2019年8月5日(月)
長野県(及び群馬県)の山『根子岳(ねこだけ:2,207m)』と『四阿山(あずまやさん:2,354m)』を縦走登山してきましたのでレポートします!
長梅雨など色々あって、久しぶりの登山!
◆今回の登山コース(時計回り縦走)◆
菅平牧場駐車場~展望台~根子岳~四阿山~中四阿~菅平牧場駐車場
[データ]距離:10.1km/累積標高(登り):950m/標準コースタイム:6時間25分
菅平牧場からスタートし、まず根子岳に登り四阿山へ縦走して、中四阿がある中尾根コースで牧場へ下山する、時計回りの周遊コースです。
距離約10km、累積標高約1000mとそこそこ登り応えもありながら、大パノラマやお花を沢山楽しめる人気のコースとなっており、8月の平日ながら多くの方が登っていました。
ちなみに、同じコースで反時計回りで周遊する方も多いです。
「どちら回りがいいか」はまた最後に書きますが、どちらも魅力的ですので、当日の天気次第とかでお好みで選べばいいと思います。
登山口がある菅平牧場へのアクセスですが、車ですと上信越自動車道[上田菅平IC]から24km/35分程度です。
駐車場は牧場に向かう道路を奥まで進んだ先、管理事務所や売店の近くにあります。
↑登山口に一番近い第1駐車場(下山後に撮影)
※駐車場より1km程手前に料金所があって、そこで入山料として一人200円を支払います。
ちなみに、管理人不在でも帰りに後払が可能なので、早朝から登りたい人も車は朝から止めることができます。
駐車場は同じくらいの面積のものが複数隣接していて、合わせると結構な台数が止められます。
この日は8月の平日でしたので、第1・第2駐車場以外は車は止まっていませんでした。
↑第3駐車場。
第1駐車場のすぐ近くに、根子岳と四阿山への登山口があります。
登山ポストやトイレがありますので、ここで忘れずに利用しておきましょう。
スタートからいきなり分岐します。まず根子岳へ登る(時計回り)方は直進、四阿山へ先に登る(反時計回り)方は、右手に伸びる舗装路へ進みます。
私は根子岳へ先に登る(時計回り)ので直進しました。
今回も、毎度おなじみ早朝スタート(4時台)です。
菅平牧場は、標高1,600m地点にあるので朝の気温は17℃前後と涼しくて快適でした。流石は避暑地としても名高い菅平高原ですね!
↑牧場の柵に沿って、横の道を登っていきます。
菅平牧場では牛さんが放牧されていて、実にまったりとした空気を醸し出しています。
↑ガン見してくる牛さん。怪しいものではないですよ~。
先ずは、牧場から20~30分のところにある、展望台(見晴台)を目指します。
↑コチラがその展望台(見晴台)です。東屋があって休憩にも適しています。
ここまででしたら階段で整備されているので、観光の方でも来ることができるでしょう。
展望台からは牧場がある西側の展望が期待できます。
天気が良ければ北アルプスが一望できるようですが、この日の朝は靄がかかっていて見られず。
↑展望台から見た西側の景色。
展望台を後にしたら、根子岳に向けてひたすら登りが始まります。
足元は石が多いですが、そこまで歩きにくくはないです。
いかにも熊が出そうな雰囲気の中、まだ先は長いのでゆっくり登っていきます。
この根子岳は「花の百名山」に数えられており、春から秋にかけて色んなお花を楽しむことができます。
折角なので道中出会ったお花を少しだけご紹介します(名前間違っていたらすみません)
↓ハクサンフウロ
↓マルバダケブキ
↓クガイソウ
↓クルマユリ
↓ヒメシャジン
色とりどりの様々なお花が咲いていて、登りが苦になりませんでした。
やがて、視界が開けてくると傾斜が更に急になっていきます。
↑特に、山頂直下の登りは急登でジグザグに登っていきました。
そして、ようやく山頂が見えてきました。
「よ~し、根子岳に登頂した・・・・・・・・・・・・・・・」
まぶしっ!
