五竜は、夏期も「白馬五竜高山植物園」などがあって観光客で賑わうため、この時期でも駐車場は解放されています。
スタート地点の八方に車を止めて、エスカルプラザへ下山後にタクシーに乗る(復路利用)方法もありますが、私は汗かきでいっつも下山後クタクタになるので、往路でタクシー使えるならそうしたいと考えました。
こちらがエイブル白馬五竜(白馬五竜スキー場)のベースセンター「エスカルプラザ」です。
今回の登山では、このエスカルプラザが「ゴール地点」となります。
エスカルプラザ内にはトイレや売店がありますが、早朝に駐車した方は建物内に入れません?のでご注意ください(あまり詳細には調べてませんが)
その際は、車で数分のところの「道の駅白馬」のトイレを事前に利用しておくといいと思います。
エスカルプラザの駐車場はいくつかに分かれていますが、宿泊を伴う登山者は、道路挟んだ反対側にある駐車場(第3駐車場)を利用します。
↑ちなみに、タクシー乗り場はエスカルプラザ正面玄関のところにありました(日中常駐しているかは不明です)
タクシーをご自身で手配する際は、ここを指定すると分かりやすいと思います。
今回止めるべき駐車場には「山小屋泊まり登山者用駐車場→」と書かれた大きな看板がありますので、そこに駐車します(駐車料金は無料でした)
道の駅白馬でトイレを済ませた後にコチラの駐車場まできて、6時ごろにタクシー会社に電話をして「7時に来てもらうよう手配」しました(アルピコタクシーを利用)
スタート地点となる八方ゴンドラリフトアダムは、この日は8時運行開始(時期や曜日により時間は変動)だったので、それに余裕をもって間に合う時間にしました(エスカルプラザ⇔八方駅まで、タクシーで12~15分程度)
<6:55タクシー乗車⇒7:07八方ゴンドラ駅タクシー乗り場到着>
ドライバーさんには「八方ゴンドラのところまで―」みたいな感じでお伝えしまして、八方駅すぐ隣のタクシー乗り場で降ろして頂きました。
料金は片道2500円でした(迎車料が含まれているかなど未確認ですので、あくまで参考程度に捉えて下さい)
ちなみにタクシー乗り場の上段には、八方駅に最も近い有料駐車場があります。
こちらにも既に数台の車が止まっていました。
今回の登山のスタート地点となる「八方駅」です。
ゴンドラリフトアダムという6人乗りのゴンドラリフトを運行している駅で、登山者以外でも八方尾根へのハイキング・観光客なども乗り込みます。
↑写真には写ってませんが、もう少し左側には自動販売機が数台ありました。
八方尾根には唐松岳頂上山荘まで水分を補給できるところがありませんので、事前にしっかり準備しておきましょう。
八方駅の建物内に入ることもできて、通路には登山届を書くテーブルや、階段下ったところにトイレもありました。
※登山届はチケット購入時に必ず聞かれますので、書いていない方は先に書いておくとスムーズです。
web等で提出済みの方は、web画面を印刷したものやスマホ等で画面を見せる準備をしておきましょう。
初日に登る「唐松岳」は北アルプス入門の山としても有名ですが、それにはこの「八方アルペンライン」の存在が大きいでしょう。
3つのリフトを乗り継いで標高1830m地点まで短時間で高度を稼げるため、唐松岳ピストンでしたら十分日帰り登山が可能なのです。
↑チケット売り場前にある「八方アルペンライン」の案内図と料金表(※2019年9月9日現在のものです)
料金表にも載っていますが「15kg以上の荷物持ち込みは追加料金が発生する」点と「jROやJAF等の会員証提示で割引サービス」があるというのは要チェックです!
