秘湯三斗小屋と那須連山極上の温泉縦走!
那須の山奥に佇む三斗小屋温泉
こんにちは登山本店バヤシです。
残念なお知らせですが、11月16日付けで人事異動のため今回で登山本店最後のブログになります。
昨年3月からの短い間でしたが、お付き合いいただき、まことにありがとうございました!
スタートはロープウェーで一気に1680m!
11月6日(金)10:00 始発で東京を出発!
黒磯駅よりバスで約1時間。那須ロープウェー山麓駅に到着。4日に降った雪のせいで山はところどころ白くなっています。この日の気温は山麓駅で6℃、山頂駅で4℃ともうかなり冷え込んでいました。
山頂駅から登山開始!
11:10 山頂駅より登山開始
那須岳は主峰茶臼岳、岩の鋭い朝日岳、最高峰の三本槍岳に南月山に黒尾山を加えた那須五岳の総称。
そして実はこのバヤシが唯一体調不良で登頂を断念した因縁の山・・・
それは約10年前の9月にとった夏休み。前日に行った白河小峰城で薄着で過ごしたため不覚にも風邪をひき、山に行けばなんとかなるとロープウェーで山頂駅まで行ったものも頭痛と悪寒のため行動不能でUターンしたという苦い思い出が。今回は倍返しで那須岳をしゃぶりつくしてやる決意で挑みました!
ついに因縁の茶臼岳登頂!
11:30 茶臼岳(1915m)山頂到着!
曇り気味でしたが360°の素晴らしい展望!やっと念願のリベンジを果たしました!!
風が強くシェルのベンチレーションを閉じるくらい寒くなってきました。茶臼岳だけの登山でも防寒具や防寒帽、手袋などの寒さ対策は必須です。
下りは雪がかなり残っていました!
噴火口のお鉢めぐりをしてから峰の茶屋へ下ります。
この斜面はかなり雪が多く、道はズルズルになって皆とても難儀していました。こういう時はアイゼンもそうですが、ダブルストックが活躍します。
バスケットや先ゴムの互換性に注意!
ストックの冬支度もそろそろ準備する頃です。しかしストックのバスケットや石突のゴムカバーにはたくさん種類があり、たとえ同じメーカーでも対応するパーツが異なりそれぞれに互換性が無いのでご注意ください!
バスケットを外した状態でモデルが特定できるようにストックの全体と先端の写真を撮って来ていただくか、下段だけでもお持ちいただけるとトラブルを回避できます。お困りの際はスタッフまでお気軽にご相談ください。
峰の茶屋跡から朝日岳へ!
12:00 かって硫黄の採掘をしていた鉱山事務所の跡を抜けると峰の茶屋の避難小屋。左手前の剣ヶ峰の右側を巻いて朝日岳を目指します。
奇岩!恵比寿大黒
12:20 峰の茶屋と朝日岳のちょうど中間地点の鞍部に恵比寿大黒の奇岩が聳えています。かって修験が栄えていたころの名残で天を指す2本の岩を、それぞれ大黒様と恵比寿様に擬えていたのでしょうか。
いよいよ鎖場が現る!
恵比寿大黒を過ぎると道はさらに細くなり鎖場が現れます。雪もあるので慎重に通過してください。鎖に頼り切らずに自分でしっかりバランスをとって歩くのがポイントです。
朝日岳到着!
12:40 熊見曾尾根東端の分岐を過ぎ朝日岳(1896m)に到着。
あいにくの曇り空でしたが、茶臼岳や三本槍など那須連山の景色が素晴らしかったです。
下りも鎖場の通過は慎重に!
先ほど登ってきた茶臼岳の雄大な景色に目を奪われますが、鎖場では不用意な落石で下の人を怪我をさせないように気を付けて慎重に下ります。
三斗小屋温泉を支える歩荷さん!
峰の茶屋からの下りで遭遇した歩荷さん。日々の生鮮野菜や卵などは歩荷さんが担いで小屋まで届けてくれています。小屋で贅沢な一時を過ごせるのも歩荷さんのお蔭です。感謝!
ちなにみ背負子はミステリーランチというこだわりの逸品!!
昨年の台風で飛ばされた!?那須岳避難小屋
13:30 昨年の猛烈な台風19号で土台から1mずれてしまった那須岳避難小屋は、一見するときれいに修復されてズレもなさそうでしたが未だに使用禁止。3匹の子豚のお家みたいに2階建ての立派な小屋が動いてしまうという台風の猛威に改めて驚かされます。
延命水で一息!
13:40 かっては峠道を牛馬が行きかっていたそうですが旅人たちの喉を潤したのがこの延命水。他の沢は火山性の土壌のため鉄分が多い飲用に適さない水ですが、ここの水は癖が無くとても美味しいのでぜひ飲んでみてください。
三斗小屋温泉に到着!
14:10 三斗小屋温泉に一番乗りで到着!
往時は何軒も旅館が並んでいたという三斗小屋もいまは「煙草屋」と「大黒屋」の2軒が残るのみ。湯治場の雰囲気を残すどこか懐かしい佇まいが落ち着きます。
自慢の露天風呂を貸切!
小屋に到着したら早速風呂に直行!