方角と時間的に、丁度太陽が昇ってきて、真正面で受けるタイミングになりました。
まぁ、何はともあれ根子岳(2,207m)に登頂です!
↑山頂にある石祠と手製の看板。
気温は17℃程度で涼しいです。虫がブンブン飛んでいましたが。
↑逆光で写る鐘と、分厚い雲海から昇る太陽。何だかイイ感じになったので、お気に入りの一枚となりました。
根子岳山頂は、西側を中心に眺望に優れます。
やはり靄がかかって北アルプスは見えませんでしたが、それでも非常に清々しい気持ちにさせてくれる展望でした。
↑西側の展望。
南の方角に目をやると、遠くに八ヶ岳連峰とおぼしき山並みを見つけました。
↑南側の展望。
小休憩をしたら、四阿山に向けて縦走開始!
↑根子岳山頂から見た四阿山。
この根子岳⇔四阿山の縦走路は、一癖も二癖もある道でした。
↑先ずは南側が切れ落ちている細い道を注意して進みますが、笹が登山道まで飛び出しており、一部はちょっとしたヤブ漕ぎ状態に。
更に朝露で、トレッキングパンツは太もものところまでビシャビシャになりました。
そして、溶岩石がせり出した細い道を巻いていきます。
先程の根子岳までの道とは全然違う雰囲気に、面食らいました。
やがて前方が開けたら、四阿山に続く鞍部(コル)まで一気に下降していきます。
「あそこ(赤矢印)まで下るってことは、登り返しが大変だなぁ」って正直思いました。
この鞍部も季節により色んなお花が楽しめます。
↑太陽の光を浴びるマツムシソウ。
↓これは・・・・・・ニッコウキスゲですかね?
他にも、ここでもマルバタケブキがそこそこ咲いてました。
鞍部まで下ってきました。
ここから四阿山に向けて、またガッツリ登りになるので気合を入れ直します。
っと、その前に振り返って根子岳方面をパシャリ。
いや~、雲一つない素晴らしい景色ですね!
進む方向により本当に色んな表情を見せてくれるので、全域においてこのように時折振り返ってみることをおススメしますよ!
さて、鞍部まで下りて四阿山へ向けた登りが始まりましたが、いきなり肩くらいまで伸びた笹のヤブ漕ぎに苦戦しました。
こちらも朝露により、通るたびに再びパンツはビシャビシャです。
速乾性に優れたトレッキングパンツでないと、大変なことになるので服装はやっぱり大事だと改めて思い知らされました。
この先、鬱蒼とした針葉樹林帯の急登が待ち構えます。
日当たりが悪いのか、地面や木の根っこは滑りやすく段差も大きいので、滑らないように注意して登りましょう。
反時計回り(牧場→四阿山→根子岳)で歩く方は下りになりますが、大きい段差や笹で足元が見えづらかったりして転倒などのリスクが結構あるところです。
一息ついたと思ったら、再びの笹と朝露との格闘。
精神力をガリガリ削られていきます。もう勘弁して下さい。
本コースで、最も急で足元が悪い登りにさしかかりました。
木の根っこは本当に滑りやすいので、一歩一歩慎重に登っていきます。
雨の日は特に大変でしょう。
急登をクリアしたら、再び視界が開けてきて傾斜も落ち着いてきます。
先ずは、分岐点に向かいます。
やがてガレた広場に到着します。ここが「分岐点」です。
根子岳・四阿山・菅平牧場(中尾根コース)と3方に分岐する地点です。
四阿山へはそのまま登っていけばOKです。
植生保護のため木道が設置してある地点までくれば、山頂はすぐそこです。
鳥居峠方面への分岐が右手にありますが、気にせず直進します。
↓山頂直前にある「上州祠」です。
山と高原地図のガイドによると、群馬県側の水の流れを見守っていて、群馬県側に向いている祠なんだそうです。
そして、
四阿山(2,354m)登頂!
