信越五岳トレイルランニングレースに初めて挑戦する方、完走を目指す方にむけて、それまで50kmのレース(斑尾高原トレイルランニングレース2015)が最長のトレイルランニングレースであったアートスポーツ本店スタッフ・細田が信越五岳トレイルランニングレース110Kを完走できた経験とポイントをまとめてみました。
ぜひまずは初完走を目指すという方は参考にしていただければと思います。
2回目は黒姫(48km)~ゴールを目指します。
⑨黒姫エイドステーション(48km)
第一関門 制限時間 15:00(スタート後9:30)
ここはアシスタントポイントです。友人やご家族からのサポートを受けることができます。
私が出た2016年大会はここから雨が強くなり始めました。サポートからエネルギージェルなどの補給を受けて、いざスタートと走り始めようとしましたが、黒姫高原から先、標高は900mを超え、次の関門となる笹ヶ峰高原は1300mになります。時計も14:30を過ぎ、気温も下がってきました。
エイドを出る直前にウィンドシェルからレインウエアに切り替え、濡れてきたノースリーブシャツとドライレイヤーを、予定では笹ヶ峰で交換しようとしていましたが思い切って着替えてみました。これが効を奏し、身体が乾いた状態に戻り、冷えを感じることなくまた動き続けられるようになりました。
黒姫(48km)~笹ヶ峰グリーンハウス(60km)第二関門 制限時間17:00(スタート後11:30)
黒姫エイドステーションを出ると12kmのだらだらした登りが続きます。基本、ダブルトラックの林道です。左右に曲がる林道をできるだけ無駄なく、最短距離で走るようにインコースを結ぶように走ります。
ここで如何に走れるかだと思っていましたが、夏場にやったロードでの峠走の効果がでて、メンタル的もあきらめることなく、ゆっくりでも走り続けました。
前のランナーを一人ずつパスしてこの12㎞の区間だけで、47人抜くことができ、無事に第2関門の笹ヶ峰グリーンハウスに17:00の16秒前に到着しました。
2016年大会は大雨のため、選手や大会をサポートされる方の安全を考慮し、関門が30分繰り上がり、17:30から17:00になりました。なのでホントにギリギリ通過です。
またこの時点で最後のピーク瑪瑙山への登りはショートカットされることが決まりました。(合計距離103kmに短縮)
笹ヶ峰グリーンハウス 第二関門は1番大きなエイドステーションです。
デポバックの受け取りやこのレースの1番の特徴と言えるペーサーとの合流地点となります。
ここからは、私はペーサーと共にゴールを目指します。私が参加した2016年大会はペーサーが選手の荷物を持って、選手は空荷でも走ることができました。
今はルールが改正され、それぞれが、自分の荷物をもって、前後もしくは並走しながら、走ります。前後どちらにするかは、ペアのコンビネーション次第です。
私の場合は、私が前を走り、ペーサーに後ろについてもらい、後ろから激励をもらいながら(と言うより世間話をしながら)残りの40kmを走りました。
ペーサーと合流し、笹ヶ峰牧場内を走ります。
ペーサーは走り出したばかりなので私に比べて、元気もりもりです。
牧場を抜け。山に入る前の乙見湖までくると日が落ちてきます。
⑩笹ヶ峰グリーンハウス(60㎞)~大橋林道(75㎞)
ここからは多くのランナーにとってナイトパートに切り替わります。
大会側で準備してくれるデポバックもありますので、着替えやヘッドライト、食糧の補充をしっかりします。
自分もファイントラックのドライレイヤーを替え、ノースリーブシャツを半袖Tシャツに着替えました。
ヘッドライトは1個のバッテリーで6時間持つ想定なので、途中の鏡池あたりで交換する予定です。
走り始めは笹ヶ峰の牧場内を進み、ガスがかかっていますが、わずかに景色が見えていましたが、ほどなく本格的な夜になります。
⑪ここから大橋までの15kmはこのレースの核心部と言えるパートです。西登山口入口(70km地点)先までシンドイ登りが続きます。
さらに冷たい雨が強くなり、午後からの降雨でトレイルはスネ位まで川のようになり、かなり苦戦しました。
水溜りを避けようとしても意味がなく、思い切って水溜りの真ん中を進む方がストレスないことに気づき、ここでもペーサーと声を掛け合って進みます。
この区間のピークであり、一番キツイ場所(標高約1600m)で、知り合いのボランティアの方から大きな声で応援をもらい、ホントに力になりました。この区間でも得意の登りで順位をジリジリ上げて22人抜き。
なんとか4時間半をかけて大橋林道に到着。
⑫ 大橋林道(75㎞)~戸隠スキー場(88㎞)
大橋林道のエイドステーションではパタゴニア プロビジョンの温かいスープを頂きます。とてもカラダが暖まり、おかわりももらいます。
ここから戸隠スキー場までの12~13kmは比較的フラットで走れます。ダブルトラックのトレイルや木道が続くので、一定のペースを維持して走ります。
明るい時間帯であれば、戸隠神社の歴史ある大きな杉並木や随神門などを見ることが出来ます。
途中、ヘッドライトが暗くなってきた感じもするので、予定通り、鏡池のトイレの屋根の下で、ペーサーも一緒にライトのバッテリー交換をします。
明らかに照度が復活して、トレイルがよく見えます。最後のエイド、戸隠スキー場までひと登りです。
上の写真は2016年7月に行った試走時に撮影。戸隠は走りやすいコースが続きます。
⑬戸隠スキー場(88㎞)~ゴール(110㎞)第三関門 制限時間23:30(スタート後18:00)
戸隠スキー場エイドでは通常、戸隠そばが食べられます。大会最後の関門であり、大きなエイドステーションです。
ニューハレのテーピングステーションと聖整体院のボディケアステーションがあり、体に不調があれば、見てもらい、元気をもらいましょう。
ペツルのヘッドライトステーションもあるので、ライトの調子が悪かったら、ブランド問わず点検してもらえます。
戸隠スキー場で最後の荷物点検。雨が強くなってきたので、レインウエアを着ました。
ここからラスボスと言える瑪瑙山の登りが控えています。私が参加した2016年大会は大雨の為、このセクションがカットされ、瑪瑙山に登らずゴールを迎えましたが、試走をした際の感じをお伝えします。
瑪瑙山の中腹までは比較的走れますが、標高1400mを超えると、きつい登りが始まります。前後のランナーの明かりにも少し安心もしながら、すこしずつ登って行きましょう。
こちらも試走時に撮影した写真です。瑪瑙山からの下りが結構、足にきます。
ここでもペーサーがいると何かと心強いはずです。瑪瑙山を越えると一気に下り、そこから飯綱林道入り口までアップダウンを少し繰り返して下ります。
飯綱林道入口(ウォーターステーション)のエイドでは明るい音楽を聞きながら、最後の声援をもらいます。ここからゴール(飯綱リゾートプラザオーロラ)までは今年はコースが変更になりました。
最後は約10km強の林道が続きます。もうゴールの明かりが見えてきます。
最後の力を振り絞って、110kmの旅を走り切りましょう。
20:32:59 406位 大会公式リザルトはこちら。
念願のこの楯を手に入れられました。
完走してから5年がたち、色もついていい感じに変わってきています。
次はエネルギー補給・コンディショニング編に続きます。
(写真はすべて2016年大会時と試走時に撮影)