皆様、こんにちは。仙台さくら野店の一柳(ひとつやなぎ)です。かなーり不定期ですが、私の仲間たちとの個人山行のご報告をさせていただきます。
日時/7月7日(火)
行先/山形県 黒伏山南壁・中央ルンゼ(4級・V・10ピッチのうちの半分)
山行形態/アルパインクライミング
課題/奇数人数のパーティ時の快適で楽しいロープワークは?
メンバー/一柳・K野・K泉
黒伏山(くろぶせやま)は、東北を代表する高さ250mの岩壁を南面に持つ特異な形の山で、仙台市内から車で1時間少々、岩場までのアプローチも徒歩1時間というアクセスの便利さが魅力の名山です。この山の岩壁は、傾斜が強く谷川岳の衝立岩にも見劣りしない素晴らしいものですが、いかんせん標高が低いために草木の繁茂が著しく、看板ルートの「中央ルンゼ」周辺以外は現在あまり登られておりません。
今回はその下部約150m(5ピッチ)を練習場所としました。ルート中の核心部(最も難しい部分)が1・3ピッチ目にあり、緊張感の強いクライミングとなりました。特に3ピッチ目では、ロープの流れひとつで浮き石(触れるだけで動く岩片)を落っことしてしまう危険があるので、自分の動き方だけでなく後続者の立ち位置にも気を使うことから、リーダーの力試しの好機となりました。
山岳ガイドを目指す新人K野に本チャンマルチピッチクライミング(アルパインクライミング)のイロハを伝授すべく、ザイルパートナーのK泉にサポートをお願いしての勉強会だったのですが、事実上はK泉にとっての練習の場となり、また私も良い刺激をいただくことができました。
14時でタイムアウトとし、登ったルートをそのまま同じルート上を懸垂下降して終了しました。
日時/7月14日(火)
行先/群馬県 谷川岳一ノ倉沢烏帽子沢奥壁・中央カンテ(4級-・V・10ピッチ)、南稜(3級+・V・7ピッチ)
山行形態/アルパインクライミング
目的/新人たちとの谷川デビュー
メンバー:一柳・T中・K泉・K野
当初、仲間たちと「快適なマルチピッチクライミングをやりたい」ってことから夜行1泊2日で小川山を検討中でしたが、メンバーのスケジュールをすり合わせるうち行き先が小川山→北岳バットレス→子持山などと2転3転した結果、出発3日前になって「日帰りで一ノ倉沢」に決定しました。
ご存知の方も多いかと思いますいが、谷川岳の東面及び南面の谷と岩壁群は群馬県谷川岳遭難防止条例で「危険地区」に指定され入山者の規制があるため、「ふと思い立って」の入山が不可能な場所です。今回は幸いに所属の山岳会が日山協の傘下にあり、登山計画書の入山当日の提出が可能だったので今回の山行が可能になりました。
今回のパーティ編成とルートはT中&K野が烏帽子沢奥壁中央カンテ、ひとつ&K泉が同壁南稜へ。K野はスポーツクライミング経験者ですがアルパイン系は初心者の若手、T中は私と同門のアルピニストで、ここ1?年間、四季を通して毎週末を山に費やしている山バカさんです。K泉はアルパインデビュー直後に落石に遭い、復帰後沢登りでリハビリを重ねてきた努力家、私はといえば・・足かけ2?年間、冒険的登山家を夢見続けているただの道具好き。
岩場の取り付き(ルートの起点)までのアプローチは白毛門登山口の無料駐車場から一ノ倉沢出合まで1時間少々の舗装路を歩き、出合いからは一ノ倉沢本流に沿って登山道をゆき、途中から雪渓上を歩きます。雪渓の先では岩尾根に跳び移り、ところどころ急峻な岩尾根をロープなしで登るというアドベンチャー付きで約3時間費やしました。天候も、これでもかっていうぐらいの快晴に恵まれ真夏の日差しの中、クライミング中の水切れに備えて摂水を控えたせいか、私は絶不調で終日両脚が痙攣しての厳しいクライミングとなりましたが、何とか初志を貫徹できました。
しかし・・・日帰りするには遠かったです。月曜の夜出発し運転5時間、火曜の朝方着いて1時間仮眠し暑くなる前にってことで出発、往復5時間のアドベンチャー的なアプローチと5時間のクライミング。帰りの運転がつらかったです。水曜の朝に戻り、T中・K泉は出勤、K野はキャニオニングに、私は自宅で休憩後クライミングジムへ・・・
メンバーのスケジュールと体力に余裕を持った登山計画を立てること、夏山では体の水分調節が大事だと身に染み、有意義な修業の場でした。
スタッフ 一柳(ひとつやなぎ)