【大宮店】残雪期(4月)の『蓼科山(標高:2,531M)』大宮店スタッフ登山記録

2018-04-24

2018年4月23日(月)

長野県の蓼科山(たてしなやま:標高2,531M)に、日帰り残雪期登山してきましたのでレポートします!

 

 

蓼科山は、八ヶ岳連峰の北端に位置する標高2,531Mの山です。

日本百名山にも名を連ねる、通年通して人気のある山ですね。

 

 

 

◆今回の登山ルート◆

[蓼科山登山口(女神茶屋)]START ⇒ [蓼科山(2,531M)] ⇒ [将軍平] ⇒ [蓼科山七合目]GOAL※

 

蓼科山へは時季にもよりますが、複数の登山口から登ることができます。

今回は主要2ルートを結ぶかたちで[蓼科山登山口(女神茶屋)]から入山して、[蓼科山七合目]に下山することにしました。

このルートは入山下山別の登山口になるため、下山後の移動手段を事前に検討しておく必要があります。

(一般的なのはピストン山行です)

 

 

まずは、この主要2ルートの登山口を簡単に解説。

 

 蓼科山七合目:蓼科神社の鳥居が目印。2時間程度で登頂できる最短コースとして、夏季は最も利用される。

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夢の平林道から車でアクセスして、標高約1,900mの七合目までアプローチできる。

駐車場は道路を挟んだ鳥居の反対側の路肩や、少し林道を下ったところにあります。

電車&バス利用の場合は、蓼科牧場までバスで来てから、ゴンドラリフト+徒歩で七合目までアプローチする必要があります。

 

 

 

蓼科山登山口(女神茶屋):岩がゴロゴロした急登がある、登り応えのあるコース。冬山登山でもよく使われる。

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↑今回のスタート地点となる登山口。

登山口はマップの駐車場からちょっと下ったところにあります。道路の反対側には女神茶屋があり、女神茶屋コースとも呼ばれます。

電車&バスの場合「蓼科高原ラウンドバス」があるのですが、夏季の”特定日しか運行しない”点に注意です。

 

↓こちらが蓼科山登山口駐車場。最大20台くらいの広さ。

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トイレや登山ポスト(赤丸のところ)が併設されています。

 

 

 

 

毎度のことながら早朝スタートなので、スタート地点の標高約1,700Mで気温は7℃とやや肌寒かったです。

天気がいい日が続いていたからか、地面は乾いてて歩きやすかったのは助かりました。

でも、いつ雪解けによるグチャグチャな地面がきてもいいように、ロングスパッツは装着済みです。

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笹のなだらかな道→樹林帯の急登→樹林帯のなだらかな道と、登山道が変化しながら進んでいきます。

 

 

 

上のルート解説でも書きましたが、このルートは岩のゴロゴロした急登エリアからが本番です。

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歩きやすかった土の道から一転、こんな光景がいきなり出現します。

一度立ち止まって、覚悟を決めて登り始めます。

 

 

 

この岩の急登は山頂付近まで続くわけですが、途中で樹林帯のなだらかな道が入ります。

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標高2000Mを越えた辺りから、日陰を中心に部分的に雪が残っていました。

なだらかな道にある雪ですので、アイゼンは付けないで登れましたが、氷に近い状態なのでスリップに注意です。

 

 

なだらかな道が終わると、再び岩の急登が待っています。

蓼科山登山口ルートは南斜面なので、このような開けたところには雪はほとんどありませんでした。

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高度が上がるにつれて、どんどんキツくなっていきます。

浮石なんかにも注意しながら登らないといけないので、結構疲れます。

今回は乾いてましたが、岩が濡れてたりしたら更に危なくなるでしょうね。

 

 

休憩のために、立ち止まって後ろを振り返ってみると・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

八ヶ岳連峰や南アルプスがクッキリ見える、開けた南側の好展望が!

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そう、この蓼科山登山口ルートは、登ってる最中から周囲の山々を見ることができるのも魅力の一つなのです!

度々後ろを振り返って、やる気・元気を補充!

 

 

 

視界が大きく開けてきました。

そして現れる無数の溶岩石たち。

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ここまでくると早く山頂に付きたい一心ですが、

 

 

山頂へはそのまままっ直ぐは上がれません。

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溶岩石の上を、矢印と棒を頼りに東に巻いていきます。

はやる気持ちを抑えて慎重に進みます。

 

 

蓼科山頂ヒュッテ横に到着しました!

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ここまできたら折り返すように方向を変えて、ちょっと登れば・・・・・・・

 

 

 

 

蓼科山山頂(標高2,531M)に到着!

