今日はシェラカップのお話を。
すり鉢状のフォルムに、その大きさに比べるとちょいと長めの把手が伸びる独特の形状をしたシェラカップ。
これが私のキャンプライフでひじょうに重宝しております。
カップとしてはやや浅く、お椀とも深めのお皿とも言えるような中途半端な・・・いや!絶妙なこのカタチ。
時には日本酒を注ぐ大きめのお猪口として・・・
時におつまみを盛る器として・・・
そして直接火にかけられるので
時にはワインを入れて温めたり・・・
時にはこれで湯を沸かし、芋焼酎のお湯割りを作る・・・
しかも、ちょっとくらい酔っぱらっていても把手を握れば上げ下ろしがしやすく、大切なお酒やおつまみをこぼしにくい!
シェラカップは自然の中でゆるりと酒を嗜みたい呑べえキャンパーには最高の酒器?なのです。
ちょっとお酒から離れましょう。
シェラカップ最大の特徴は直接火にかけられるという点。
食器としてだけでなく鍋としての機能が備わっているわけです。
ソロキャンプで一人分の料理をするにはちょうど良く、私も時々シェラカップを使って、ひとりアヒージョやひとりもやし炒め、ひとりにんにくの素揚げ、ひとり焼きコンビーフなんかをやります。
もうひとつの特徴はスタッキングできるという点。
大量に積み重ねてもそれほど場所を取りません(って言っても限度はありますが)。
取り皿としてもちょうどいい大きさなので、グルキャンの食器として最適です。
仲間とワイワイBBQをするときには、適度な深さと把手があるゆえの持ちやすさで、焼き肉のタレを入れたまま網の周りをウロウロしてもこぼす心配がありません。ちょうどよく焼けたお肉を素早く奪取できるポジションをキープできます。
ソロキャンプでも1個持とうが2~3個持とうが荷物の量はそれほど変わらないので必ず複数個持っていきます。旅館の小鉢みたいにおつまみを盛ったシェラカップを数個並べて悦に入ります。ひとりでテントやタープを設営した疲れや明日の撤収の心配など忘れ、自然と顔がにやけてくる瞬間です。
さらに特徴をもうひとつ。それは把手。
引っかけられるんです。
洗った後はロープとか、コンテナの端とかに引っかけて乾燥させることができます。
これが意外とベンリ!テーブルの上を占有することなくしっかり水を切れるので、帰宅後あらためて乾かしなおす必要はありません。
そんなわけでとっても重宝しているシェラカップなんですが、お酒の話中心となってしまい本当にモウシワケナイ・・・。
というのも、シェラカップの起源はとても崇高なものなのです。
シェラカップの起源は19世紀に遡ります。
1892年サンフランシスコで設立され、自然保護の父と称されるジョン・ミューアが初代会長を務めたシェラクラブという自然保護団体があります。そこで会員証として配布されていたステンレス製カップがシェラカップです。
今ではシェラクラブオリジナルのシェラカップは配布されておらず、販売され、その売上が寄付金として自然保護に役立てられています。
つまりシェラカップは、もともとはシェラクラブの会員が持っていたものであり、自然保護活動への協力や賛同の証しだったわけです。
今日本で販売されているシェラカップはシェラクラブオリジナルのものではなく、各メーカーさんがオリジナルを模して作っているものです。オリジナルのデザインを踏襲したものだけでなく、把手を折りたたんだり、素材をチタンに変えたり、容量のバリエーションを増やしたりなど様々なアレンジを加えたものも増えています。
また、いろいろなブランドのロゴをあしらったものも出ているのでコレクションとして集めてみるのも面白いかもしれませんね。
当店でも2022年8月9日現在、9種類のシェラカップを取り揃えておりますので、ぜひ見にいらしてくださいませ。
ちなみに・・・
シェラカップと似たようなアイテムとしてロッキーカップというのがありました。シェラカップを愛用していたバックパッカーが、ちょっと小さいな、という不満から考案したと言われているのが1パイント(約473ml)にサイズアップし、寸胴型にアレンジしたロッキーカップです。現在はオリジナルのロッキーカップは作られておらず、ネット上でも高値がついているようですが、いくつかのメーカーが大きめのシェラカップとしてロッキーカップの流れを汲んだ商品をリリースしています。