※詳細はHP( http://www.happo-one.jp/trekking/alpenline )をご覧になったり、直接お問い合わせ下さい。
<7:45チケット売り場のシャッターが開き、チケット販売開始>
平日なのでそこまで行列になってませんでしたが、自然と出来た列に並んでチケットを購入。
チケット購入時に受付の人に「登山届を出してください」みたいなことを聞かれて提出を求められます。
事前に把握していた私は自宅で書いてきた用紙を提出しました(一応、ここで出さずにゴンドラ乗り場横にある登山ポストに入れるというのもOKみたいですが)
ちなみに私の八方アルペンラインの料金ですが、
[八方駅~第一ケルン(八方池山荘)の片道+荷物15kg以上追加料金ーjRO会員証割引]で、しめて1,840円のお支払いでした。
↑荷物15kg以上の判定は、写真にも載っている「手荷物用はかり」にて行います。
私はテント泊かつ、水分や食料、防寒着などガッツリ持参していて明らかに15kgオーバーと分かっていたため「はかりを使わずチケット購入時に自己申告」しました。
<7:50ゴンドラ乗り場前に並ぶ→8:00ゴンドラリフトアダムに乗る>
ゴンドラ乗り場は、チケット売り場の側面にありますのでチケット買ったら荷物を持ってそちらに移動します。
乗り口付近にも登山ポストがありました。
始発の時間が近づくにつれ、徐々に登山者や観光客が乗り場に並びはじめます。
登山者や、ハイカー、カメラを持った軽装の観光客など皆様々。
8時になったら係の人が誘導を開始しますので、各々ゴンドラリフトに乗り込みます。
ゴンドラリフトアダムは背中合わせの6人乗りですが、私は乗る際に入り口で大型ザックが引っかかってしまい、ちょっと焦りました(苦笑)
乗り込んだら、景色を眺めながらグングン上昇していきます。
ゴンドラリフトアダムの乗車時間は約8分です。
ゴンドラリフトアダムから降りたら、そこは標高1400m地点の「兎平」です。
兎平に設けられた道を80メートルほど歩いて、次のリフトへ進みます。
兎平には、うさぎ平テラスやオープンテラスなど観光するのが楽しそうなところでした。
2本目のリフト「アルペンクワッドリフト」です。乗車時間は約7分。
入口でチケットを見せてからリフトに乗り込みます。
↑残り2本のリフトは、4人乗り(クワッド)チェアリフトとなっています。
スキー板履かないでリフト乗る訳ですが、そこはキチンと係の人が誘導してくれますのでご安心を。
チェアリフトということで、風を感じますし開放感があります。
安全バーは必ず下ろしましょうね!
八方駅で購入したチケットは、落としたり無くさないように注意しましょう!
スキー板がないので足はプラプラ・・・・・・・。
ちなみに今回は、重装備(テント泊)で岩場も歩くので、マウンテンブーツの「AKU/ヤツミネⅡGTX」をチョイスしました。
アルペンクワッドリフトを降りましたら、標高1680m地点の「黒菱平」です。
ちなみに、横に伸びる黒菱林道を使って、ここの近くまで車でも上がってこれるようです(詳細は各自お調べください)
黒菱平の左手にある木道を100メートルほど歩いて、次のリフトへ進みます。
道中には鎌池湿原もありました。
八方アルペンライン最後のリフトである「グラートクワッドリフト」です。
こちらも4人乗りチェアリフトで、乗車時間は約5分となっています。
ここまで来ると「結構高いところまできたなぁ~!」って感じがします。
③八方池山荘~唐松岳(八方尾根)について(+雷鳥)
<8:28八方池山荘前から登山開始>
3本のリフトを乗り継いで、ついに唐松岳へ続く八方尾根の起点「八方池山荘(第一ケルン)」にやってきました。ここからは人力です!登山です!
トイレもばっちり済ませてありますし、後続の方々がどんどん来るのでザックを背負い直してさっさと出発!
八方尾根は、いきなりこんな感じで開放感があってテンションが上がります。
スタートから岩はゴロゴロしてますが、しっかりとした登りです。
八方池山荘~八方池までの区間は、観光客がハイキング・トレッキングをするエリアでもありますので、一部で木道が整備されていたりと歩きやすくなっています。
木道は左側通行!濡れていると案外滑りやすいのでご注意を!(特に下り)
振り返ってみて撮影した1枚。
この天空感は素晴らしいですね!
このように、唐松岳は日帰りピストンだけでも十分楽しめますし、八方尾根が登山・トレッキングで人気なのも頷けますね!
歩いていくと、八方尾根では立派なケルンがいくつも見られます。下の写真は最初の小ピーク、八方山にある「八方山ケルン」です。
ケルンは登山の目安になるだけではなく、それぞれ展望に優れたところにあるのも注目ポイントです。
そこから少し進むとトイレがありました。
※ここの後は、唐松岳頂上山荘までトイレはありません。
そして登山道の周囲には、高山植物たちが咲いていて登山者を楽しませてくれます。
↑ウメバチソウ(毎度のことながら申し訳ありませんが、お花あまり詳しくないので間違っていたらすみません)
↓ハクサンシャジン
↓タカネマツムシソウ!