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↑標識と三角点。

 

 

 

 

山頂にきて、私の開口一番は、

 

 

 

 

「広っ!」でした。

なんですかこの山頂の広さは・・・・・・・・・・。

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火山である蓼科山は、山頂も溶岩石がこのように積み重なっているため、標高の高さもあって樹木が生育されないようですね。

そして山頂は、円形状で直径約100mもあるようです。

標識と三角点の他には、中央に蓼科神社奥社(赤丸)と方位盤(赤矢印)があります。

 

 

まずは蓼科神社奥社へ。

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山頂の広さの割にこじんまりとした感じで、ポツーンと建っていますが、これはこれで存在感あります。

 

 

 

↓こちらが方位盤・・・・・・・?

台座っぽいのしかありませんでした。

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台座のところは一段高くなっているので、絶好の撮影スポットです。

 

 

この広い山頂は、それこそ外周をぐるりと歩いて景色を見ることができます。

山頂は風が強く、溶岩石の上を歩くので見とれすぎて足を踏み外さないよう注意しましょう。

 

 

 

景色はもちろん、最高です!

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↑登りでずっと背中を押してくれていた、八ヶ岳連峰と南アルプス。

 

 

 

八ヶ岳連峰を拡大して撮ってみました。

ちなみに山頂の気温は7℃で風が強かったので結構寒かったです。

これだけ展望が優れた山頂ですから長居したいところですが、そのためには防寒対策をしっかり用意しましょう。

 

 

↓こちらは中央アルプスや御嶽山、乗鞍岳など

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写真右に見えてる湖は白樺湖です。

 

 

そしてこちらが北アルプス方面。

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穂高岳、槍ヶ岳、剣岳、白馬岳などなど、北アルプスの名だたる山々を一望できます。

 

 

穂高岳・槍ヶ岳辺りを拡大して撮影。

ここまで色んな方位の山がハッキリ見られるのも、この他に類を見ない山頂をもつ蓼科山だからこそ!

(他にも浅間山方面や日光の山々も見渡すことができますが、今回は割愛してます)

この景色を見るために、登山される方は是非一度は登っておきたい山でしょう!

 

 

 《動画:方位盤台座からの360度映像(23秒、音声なし)》

※八ヶ岳連峰→南アルプス→中央アルプス→北アルプスと映ります。

今回も動画を入れてみました。興味ある方はご覧になってみて下さい。

 

 

 

ちょっと名残惜しいですが、下山を開始します。

[蓼科山七合目]へ下山するので、来た方向とは逆に進みます。

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↑蓼科山頂ヒュッテ。宿泊しての山頂でのご来光もよさそうですね。

 

 

蓼科山七合目へは、まず[将軍平]と呼ばれる分岐ポイントまで下る必要があります。

 ヒュッテから七合目登山口へのルートに入った途端、辺り一面雪でまさに別世界になりました。

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トレースと棒があって、この先の道が見えないということは・・・・・・・

 

 

 

やってきました、本コース最大のポイント [蓼科山頂ヒュッテ⇔将軍平 間の急斜面]です。

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急斜面をほぼ直線上に下っていきます。

 

 

 

七合目登山口ルートは北斜面になるので、残雪期においてアイゼンが必要になるのは把握してました。

当初は軽アイゼン(6本爪)も考えました。

が、斜面(特に下り)での安定感に勝る、前爪付アイゼン(10本爪以上)の方が安心・安全ということで、

12本爪アイゼンをチョイスしたのですが、これは正解だったと思います。

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↑ダブルストック+12本爪アイゼン+マウンテンブーツの組み合わせ。

雪の状況によっては、ピッケルを使ってもいいと思います。

※注意※

アイゼンは靴との相性があります。また、どのような靴にも付けられるモノではありません。

アイゼン選びやご不明な点は、是非我々店舗スタッフにご相談ください。

 

 

 

 

ちなみに、斜面には沢山のトレースが付いているので、

慎重に足の置き場を選べば、軽アイゼン(6本爪)でも踏破は可能ではあります。

ただし、前爪付きアイゼンに比べて、急斜面の下りは得意ではないので、スリップによる転倒に注意です。

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6本爪アイゼンしか持っていないなら仕方ないですが、両方お持ちなら、この時期は迷わず前爪付アイゼンを推奨します。

もちろん軽アイゼンも靴との相性があります。

軽アイゼンについてはコチラもご覧ください。

 

 

 

