2019年6月4日(火)
長野県にある『御座山(おぐらさん:2112m)』に、日帰り登山をしてきましたのでレポートします。
日本二百名山の一つに数えられ、お花と展望に優れた秀峰です!
◆山頂の景色を早く見たいという方は⇒コチラをクリック!
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「御座山ってどこにある山?」って方に向けて、広域表示したマップでご紹介!
長野県南佐久郡北相木村と南相木村にまたがる標高2112mの山で、北に浅間山・南に奥秩父主脈(金峰山など)・西に八ヶ岳連峰・東に秩父(両神山など)と錚々たる山々に囲まれた独立峰となっています。
↑長者の森登山口にある、御座山を紹介した看板。
東信地方の最高峰で「佐久の幽巒(ゆうらん)」と呼ばれていたようです。
「幽巒」とは、山と高原地図の解説だと「奥深い山」という意味のようですね。
◆本日の登山コース(長者の森コースピストン)◆
長者の森駐車場 ⇔ 合流点 ⇔ 前衛峰 ⇔ 御座山(2112m)
■距離10.4km/累積標高(登り)1104m/標準コースタイム5時間40分(往復)
↑無料GPSアプリ「YAMAP」で実際に獲得した軌跡データを使用しています。
御座山への登山コースは、山と高原地図(No.21:西上州2018年版)で確認できるもので全4コースありますが、今回は北相木村のお薦めルートと看板に書かれていた[長者の森ルート]をチョイスしました。
↑長者の森登山口にある、北相木村からの登山ルートについて書かれた看板。
ここに表示されている他の[白岩ルート]と[山口ルート]についてですが、どちらもマイカーでのアクセスに難ありです。
なので[長者の森ルート]か、南相木村方面から登る[栗生ルート]のどちらかで登るのが主となっています。
こちらが長者の森登山口横にある、長者の森駐車場(無料)です。
キャンプ場やロッジ、コテージなどがある「長者の森」という施設の中にある駐車場でして、30台程度駐車可能で、御座山への登山者も無料で利用できます。
↑隣接するテニスコートが目印です。
★ちなみに長者の森までの車でのアクセスですが、例えば当店がある埼玉県の「大宮」からだと
①上信越自動車道[下仁田IC]で降りて[県道45号線(下仁田上野線)]→[県道124号線(上野小海線)]→[ぶとう峠]と、一般道(峠道)を走る最速(多分)ルート
②上信越自動車道→中部横断自動車道[八千穂高高原IC]で降りて、小海町を通り[県道124号線]に入る迂回安全ルート
の2つが主に考えられますが、車のナビやグーグルマップ、ルート検索サイトなどでも意見が分かれるくらい、ある意味絶妙な位置に(長者の森は)あります。
総距離や最速を考えるなら①なのですが、一般道の距離が長くなり、しかも道幅の狭いぶとう峠などを走行する必要があるのがネックです。
その点②なら、総距離は伸びるものの一般道の距離は半分程度で済みますし、小海町側からなら県道124号線も、ほぼセンターラインがある走りやすい道路なので、運転で疲弊するのも嫌ですし私は②を選択しました。
何れにせよ登山だけでなく、アクセスもよく考えて計画することを強くお勧め致します。
長者の森駐車場の紹介に戻りますが、駐車場のすぐ横には綺麗なトイレがあります。近くには自動販売機もありました。
※登山道には水場はありませんのでご注意を。
ただし、このトイレは夜間は利用できません。
※夜間が何時までなのかは調べてませんのであしからず。
夜間は加和志湖畔にある公衆トイレを使うように、張り紙がされています。
加和志湖畔の公衆トイレは県道124号線沿いにありますが、長者の森から小海町方面に約2km離れています。
それともう一つ、この駐車場は「車中泊が禁止」されているようです。
直接問い合わせはしてませんが、張り紙やトイレが夜間閉鎖されているのも鑑みると、恐らくそうなのでしょう。
↑駐車場奥の木にあった「駐車場内での寝泊まり禁止」の張り紙。
※長者の森駐車場へは、道中にゲートや進入禁止のロープなどはなかったので、早朝等でも駐車自体は出来ました(シーズンにより異なるかもしれませんが)
ちなみに私は今回(も)早朝スタートですが、仮眠は高速のPAで取っています。
(登山やスキーでは、各高速で大体同じところで取るようになりました)
準備が出来たら早速登山スタート!