今年は色んな山で、お花が見られてうれしいなぁ~。
その後も物凄い立派な八方ケルンを通過して、
岩がゴロゴロした斜面を登っていきます。
傾斜はそこまで急ではないですが、テント装備と20℃近い気温で思ったより体力を消耗している気がします。
八方ケルンのところから少し進むと、ちょっとした分岐(第3ケルン⇔八方池方面)があったので八方池方面へ進んでみます。
↑分岐後の八方池へ続く木道。
一旦八方池までは木道の下りとなります。
木道を歩いていくと、正面に「八方池」が見えてきます。
八方池は、天気が良くて波が穏やかなら、水面に白馬三山が映り込む光景が見られるなど「歩いてでも来たい池」として有名な景勝地です。
この日は山頂部はどこも雲が多くて白馬三山も見られませんでした。
また一時的に小雨が降るような不安定な天気でしたが・・・・・・・・・・。
↑白馬三山の代わりとでも言いましょうか、渓谷に架かる虹が見えました!
虹ひとつとってもスケール感がありますね!
八方池を越えたすぐ先で、第3ケルン方面との道と合流しますが、ここの地点が「トレッキング(ハイキング)」と「登山」の境界となります。
↑「ここから先は登山の装備と技術が必要です!」と書かれた看板も設置してありました。
登山道が劇的に難しくなる訳ではありませんが、準備をしてきていない方はこの先へは行かない方がいいと思います。
少し進むと樹林帯に入ります。
樹林帯では「秋」の訪れを少しづつ感じながら、時折小雨が降る天気の中を登っていきました。
やはり、上の方は相当ガスっているようですね・・・・・・・・。
登山道自体はハッキリしていて歩きやすい道なので、問題はないですが。
途中にある扇雪渓との分岐です。
ここには扇雪渓の標識がありますが、唐松岳へは右側の登山道を進みますので、間違えないようにしましょう。
久しぶりのテント装備で思ったより脚にきてて、ここでトレッキングポールを取り出しました。テント泊の重い荷物を支えてくれるトレッキングポールは必需品です!
樹林帯を抜けると今度はハイマツ帯となり、周囲が開けてきます。
ここまで来ると完全にガスの中で、周囲の展望は全く得られませんでした。
↑八方尾根には全部で6つのケルンがありますが、最も奥というか高い位置にあるのがこの「丸山ケルン」です。
このケルンまで来ますと、唐松岳へ大分近づいたことになります。
丸山ケルンを過ぎると道は稜線となり、道幅が狭く足元も悪いところが増えてきます。
ガレてはいますが、道はハッキリしているので落石を起こさないように浮石等に注意しながら歩いていけば問題はありません。
「ガスってるなぁ~」「これは山頂の展望はダメっぽいなぁ~」なんてボヤキながら一人で八方尾根を歩いていると・・・・・・・・・
↑「ん?登山道に何かいるぞ・・・・・・・・・・・・・」
!!!
ら、雷鳥だー!!
まさかの、登山道を歩く雷鳥に偶然遭遇。
こんな至近距離で見たのは初めてかも・・・・・・。
登山道でウロウロしているので「どうしたものかな~」なんて思いながらも、ゆっくり進んでみると、雷鳥はそのまま一定の距離を保ちながら私を先行する形となり「雷鳥に道を先導してもらう?!」というよく分からない状況が100メートルくらい続きました。
「これって追いかけ回していることにならないのかしら・・・・・・・」なんて内心心配になりながら進んでいくと、カーブの先の岩場にまさかのもう一羽が。
↑ここで、先程の雷鳥も岩場に避けてくれましたので一安心。
正直ガスっていることばかりに気を取られ、雷鳥のことは頭になかったので、この出会いは思わぬ幸運でした。
ひょっとしたらこんな天候だから、ひょっこり登山道に出てきたのかもしれませんね。
雷鳥を見られてテンションが回復したので、ガンガン進みます。
切れ落ちて道幅が狭いところや落石が怖いところもありました。
こういうところは、すれ違い時も注意が必要ですね。
八方尾根を登り詰めますと、やがて左右に道が伸びる分岐に辿り着きます。
正面の標識は「左は山荘」「右は唐松岳」とありました。
一旦山荘に立ち寄ってから唐松岳へ登ってもよかったのですが「勢いあるうちに登ってしまえ」と、テント装備担いだまま山頂へ向かうことに。
ここまで来ると気温も15℃くらいまで低下していて、日差しもありませんし半袖だと肌寒く感じることもありました。
先程の分岐から唐松岳へは、少し下ったら直ぐにガレた登りとなります。
山頂まであと少しというところで、再び登山道付近にいる雷鳥と遭遇。
↑お食事中でしょうか?
そして・・・・・・・・
<10:50唐松岳(2,696m)登頂!>
ちなみに山頂は気温13℃で、風も強くて結構寒かったです。
案の定と言いましょうか、完全にガスっていて何も見られませんでした。
山頂は広くて周囲が見渡せそうな雰囲気だったので、晴れていたらさぞ絶景が見られたことでしょう!
