こんにちは。
石井スポーツ松本店の酒井です。
先日、スカルパの最新トレランシューズ、
リベレランを履いて日帰りで蝶が岳~常念岳を縦走してみました。
そのレビューです。
まずはスペック
アッパー | ファブリック+フィルム |
ライニング | ストレッチファブリック |
ソール | プレサTRN-01 ソール厚:トウ20.5mm/ヒール24.5mm/ドロップ4mm |
重量 | 280g(#42、1/2ペア) |
アッパーもソールも、トレランシューズの中では剛性の高い作りですが、その割には軽いです。
北イタリアで先駆的な登山靴づくりをしているスカルパらしいトレランシューズですね。
今回は三股の駐車場から蝶が岳を経由し、常念岳から前常念の岩稜帯を下るルートを取りました。
三股から蝶が岳までの山頂はひたすら樹林帯、砂礫や泥岩、木道などを歩いていきます。
足元は非常に軽く、この軽さに助けられながら2時間弱で蝶ヶ岳の山頂へ。
蝶が岳の山頂で小休憩したのち、一気に常念岳の山頂を目指します。
アップダウンのある稜線をドスドスと軽快に小走り。
蝶ヶ岳稜線は泥岩質で小さな小石がゴロゴロしている場所ですが、突き上げ感は少なく、非常に快適でした。
あっという間に蝶槍を通過し、ザレた急な下り道を下っていきます。
ここでも(若干は滑りましたが)大きく滑ることはなく、安心して通過できました。
また、甲周りとカカト周りのフィット感も非常に良く、硬いアッパーの割には柔らかく包まれているような、不思議な履き心地。
この手の急斜面の下りでも、しっかりと中で足をホールドしてくれています。
下った先の最低コルはドロドロの道。
敢えて泥に突っ込んで濡らしてみましたが、アッパーの乾きはかなり早く、常念岳の山頂に着くころには全く気にならない程度に。
稜線を進んでいくと、2512Pのあたりでドロドロだった道から大きな岩がゴロゴロして(そして下地は砂の)花崗岩の岩稜帯へと、地質がガラッと変わります。
同じ稜線で地質が大きく変わるのは見ていて面白いです。
その点、この稜線は色々な環境で靴を試せる絶好の場所だったりします。
アッパーがメッシュで柔らかい普通のトレランシューズだと、こういうゴロゴロした大岩の稜線を通過するのには気を使いますが、この靴のアッパーはかなり剛性感が高く、補強部分も多いので擦れに強そう。
なので、この手の岩稜でも雑に酷使気にせず歩けます。
ここも結構気に入ったポイントですね。
流石にバテ気味になりながらも無事に常念岳へ登頂。
これから始まる前常念の岩稜鬼下りに備えて、少し休憩します。
三股へ向かう前常念岳の下りは岩稜帯。
岩、岩、そして滑りやすい砂の急斜面。
なるべく下りでは使いたくないルートで、いつも周回するときは下りが圧倒的に楽な逆ルートを取ります。
しかし、今回は靴のテスト。覚悟を決めて突っ込みます。
大きな岩から大きな岩へ、飛び伝う様に下山していきます。
こんな状況では靴のグリップが大事になってきますが、このソールはベタっと岩に張り付くような感覚でとても安心感がありました。
スカルパが独自開発したソール、「PRESA」ですが、ビブラム社のメガグリップと同程度に近い、強いグリップ感を感じます。
今回の山行と里山を含めてまだ50km程度しか歩いていませんが、アスファルト、土、岩、砂、泥、木道など、様々な地質で強いグリップを発揮してくれており、かなり気に入りました。
長いガレ場をクリアし、長い急勾配の樹林帯を下り無事に三股まで下山。
9時間弱の山行でしたが、フィット感も良く、北アルプスの稜線を歩いたり走ったりするのに丁度いい剛性感と、素晴らしいグリップを感じました。
クッション性はそこまで高くはありませんが、岩場などを通過する際は適度な足裏感覚もあり、非常に歩きやすかったです。
「テクニカルな山岳地帯を走るためのトレランシューズ」という売り文句ですが、まさにその通りの性能を感じました。
他にも、アプローチやファストハイク用として足元を軽くしたい方にはかなりハマるシューズだと思います。
皆様も是非、試し履きしてみてください!