長者の森駐車場から登山口へは、テニスコート横から道路をちょっと進んだ先にあって、目立つ看板が見えてくるので直ぐ分かります。
※早朝時の写真が軒並み撮影失敗していたので、これ含め4枚ほど下山時に撮り直した日中の写真を掲載しています。
既に冒頭で紹介していますが、長者の森登山口にある看板です。
立派な看板です。こういうのは分かりやすくて本当に有難いですね。
登山口からは、少し舗装路を歩きます。
分岐には「御座山→」の標識があるので安心でした。
立派なコテージが立ち並ぶ横から、未舗装路に入ります。
(写真左)まずは、砂利道の林道をゆるやかに登っていきます。
明るいと気持ちのいい感じですが、薄暗いとちょっと不気味です。
熊鈴を鳴らしながら歩きました。
(写真右)そんな林道から登山道へ変わると、一気に傾斜が増して序盤からしっかりと登りになります。
(写真左)登山道は明瞭ですが、地面が砂っぽくて踏ん張りにくいところも一部ありました。
↑もうピークは過ぎた感がありましたが、トウゴクミツバツツジ(だと思います)がまだ綺麗に咲いていました。
今回は、時期を迎えているシャクナゲを見ることが一つの目的ではありましたが、標高が低いうちはトウゴクミツバツツジが見られてラッキーでした。
ちなみに早朝の気温は10度前後で、埼玉の暑さに順応しだした体には結構こたえる寒さでした。
こういう時は、さっと着れて脱いでも邪魔にならない、薄手の長袖シャツがあると便利ですよ~。
一旦少し下ると、突如として大きな赤白の鉄塔が姿を現します。
鉄塔の中をくぐって先へ進みます。
更に少し進んだ先にある「合流点」です。
ここは[長者の森コース]と[白岩コース]が文字通り合流するポイントですが、間違えて白岩コースへ進まないようにしましょう(そのまま進んでしまうと白岩登山口へ降りてしまいますよ)
標識がしっかり立っているので、地図やGPSと照らし合わせながら進めば問題ないはずです。
↑別視点と言いましょうか、御座山から下山してきて合流点に差し掛かった時の一枚。
特に下山時は、そのまま勢いよく直進すると白岩コースに突入してしまうので注意です。
この先少し道幅が狭いところもありますが、一旦なだらかになるため、ここら辺は緑の中を気持ちよく歩けるところです。
朝は生き物の声も少なく、静かで清々しいので歩くの大好きです。
再び傾斜を増していきますと、御座山の標識があるところに出ますが、ここから尾根道の様子が一変します。
トウゴクミツバツツジは、ここら辺で一旦お別れ。
また下山時に会いましょう!
シャクナゲが周囲に見られるようになり、足元は木の根っこやら岩やらが増えて急な登りになっていきます。
シャクナゲが咲いてますね~!
シャクナゲはやっぱり華やかで、見応えがあります!
思わず立ち止まることが増えました。
ただ、シャクナゲの花が咲いている本数自体は、思ったよりそこまで多くない印象でした。
登山道自体はハードな登りが続きます。
汗をかいてきたので、長袖シャツを脱いで半袖に。
急登を登りきると、また一旦なだらかな尾根道となり「見晴台」というポイントに到着します。
標高1750m地点。
この見晴台は、西側の展望が期待できます。
↑奥に見えるのは、八ヶ岳連峰の北八ヶ岳の山々(蓼科山や北横岳など)ですかね。
見晴台を過ぎたら、再び樹林帯の急登です。
ひたすら上へ上へと尾根道を登る感じなので、思ったよりキツかったです。
しかし、この「見晴台」⇔「前衛峰」までは、一番シャクナゲが咲いている区間。
時折、シャクナゲに元気を注入してもらいながら登っていきました。
まだ蕾だったり、水滴が付いているシャクナゲも綺麗~。
一方で、パタッとシャクナゲが咲いていないところに差し掛かると、途端にパワーダウン。辺りをキョロキョロしながら登っていきました。
ちなみに道中は、見晴台など一部を除き展望はほぼありません。
やがて、一つのピークとなる「前衛峰」に到着します。
標高1992m地点で、ここから山頂までおよそ35分と書いてありました。
ここから一度「うだの沢のトーミ」という鞍部に下ります。
前衛峰のすぐ先では、ちょっとした岩場を降りますので滑らないように慎重に。
その後も、足元が悪い急な下りとなります。
下りきると鞍部の「うだの沢のトーミ」です。
ここには下新井登山口への道標が置いてあるのですが、その道は完全に消失していました。
さぁ、山頂に向けてもう一登り!