私は1日目で五竜山荘まで行くことに決めていたので、唐松岳での展望はキッパリと諦めて直ぐに山頂を発ちました。
↑山頂から山荘方面へ戻る際に、途中にY字になっている分岐があるので、ここを右に行くと唐松岳頂上山荘へ向かえます。
④唐松頂上山荘~牛首(岩場)~大黒岳~五竜山荘の縦走路について
<11:02唐松岳頂上山荘に到着>
先程のY字路からほどなくして赤い大きな建物が見えてきます。
この唐松岳頂上山荘は、写真の本館と別棟の北館の2つからなる大きな山小屋で、テント場もありますし、周囲の展望も良くて多くの方が利用されます。
またしても小雨が降りだす天気で気温も12度と、ここまで気合の半袖登山をしてきた私も堪らず長袖シャツを取り出して重ね着しました。
本館の入り口には自動販売機が見えたので、ここで500mlの水(300円)を購入。
外のベンチを借りて、ザックを降ろして行動食を食べながら小休憩。
<11:15五竜岳への縦走路及び牛首(岩場)に挑む>
持参したヘルメットを装着して、唐松岳⇔五竜岳の縦走路を歩き始めます。
この縦走路は「標準CTで片道2時間30分」とそこそこの距離があり「牛首」と呼ばれる岩場の難所もある、本コースの核心部とも言える区間です。
岩場の突破で大事な事の一つとして「時間的余裕をもって登れるか」というのがあります。
「焦り」は事故や怪我を生み出しますので、山荘への到着時刻次第では計画を修正する決断も時には必要となります。
山荘からちょっと進むと、直ぐにクサリが架かった岩場が連続します。
トレッキングポールは山荘で仕舞っていますので、準備は万端!
この牛首の岩場は「唐松岳側からだと下り基調」となりますので、足を滑らせない・落石を引き起こさないように一歩一歩慎重に進みます。
あまり大股にならず、落ち着いて周囲を見渡せば必ず手足の置き場は見つかります。とにかく焦らないことが肝要です。
時折小雨が降る状況なので、岩場が濡れていて滑りやすい点には苦労しました。
このような岩場に挑む場合は、登山靴はソールの硬いマウンテンブーツや、岩場にも強いソールパターンを持つトレッキングシューズが最適です。
横方向というかカニ歩きでじりじり進んでいきますが、テント泊装備だと重さで体が振られます。
クサリにばかり頼りすぎると思わぬ形で体が振られて危険ですので、クサリは補助的に使いながら、両手両足で確実にホールドを探っていきましょう。
牛首の岩場は、ある程度岩稜帯(岩場)の歩行経験がある方なら、油断しなければ問題ないと思いますが、岩場未経験の初心者の方がいきなり挑むにはリスクが高いと感じました。
混雑時など落石も怖いので、ヘルメットはなるべく装着した方がいいでしょう。
途中で五竜岳方面から歩いてきたパーティーとすれ違いましたが、あちら側からだと牛首は登り基調となるため、体力・筋力的にややハードになる印象を受けます。
2日目の方でも書きますが、遠見尾根のことも考えるとやはり①唐松岳→②五竜岳の順番の方がまだ歩きやすいと思いました。
<11:46牛首(岩場)を抜ける>
写真撮るの忘れましたが「これより岩場」と書かれた小さなプレートを通過したのがこの時刻でした。
ここから先は大黒岳への鞍部となり、一気に下っていきます。
そして大黒岳手前では少し登り返しがあります。
この縦走路では、もう牛首の様な岩場はないため、トレッキングポールを再び取り出しました。
12:08頃に大黒岳付近を巻いて通過。
ここにはケルンと小さな標識がありますが、山頂と思しき方向へはロープで立ち入りができないようになっていました。
大黒岳を通過して少し下ったら、後は五竜山荘まで再び登り基調となります。
歩きやすい道が多いので、少し時間を気にしつつも安心して歩けます。
どうせガスっていて景色はゼロなので、無心でひたすら歩きました。
五竜岳に近づいてきたら一瞬、太陽が顔を覗かせる一幕があり、今後を期待させましたが結局すぐ隠れてしまいました。う~ん。
五竜山荘直前では、遠見尾根への分岐があります。
この遠見尾根は、私が車を止めているエイブル白馬五竜(エスカルプラザ)方面へと続く尾根道で、2日目に下山で利用します。1日目はそのまま直進です。
ここまで来たら五竜山荘は直ぐそこ!