熱湯とぬる湯で真中が区切られた露天風呂にはドバドバ源泉がかけ流されています。新潟県との県境の山々の絶景を見ながら浸る温泉は至福のひと時!
スタッフの根性に支えられた晩御飯!
17:20 太鼓の音で晩御飯のお知らせ。
生鮮食品はすべてスタッフが根性で背負い上げているとの事。
こんな山中で美味しいごはんを食べられることに感謝しながらお食事を頂きます!
ちなみに大広間の壁に巡らされた塩ビパイプには高温の温泉が流れています。温泉地の特徴を生かした暖房費ゼロ(!)の超エコな暖房システムです。
インナーシーツは持参!
不便な山奥で営業する山小屋の負担を軽減するため今回インナーシーツは持参しました。シートゥサミットのサーモライトリアクターはフードがあるので枕カバーも不要。サーモライト素材を使うことで軽量ながら高い保温力を持っています。シュラフのインナーとして使ったり、夏の平地でキャンプなどで単体でも使用できます。
朝も日の出前から温泉三昧!
自家発電が動く前からヘッドランプをもって風呂へ!
日の出を見ながら入る温泉は最高です!
貴重なフルーツが添えられた朝食!
06:30 太鼓の音で朝食。
小鉢の温泉卵は露天風呂の上で源泉に浸けて作った文字通り本物の温泉卵。
スタッフが背負って運んだ新鮮なフルーツや卵に感謝!
朝食後にひとっ風呂入ったら支度を整え出発です。
三斗小屋温泉の源泉はすごい湯けむり!
08:05 煙草屋の前の階段を上がり、三斗小屋温泉の鎮守である温泉神社に参拝。
08:20 さらに急登を登っていくとゴウゴウと湯気の立ち上る温泉の源泉地。そこかしこでボコボコと温泉が湧き出ています。
三斗小屋温泉の源泉♨️
ボコボコ温泉が湧き出ています!
那須岳の火山パワー凄すぎ!!#三斗小屋温泉#秘湯#那須岳#隠居倉#源泉掛け流し pic.twitter.com/iLzO4IekN3— 石井スポーツ登山本店 (@MtshiiT) November 7, 2020
急登を登りきると隠居倉(1819m)
08:50 苦しい急登を登りきると一気に視界が開けて隠居倉の山頂。
ここまで来ると森林限界を超えて展望は良いのですが、風が冷たく一枚シェルを着込みました。標高も上がったので雪がだいぶ出てきましたが溶けてビチャビチャで足に絡み付いてきます。裾汚れ防止にロングスパッツがあると便利です。
ぬかるみの登りが続きます!
清水平の木道を抜けて北温泉分岐から三本槍岳までぬかるみがひどく、火山性の土と混ざってぐしゃぐしゃのスライム状になっておりとても難儀しました。
那須連山最高峰三本槍岳(1916.9m)
10:10 三本槍岳の山頂に到着。
江戸時代に会津藩、白河藩、黒羽藩の3藩の境界を3本の槍を立てて確認したというのが山名の由来で、曇り気味でしたが360°の大パノラマが広がっており、猪苗代湖の湖面がキラキラ光っているのも見えました。
お昼ご飯は煙草屋さんのお弁当
11:30 長~い中ノ大倉尾根を下りスキー場分岐で昼食。
煙草屋さんで用意してもらった大き目のおにぎりをいただきました。ごはんの塩加減が絶妙で、付け合せの佃煮も美味でした!
大きな温泉プールが自慢の北温泉!
12:15 北温泉到着。
北温泉の名物はなんといっても温泉プール!映画テルマエ・ロマエのロケ地としても有名な温泉旅館で駐車場から約10ほど歩かないといけない秘湯です。
ここもちょうどお昼ですいていたので広いプールを貸切で心行くまで全裸で泳げました!(フロントに確認済み。)迷路のような館内には内風呂や露天風呂が他にもたくさんあり、もちろん全て制覇しました。
旅の〆はもちろん鹿の湯!
16:10 那須湯元へ移動し温泉神社を参拝。九尾の狐伝説の殺生石を見学して鹿の湯へ。
那須湯元名物の鹿の湯は1300年前に傷ついた鹿を追っていて発見されたという歴史があり、41・42・43・44・46・48℃の6つの浴槽が並んでいるのが特徴。入浴法もユニークでまず柄杓で200回頭にかぶり湯をします。浴槽には砂時計があり3分1セットで湯に浸かります。
もちろん今回は48℃にチャレンジ!常連さんのアドバイスを受け3回目でようやく3分の入浴を達成、上がった後のシビレが堪りません!これはクセになるのでぜひチャレンジしてみてください!
※ヤケド注意! 他の人が入っているときは入らない(掻き混ざると超熱い)、順番を守るなどマナーには気を付けてください。
当ブログを最後までお読みなっていただきありがとうございました!
バヤシこと平林ですが、約1年半お世話になりました登山本店を巣立ち11月16日より御徒町のアートスポーツ本店へ異動となります。
登山本店では皆様に大変あたたかく接していただき本当ありがとうございました!
今後とも登山本店をご贔屓のほどよろしくお願いいたします!
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