一旦鞍部に下った分ここの登り返しは最も急で、シャクナゲもほとんど咲いてませんでしたし、足元も木の根っこが多くて登りづらく、タフな登りとなりました。
最後の急登をクリアすると、立派な避難小屋が現れます。
内部は見ませんでしたが、十分利用できそうな印象でした。
ちなみにここは、南相木村側の[栗生コース]との合流地点となっています。
避難小屋の裏手に回ると、突如として視界が開けて、岩場が出現します。
山頂までは岩場を歩いていきます。
歩けそうなところは割と多いので特に問題なかったのですが、油断は禁物です。
ふと足元を見ますと、岩の隙間にイワカガミが咲いていました。
踏まないように注意して歩かなければ。
岩の上を歩いてきますと、ついに山頂の標柱を発見!
そして・・・・・・・・・・・・
『御座山(2112m)』登頂!!
山頂は、切れ落ちた岩場になっているため360度の大展望!
平日の朝なので、流石に誰もいませんでした。
実際に、山頂から見えた景色を紹介していきましょう!
↑南アルプスの山々。甲斐駒ヶ岳や北岳などが見えています。
↓こちらは北アルプス方面。
↑少し拡大して・・・・・・・・・・何とか見えるでしょうか?
肉眼でも、薄っすらと北アルプスの山並みが確認できる程度だったので、本日はコレが限界でした。
↓北側の展望。
奥に浅間山が見えています。
東側(秩父方面)の展望。
時間的に逆光となっていますが、前回登った両神山(埼玉県)の、特徴的な山並みが確認できました。
実を言うと、両神山山頂から御座山を見た際に「登ってみたいなぁ~」と興味がわいたのが、今回の登山の始まりだったりします。
上手いこと、シャクナゲの時期と重なったのは幸運でした。
こちらは南東~南側の展望。
奥秩父主脈(瑞牆山や金峰山、甲武信ヶ岳など)が見えています。
東信地方の独立峰という絶妙な位置関係と、切れ落ちた岩場のお陰で実現した、素晴らしい展望に大満足です!
道中はずっと樹林帯なので、この景色に出会えた際の喜びもひとしおでした!
↑展望も一周回って、西側にでっかくそびえる八ヶ岳連峰。
ちなみに山頂の朝の気温は13度くらいでした。風が吹き抜けるため、半袖で長時間停滞していると流石に冷えてきます。
この時期に登るなら、サッと着れる長袖のシャツや、ウインドシェルジャケットが便利ですので用意しておきましょう!
下山ルートはピストンですので割愛しますが、折角なので道中で写真に収めたシャクナゲたちを載せたいと思います。
昨年は、ほぼ同時期に平標山(新潟・群馬県)でシャクナゲを楽しみましたが、
こうなると毎年どこかでシャクナゲを見るのが恒例になりそうです。
太陽が昇り、木漏れ日の登山道を歩くのもまたイイですね!
そして再開するトウゴクミツバツツジたち。
今年はこれで見納めでしょう。
後は、長者の森まで戻ってきてゴールです。
↑長者の森登山口から駐車場へ戻る際の一枚。
御座山について調べていたら丁度シャクナゲの時期だったので、これ幸いとすぐさま決行した訳ですが、
シャクナゲやトウゴクミツバツツジなどの花を楽しみながら、山頂の景色も素晴らしくて、とても充実した登山になりました!
長者の森コースは標準CTで往復5時間40分、距離も10kmあり累積で1000m以上登るので、それなりに登り応えもあります。
前衛峰周辺や山頂は岩場ですが、クサリやロープがあるようなものではないため、油断しなければ特に問題はないです。
むしろ道中の木の根っこや、足元が砂っぽくて滑りやすい急な下りなどに手こずるかもしれません。
登山靴は、長者の森コースならハイキングシューズ(軽登山靴)でも問題ないですが、ソールが多少硬めのタイプの方が、不安定な道では踏ん張りが効きやすく安定するのでおススメです。
最近は、「ソールは硬めだけどアッパーは軽い」というタイプの登山靴も充実していますので、そういうのは今回のような山にはうってつけですよ!
それと、道中に水場や有人小屋は一切ありませんので、必要なものは全て自分で用意しなければいけません。
これからもっと気温が上がると熱中症も怖いですし、防虫対策なども必要です。
初心者の方は、水分や行動食などをどれだけ持っていけばいいか分からないこともあるでしょうから、同行する経験者の方にアドバイスをもらうといいでしょう。
もちろん我々店舗スタッフもアドバイスさせて頂きますので、お気軽にお問い合わせ下さい!
日本百名山の山々に比べるとややマイナーな感じは否めない山なので、曜日や時間帯によってはあまり人に出会わない可能性もあります。
どんな山でもそうですが、一人一人が「”山に入る”というリスク」に備えて、必要となる装備はしっかり準備するようにして下さい。
花と展望の『御座山(おぐらさん)』
おススメです!
大宮店 會田