分岐過ぎて急坂を下ると、五竜山荘の裏手に出ます。
縦走路は、中々歩き応えがありましたね~。
⑤五竜山荘及びテント泊について
<13:00五竜山荘到着→受付→テント幕営>
決行余裕を持って来ることができました。早速テントの受付をします。
↑五竜山荘の玄関&受付(売店)
入口入って左にあるテーブルで用紙を記入して、テント幕営の受付を済ませます。
五竜岳山荘のテント幕営料は1200円でした(※必ず最新情報をご確認ください)
受付で、テント場の案内や、水やトイレの説明を受けました。
↑水に関しては、山荘の玄関右手にあるこの黒いタンクから汲みます。
1リットル100円です。確認はしていませんが恐らく天水だと思われます。
ちなみに、山荘の売店ではペットボトルの水(300円)やビール、更にリポビタンDなどが販売されていますので、お金(特に100円玉)は多めに持ってくるとよいでしょう。
コチラはトイレです。山荘左の脇道を、奥へ進んだ先にありました。
テント泊の人は、利用料金は幕営料に含まれています。
内部は撮影しませんでしたが、男女共用で、個室と男性用小便器がありました。
手前の黄色いタンクからは手洗い用の水が出ます。
そして肝心のテント場は、山荘南西側の下がったところに数段に分けてスペースが設けてあります。
ガスっていて見えてませんが奥の方にも張るスペースがあり、ある程度奥行はありました(HPではキャパ30張程度と表記されています)
小屋やトイレに近い上段・中段が、先に埋まっていく感じでした。
テントを張る場所については色々と意見があると思いますが、私はどちらかというと人の動線になりそうな場所付近には張りたくない派なので、小屋から少し遠いところをチョイス。
ここのテント場は地面は土でペグも打ちやすいですし、平坦部も多いのでテントは張りやすいと思います。
↑テント場最下段から、テント場と五竜山荘を撮影。
この日は平日ということで最終的に15~16張程度でしたが、金土日などは早めに到着しないと場所の確保に苦労するかもしれません(山小屋の人も「(金土日は)混みます」と言っていました)
この日は西側から巻き上げるように強風が吹いていたので、テントを張る場所や向きに苦戦して思ったより幕営に時間がかかってしまいましたが、なんとか無事張り終えてようやく一息付きました。
↑落ち着いたらお食事タイム。
お湯を沸かして、うどんやアルファ米を食べました(なんの捻りもない食事ですみません。一人の時の私は大体こんな感じです(苦笑))
後はお昼寝したり、明日の五竜岳登頂に向けた準備をしながら適当に時間を過ごします。
テント泊は、このダラダラする時間がたまりませんねぇ~。
↑明日登る、五竜岳へ続く稜線。
テント場の外の気温は大体14~15℃で、風も強かったので外に長時間いると体が冷えてきます。防寒対策にフリースや防寒グローブ、ニット帽などが欲しい時期になってきました。
↑五竜山荘から東側の展望。夕方以降は、時折ガスが晴れるように!
上にも書いた防寒対策と言う点では、サーモス山専ボトルなどの保温ボトルの持参もおススメ!
食事の際に沸かしたお湯の残りなどをボトルに入れておけば、身体が冷えたときに直ぐに温かい飲み物を飲めるので重宝します。
その後もまったりとした時間を過ごしていると、外から歓声が聞こえてきたのでテントから出てみたら、ガスの晴れ間から陽が沈む様を見ることができました!
↑テント場から見える西側の景色。何だか幻想的。
その後もガスったり晴れたりを繰り返していたので、寒さに耐えながら外にいて、時折ふと見える景色を堪能しました!
↑晴れたら「おぉ~」と、歓声がテント場からあがりました。
私含め本日登って来た方々は、こういう景色に餓えていましたからね!
五竜岳山荘のテント場も素晴らしいところです!
↓18時30頃に撮影した一枚です。
本日は、唐松岳をはじめ日中の景色は残念でしたが、最後にこのような素晴らしい景色で締めくくれたのには救われた気持ちになりました!
ちなみに、テントの外に温度計を取り付けてみましたが、夜は大体10℃前後でした。テント内の気温はそれより少し高い14℃くらいでしたので、シュラフが夏用の薄い方や、寒がりな方はある程度着込んで寝たことでしょう。
この時期は日に日に寒くいなっていきますので、装備の選定をお間違いなく!
そして辺りは真っ暗になったので、明日も早いですしシュラフに潜り込んで、1日目を終えました。
明日は早朝から五竜岳に登頂です!
この後の続きとなる
・五竜岳登頂
・遠見尾根での下山
・テレキャビンや白馬五竜高山植物園については
大宮店 會田