こんにちは。石井スポーツ松本店の酒井です。
まもなく6月、もうすぐ夏という頃合いですが、
北アルプスはまだまだ残雪期。
山頂を目指して安全に下山するためには、前爪のある10本以上のアイゼンが必要な場所も多々あります。
今日は、残雪期で使うか使わないか分からない。
だけど持って行かないと不安という場合に最高なアイゼン。ぺツルのイルビス・ハイブリッドのご紹介です。
強度のあるスチール製のフロントパーツと、
軽量なアルミ製のヒールパーツ。
そしてそれを繋ぐダイニーマコード。
折り畳めば軽アイゼン程度の大きさに収納でき、
重量はペアで540g(だいたいの軽アイゼンと同等)
※ダイニーマとは、超ざっくり言うと鉄より強度のある素材です。
元々は山スキーブーツと非常に相性の良いアイゼンで、私も山スキー用に購入しました。
が、実はこれ、セミワンタッチにも切り替えが出来てしまうため、後コバのあるマウンテンブーツにも適合します。
2025年1月4日追記【僕は4~5月の残雪期や11月上旬などの初冬時期は防寒性のないマウンテンブーツで登る時も多いですが、その時期で山に雪がビッシリついている状況では12本の普通のセミワンタッチアイゼンを使用します。僕がイルビスハイブリッドをマウンテンブーツに着けて使うときは、基本的に6月~7月上旬の残雪期後半、アイゼンを使うか使わないか分からない状況で、あくまでも予備として携行します、ご参考までに。】
というわけで私の愛用夏靴、スカルパのリベレODにセッティング。
セッティングには通常のアイゼンよりも気を使います。装着した際にダイニーマコードに緩みが無いか、歩き出した後にも緩んでないかチェックします。詳しいやり方はメーカーのぺツル様の公式サイトに動画がありますので、ご購入された際は必ずご視聴くださいませ。
さっそくテストしにホームの針ノ木岳へ。
まだ雪がバリバリ残る針ノ木雪渓とマヤクボ沢を通り、山頂まで行ってみました。
マヤクボ沢の最大斜度は40°ぐらい。
締まった根雪に前爪を蹴り込み登っていきます。
軽量なマウンテンシューズに軽量なアイゼンを装着しているので、足元が非常に軽く、ぐんぐん標高を稼げます。
しかし、フレックスがそこまで強い靴でないのと、ダイニーマの紐とセミワンタッチバインディングの組み合わせという事もあるせいか、急登だと少し力が逃げる感じがします。スキーブーツに装着してた時には無かった感覚。(写真は冬の槍ヶ岳穂先アタック時)
マヤクボ沢を登り切り、針ノ木岳とスバリ岳の間のコルに出ます。ここからは雪岩ミックス…というか岩岩。
ところどころ雪が残っていますが、軽量なヒールパーツはアルミ製、さすがに岩で削れるのが嫌でアイゼンを外します。
サクッと登頂、そして下山。
アイゼンを再度装着し、往路と同じマヤクボ沢を下山。
急な下りでも、しっかり効いていて安心感があります。
後から気が付きましたが、テスト的にはトラバースして針ノ木峠から下れば良かったですね…
今回は登山靴でテストしましたが、
スキーブーツにつけた時には非常に安定します。
マウンテンシューズと比較して硬いスキーブーツにワンタッチで装着できるため、槍ヶ岳の穂先へ向かう際、前爪で岩に立ち上がってもズレは感じませんでした。
荷物が多く、足元も重く、急登を登る事も多い山スキーでは本当に助けられます。
そんなこんなで購入から3年経ちました。
一番気になるダイニーマコードの痛み具合ですが、今はこんな感じ。毛羽立ちはあるものの、まだ大丈夫そう。交換用のダイニーマコードも販売しているので、試しに来年あたり変えてみたいと思います。
追記 山スキーヤーの皆さまへ。
色々なスキーギアが集結するカスタムフェアまで、あともう少しです!ぜひ会場へ遊びに来てくださいね。
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