いま巷で話題のスカルパ最新ブーツ、リベレODを履いて残雪の北アルプスを4日間歩いて来ました!その所感になります。
まずはスペック。
防水ライニング | Outdry® |
材質 | 耐水スエード/マイクロテック |
ソール | ビブラム・ペンタックスプレシジョンⅢ |
重量 | 690g(#42、1/2ペア) |
このクラスのブーツとしてはかなり軽いですね。アッパー素材は上質な革を使っており履き心地は良好、締め付ける感じはなく、足全体にしっかりフィットする感じです。見た目もカッコいいですね。防水素材はゴアテックスではなく、アウトドライという素材を使っています。後コバも付いている為、セミワンタッチアイゼンにも対応しています。
ここからは私の使用感です。四日間のルートは上高地→蝶ヶ岳→横尾→涸沢→涸沢岳→涸沢→上高地になります。装備重量はテント泊装備で、カメラ機材を入れて25kgでした。
上高地から徳澤までの長い林道では、リベレODの軽さのおかげで重装備でも速度を出すことができました。剛性の高いブーツですが、平坦な場所でも歩き辛さは感じません。
蝶ヶ岳へは、徳澤から蝶ヶ岳の山頂へ向かって樹林帯の尾根を登っていきます。時々、木の根や岩を踏んでいきますが、高い剛性で足裏への負担はありません。1800mから上は完全に雪に覆われ、湿りきった雪の上を3時間以上歩きましたが、浸水することは全くありませんでした、凄いぞアウトドライ。
二日目は涸沢へ移動します。雨予報を見越して早めに動いていましたが、結局、本谷橋を過ぎたあたりでザーザー降りの雨に打たれることに…シャバシャバな湿雪+雨という、防水テストには最高な、靴からしたら悪夢の様なテスト環境の出来上がりです。 涸沢までの二時間、浸水はありませんでしたが、革が濡れて透湿性が落ち、汗で靴下が湿った状態になりました。撥水スプレーなどしてしっかり対策をすれば、もう少し状況は良かったかもしれません。
3日目はアイゼンを装着して、穂高の稜線を目指します。グリベルのセミワンタッチアイゼン、G12ニューマチックとの相性も良く、元々の靴の軽さも相まってアイゼン装着時でも重さは感じません、しかし、当たり前ですが防寒性能は冬靴に比べると圧倒的に劣ります。つま先に冷えを感じながらもサクサクと高度を稼ぎ、二時間ちょっとで穂高岳山荘へ到着。当初は奥穂高岳へ登ろうとしましたが、雪壁の状態が不安定と判断して涸沢岳へ目標を変えます。
涸沢岳へは雪岩のミックスルート、アイゼンを装着したまま通過します。アイゼンの前爪を使っての立ち込みは全く問題ありませんでしたが、横方法へのねじれ剛性は冬靴に比べると弱いと感じました、この辺りも軽量化ゆえの弱点かもしれません。
25kgの重装備、かつ行程の7割が残雪の中でしたが、平坦地、樹林帯、岩の稜線、雪渓、雪岩ミックスなど、様々な場所でリベレODの性能の良さを感じることが出来ました。軽くて剛性の高い、かつ履き心地の良い靴というのは本当に革新的で、この靴は3シーズンブーツの新しい定番になりそうな気がします。夏になったら穂高の一般岩稜ルートを縦走して試してみたいですね。
松本店 酒井