急斜面を下りきってから、振り返って撮影。

蓼科山七合目ルートで残雪期ピストン山行される方は、登りも下りもこの雪の急斜面に挑まなくてはいけないのです。

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装備が不十分だと感じたら、無理せず引き返すのも選択肢に入れるべきでしょう。

 

 

樹林帯に入っても、結構な斜面が続きます。

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凍ったりしているわけではないでの、その点は歩きにくくは無かったのですが、

踏み抜きがいたるところにあって、この時期特有の難しさを感じさせられました。

 

 

ほどなくして[将軍平]に到着。

ここには蓼科山荘があります。

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将軍平は蓼科山七合目をはじめ、各登山口への分岐ポイントとなります。

間違えないように進む方角を確認して、蓼科山七合目へ向かいます。

 

 

 

将軍平⇔ 蓼科山七合目登山口の間も、標高が高いうちは完全に雪道でした。

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アイゼンないと、登りはなんとかなっても下りは相当苦労しますし危険ですよ。

それから、必ず話題に上がるといっても過言ではないチェーンアイゼン(チェーンスパイク)ですが、

斜面に対してはそこまで効果的ではありません(私の過去の記事もご覧ください)

 

 

 

標高が下がるにつれて、登山道の両脇の地面が露出してたり、凍った路面に変わったりと登山道の状況が変わっていきます。

アイゼンを付けたまま雪の上を選んで歩いてましたが、

標高2,100Mを下回った辺りで、ついに雪より夏道の割合が増えたので、ここでアイゼンを外しました。

P1030202_R

その後も標高2000mまでは、時折雪が残っている感じで、それより下は完全に雪は無く夏道でした。

 

 

 

雪が完全に無くなって、気持ちのいい樹林帯歩きを満喫していたところ、

見通しのいい直線の前方で、何やら動く物体を発見。

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最初は登山者かと思ったのですが、一向に近づいてくる気配がないので、

こちらから近づいていったら・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

シカでした。

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凄いガン見されてます・・・・・・・・。

とりあず立ち去ってくれるのを期待して、ある程度の距離で止まってじっとしてたのですが、アチラも全く動かず。

埒が明かないので、刺激しないようゆっくりと近づいていったら、森の中に消えていったので一安心。

 

 

 

そんなアクシデント?もありましたが、蓼科山七合目に無事下山完了!

やはり蓼科山七合目ルートは体感的にも距離は短目でした。

P1030218_R P1030219_R

駐車場は鳥居の反対側の路肩です。

トイレも少し下ったところにあるのですが、まだ開いてませんでした。登山ポストは鳥居横にあります(赤丸)

 

 

 

 

改めて今回のルートを確認ですが、

[蓼科山登山口(女神茶屋)]START ⇒ [蓼科山(2,531M)] ⇒ [将軍平] ⇒ [蓼科山七合目]GOAL

というものです。主要2ルートの残雪状況を、この目で確認したかったのがこのルートを選んだ理由です。

通常はどちらかのルートを、ピストン山行するのが一般的ですのであしからず。

 

また、電車&バス利用の場合はアクセスが結構複雑なので、下調べは十分行って、

場合によってはタクシーを使えるよう支払い手段を用意しておくと安心です。

 

 

 

蓼科山登山口ルートは大部分で雪解けが進んでいて、雪が残る樹林帯も平坦部中心ですので、

こちらのルートのピストン山行なら、念のため軽アイゼン(6本爪)や簡易アイゼン(4本爪)を携行していれば問題ないでしょう。

むしろ、岩がゴロゴロした急登が結構ツライのを覚悟しておくという感じです。

 

 

蓼科山七合目ルートは、標高2000M以上はまだまだ雪山と捉えた方がいいです。

特に将軍平⇔蓼科山頂ヒュッテ間の雪の急斜面はかなりのものですので、装備や歩行技術が不十分だとケガや事故に繋がります。

最低でも軽アイゼン(6本爪)、あるなら12本爪アイゼン+適合するマウンテンブーツ推奨です。

ピッケルやダブルストックも、ないとツライです。

 

 

残雪期登山は登山道の状態予測が難しく、また雪解けで道が荒れていることも多いので特有の難しさがあります。

蓼科山自体は、距離も短く、ここでしか見られない絶景を味わえる本当に素晴らしい山です。

出発前は最新の情報をチェックして、初心者向けコースだと油断せずに、万全の装備で安全に登山をお楽しみください!

 

 

 

我々石井スポーツスタッフは、皆様の登山を全力サポート致します。

ご不明な点がありましたら、遠慮なくスタッフにお問い合わせください!!

 

 

 

大宮店 會田

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