【名古屋店 山行報告】8/22-27 黒部上ノ廊下遡行→東沢谷下降 5泊6日

2020-09-01

みなさんこんにちは。
石井スポーツ 名古屋店です。

今回は、8月より石井スポーツ名古屋店 ファイントラックコーナーへ配属となったスタッフより
山行記録を頂きましたので、ご紹介いたします!

全行程
8/22  1日目黒部ダム→平の小屋→奥黒部ヒュッテ→下の黒ビンガ手前1500m付近
8/23 2日目下の黒ビンガ手前1500m付近→赤牛沢出合1730m付近
8/24 3日目赤牛沢出合1730m付近→ 祖母沢と祖父沢の間2070m付近
8/25 4日目祖母沢と祖父沢の間2070m付近→岩苔乗越→鷲羽岳→水晶小屋→東沢乗越→東沢谷1900m付近
8/26 5日目東沢谷1900m付近→奥黒部ヒュッテ→平渡し→中の谷
8/27 6日目 中の谷→黒部ダム

黒部上ノ廊下・・・沢登りを始めた人なら誰もが聞いたことあると思います。
今年の沢登りの目標として4級以上の沢を登ること目指していました。

その時に、真っ先に思い描いたのは上ノ廊下。

上ノ廊下だけでは、多くの人が行っているため
僕たち3人は上の廊下を登り、さらに奥の廊下を登り、東沢谷の下降をして、予備日を含め1週間かけて黒部を堪能しようと考えました。

1日目、黒部ダムから入山し平渡しまで行く、10時半頃に着いて10時の渡し舟にはのれず、12時まで待つ。
舟に乗って奥黒部ヒュッテまで歩き、計画書を提出して上ノ廊下に行く。
最初から腰程度の渡渉だが、黒部の流れは冷たく重い。
おまけに岩がヌメっていていやらしい…

下の黒ビンガ手前で行動を打ち切りタープを張って、食事の準備をする。
翌日の天気があまり良い予報ではなかったので、初日の行程をのばしたので明日は朝一から泳ぐことが確定してしまった。

2日目。
最初から下の黒ビンガゴルジュをロープをつけて流されながら泳ぐ。朝一の黒部川の水は身に染みるほど冷たく、体の動きも良くないが突破する。

進んでいくと口元のタルゴルジュに着き20m程自分がリードして泳ぐ。

しかし、先を見ると行けるか行かないか微妙なラインが見える。水流は非常に強いが、強い部分は狭い。だが、もし流されたら、2m滝から落ちて水流が強すぎて白波で釜が見えないところに放り出される。

下手したら大変な事になる可能性も十分にある。

ここは、泳ぎの達者なパートナーが突破して歓声が上がる。
ロープで引っ張られながら突破したが、ここは凄い水流だ。全行程の中でも1番の核心であろう。

そこからは、廊下沢を過ぎ広河原に出る。
下部の険悪なゴルジュからは想像できないような広い光景。上ノ廊下はいろいろな表情を見せてくれる。
優しくもあり厳しくもある、水は綺麗だし大きな魚もいる黒部は本当にいい所である。

上ノ黒ビンガに差し掛かるとゴルジュ帯になってくるが、下部に比べれば難易度はそんなに高くはない。
ヘツリと渡渉でなんとかし、赤牛沢出合1730m付近で今日の行程を打ち切る。

3日目に突入し上ノ廊下の遡行も終わりに近づいてきた。昨日と同様渡渉とヘツリを駆使して立石奇岩に着く。

あと少しで、大東新道合流である。
5m程の懸垂ポイントをクライムダウンでやり過ごし、大東新道へ合流。
薬師沢小屋に着き休憩後、奥の廊下へ向かう。

奥の廊下は上ノ廊下よりもさらにヌメリは強い。
歩きにくいのと相まって、雨も降ってきて、お陰で非常に寒い。
祖母沢と祖父沢の間の2070m付近の平坦な所で、タープを張る。非常に強い雨が降ってきて、薪も濡れているので火がなかなかつかず寒すぎて震える。

やっとの思いで火がついてご飯をたくさん食べて就寝。
この日から、夜は起きたら薪をくべて朝まで火を絶やさないようにした。

4日目の朝は非常に寒かった。
時計の気温を見ると8.3℃しかない。こんな気温で沢に入るのかと思うとおかしくなりそうだがここまで来たのでいくしかない…

ゆっくり準備して太陽が出るのを待ち行動する。
2時間も歩かないうちに源流碑に着く。

その頃には太陽も出てきて、

暑い…

濡れもの乾かして鷲羽岳を目指すことにする。
沢登りをするならやはり稜線まで、いや頂上まで抜けたい。黒部の源流の頂上と言えば、鷲羽岳だろう。
岩苔乗越まで行き黒部川の源頭まで登ってきた実感がわく。そのまま鷲羽岳を目指し鷲羽岳の頂上へ。
4日目にしてはじめてのピーク。

天気もよくて迎えられてるようでした。

鷲羽岳から、水晶小屋へ行き東沢乗越へ。
そこからガレ沢を少し降りるとすぐに水が出てきて東沢谷が始まる。
出来る限り標高を落として、1900mあたりでタープを張り行動終了。

毎日のように夕立にあったが、なんとか天気は持ち堪えてくれた。
夜には、プラネタリウムばりの満天の星空。贅沢な時間であった。

5日目。長かった山行も今日でひとまず安全地帯の奥黒部ヒュッテに戻る。
東沢谷の下降の記録はないが、ヌメリ以外はそんなに難しくはない。
最後のゴルジュだけすこし巻いて読売新道に合流した。

長い山行に付き合ってくれた二人とガッチリ握手をして健闘を称え平渡しに向かうとする。
途中、中ノ谷のゴルジュ見学をしてそこに泊まるとする。

6日目。
長かった山行が今日で終わる。
黒部ダムまでの歩きの最中、いろいろな記憶が蘇ってくる。
上ノ廊下の前に増水した川で泳ぎのトレーニングもしたし、増水した柿其渓谷本流に行き泳ぎの沢の難しさも知った。天候の悪い笠ヶ岳小倉沢に行き、寒さで震えたりもしました。

その都度、3人で試行錯誤してこの山行が完登できたことに満足しています。
こういった事を続けてゆくゆくはヒマラヤなど世界の高峰に行けたらと思います。

以下より商品のご紹介!!

黒部の水は非常に冷たくファイントラックの商品だと、「ドライレイヤー」と「フラッドラッシュ」が、あると非常に心強いと思いました。
着替えに「ドラウトゼファー」を持っていっても良かったと思います。80gと言う軽さに加えコンパクトになるのも魅力です。

ドライレイヤーベーシックシリーズ

フラッドラッシュシリーズ

ドラウトゼファーシリーズ

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