日本百名山の一つに数えられる四阿山は、長野県と群馬県の県境にあるため、山頂は群馬県嬬恋村に属しているようでそれが分かる標柱も立っています。
ページ冒頭の写真の標柱には「吾妻(四阿)山頂」と書いてあったのは、嬬恋村では吾妻山の名称が使われているからだそうです。
また、山頂にも祠があり、こちらは「信州祠」と言い、長野県側の水の流れを見守っています(長野県側を向いているのはそのため)
四阿山山頂は、360度の大展望!
根子岳の時より空気が澄んできたので、展望も更に期待できそうです!
↑西側の展望。
ちなみに山頂の気温は、20℃程度で虫も飛んでなくて快適でした。
西側の景色を拡大すると、薄っすらとですが北アルプスが見えました!
↑穂高岳や、かなり薄いですが槍ヶ岳も見えています。
南の方角では浅間山や前掛山、奥には奥秩父の山々や富士山も見渡せました。
↑青空と雲海と浅間山の組み合わせが、なんだかイイ感じ!
(8/8追記:2019年8月7日夜に浅間山で噴火が発生しました。現在、浅間山では噴火警戒レベルが3に引き上げられています。詳細は気象庁のHP等をご確認の上、この四阿山周辺の山域でも、安全登山に留意して下さい。)
浅間山より右手奥に見えているのは八ヶ岳連峰で、更にその奥には南アルプスと思しき山々も見えています!
本当に、晴れてくれてよかった~。
コチラは北東側の景色。
↑岩菅山や横手山、右奥には薄っすらと上越の山々?も見えています。
そして根子岳をはじめとした、北西側の展望。
奥に見えるであろう白馬岳などの後立山連峰は見えませんでしたが、開放感のある素晴らしい景色が広がっています。
↓根子岳を少し拡大すると、先程下っていた根子岳⇔四阿山の縦走路や鞍部がハッキリと確認できました。
こういう景色を見ると「よくあそこからここまで登ってこれたなぁ~」って、毎回思うんですよ。
山頂からの景色を十分堪能したら、菅平牧場に向けて下山を開始します。
先ずは先程の分岐点まで、来た道を戻ります。
広場になっている分岐点まで到着したら、中尾根コースで菅平牧場へ下りるので、分岐を左方向に進みます。
※反時計回りで、牧場→四阿山→根子岳と進む人はここで右方向へ進みます。
このような分岐では、現在地をスマートフォンで確認できる無料アプリ「YAMAP(ヤマップ)」が非常に有効です。
歩きやすくて気持ちのいい道を進んでいくと、
↑道中で、山頂よりもよりハッキリと富士山を確認できました!
そして、登山道はこの抜群の開放感ですよ!
遮るもののない大パノラマが下山中にも楽しめるのが、このコースの何よりも素晴らしいところです!
山頂にいた頃より更に、北アルプスの山々が見えるようになってきました。
こちらの写真なら、槍ヶ岳が見える・・・・・・・・・・はず!?
この中尾根コースは、根子岳⇔四阿山の縦走路と比べると歩きやすいですが、それでも滑りやすい・段差が大きいところもあるので、気を抜かないように下っていきます。
景色に見とれて、足元が疎かにならないようにしましょう。
やがて標識が立っている小ピークに到着します。
ここが地図上の「中四阿」という地点(だと思います)
ちなみに「中四阿」と書かれた標識はありませんでした。
そして、再び眼前に広がる大パノラマ!
北アルプスを、真正面に見ながら下山できるこの景色!本当に素晴らしいです!
いや~、下山がこんなにウキウキするのも久しぶりですよ~!!
こちらでも、お花が見られます。
↑マツムシソウ。
夏にぴったりな鮮やかな色が、またいいですね~。
中尾根コースには、途中でいくつか分岐がみられます。
間違えると全く違うところに下山してしまうので、標識を見落とさず地図やGPSで現在地を時折確認するようにして下さい。
林の中は結構涼しくて、気温も20℃いかないくらいでした。
↑やがて、また標識があるところに出ますがここが「小四阿」だと思います。
この小四阿付近で、この大パノラマとはお別れです。
最終的には物凄い薄っすらとですが、剱岳や後立山連峰も見えた・・・・・・・ような気がします!
小四阿を越えると大分傾斜が緩やかになり、樹林帯の中をハイキング気分で気持ちよく歩けます。
菅平牧場から反時計回りに登る方々と、結構すれ違いました。
あれだけ景色が優れていたら、人気なのも頷けますね!
やがて大明神沢沿いに出て、木の橋を一度渡ります。
ここら辺は一部水浸しになっている道も有ったりと、増水時は注意が必要になるところです。
やがて、菅平牧場の柵が見えてきたら、ゴールまであと少しです。
↑牧場横の脇道を進んでいきます。
↓牛さ~ん。
牧場の脇道は、一部は泥濘でグチャグチャになっていました。
すれ違い時などは、お互いに気を付けましょう。
牧場の脇道から車道に出たら、右に進みます。
親切に矢印が描いてありました。
あとは、車道を少し歩いて菅平牧場に戻ってきてゴールです!
菅平牧場は、下山後(午前中)で気温が26℃まで上がっていました。暑い~。
時間が合えば、菅平牧場の売店でソフトクリームとかを食べるのもイイのではないでしょうか!
花の百名山「根子岳」と日本百名山「四阿山」を結ぶ今回のコースですが、山頂の景色やお花はもとより、道中の遮るもののない大パノラマにとても感動しました。
四阿山から菅平牧場への、下山中(中尾根コース)の開けた景色にはテンションが上がりっぱなしで、歩くのが全く苦にならなかった程です。
距離・累積標高の数値的にも、初心者の方がステップアップするコースとしてもいいと思いますね!
装備に関しましては、クサリや岩稜帯はないので登山靴はハイキングシューズ(軽登山靴)でもOKですが、もう少しソールが硬く剛性感がある靴のほうが、急登が安定して楽なのでおススメです(ぜひご相談下さい!)
関東の山よりは朝を中心に幾分涼しいですが、それでも登りでは汗をかくので水分と行動食は十分な量をご準備ください。
それと、根子岳を中心に虫が多く飛んでいたので、防虫対策もお忘れなく。
今回のようにちょっとしたヤブ漕ぎになったり、雨上がり後なら薄手の長袖やロングスパッツも有効です。
今回、私は山と高原地図に倣って時計回りコースを選択しましたが、違うガイドブックでは反時計回りコースで紹介されていたりと様々です。
反時計回りですと、菅平牧場→四阿山への登りは距離があるものの、徐々に傾斜を増していく感じで歩きやすい道が多いので、登りに対する疲労感は違ってくるのかもしれません。
実際に反時計回りで登られる方も多かったです。
ただし「四阿山(分岐点)→鞍部」の針葉樹林帯の急坂が下りになる点は、注意が必要だと思います。
木の根っこが多くて段差も大きいため下りだと滑りやすく、今回のように笹が生い茂っていると足元が見えづらいため、転倒やケガのリスクがどうしても増えてしまいます。
時計回りの場合は、この針葉樹林帯の急坂が登りになるためリスクを多少抑えられますが、根子岳直下の急登など何かと登りで急坂が増えるため、体力的には少し負担が増すかもしれません。
トレッキングポールなんかも有効に使いたいところですね!
とは言え、それらが絶対的な差にはなりませんし、どちらでも景色は最高なので、季節や天気を踏まえてお好みで選べばOKだと個人的には感じました。
私も今度は違う時季に、反時計回りで登ってみたいと思います!
大宮店 會田