登山本店、靴担当の下山です。
(ゲザン)ではなく(シモヤマ)です。
以後、よろしくお願いいたします。
今季注目のAKUのニューモデル
ハヤツキGTXという保温材入り冬靴をフィールドテストしてきました。
ハヤツキGTXで特筆すべきは、軽量、保温性能、扱い易さです。プリマロフトが爪先からタンにかけて盛られている事による冷えにくさ。高さのあるカフが足首をしっかりサポートしますが、かなり柔軟に動かせます。機能性はありつつ片足900グラムという軽さ。足型は前足部にゆとりがあるので幅広の方でも余裕で履けますが、カカト足首のフィットが良いのも特徴なのでタイトフィットを好む方にも納得していただけます。…といういくつかのお薦めできるポイントにフォーカスしてテストしてきました。
今回使用した靴はテストサンプルなので表面の色と素材が若干異なりますが参考にはしていただけます。
山は八ヶ岳、美濃戸山荘から林道を上がり南沢大滝でアイスクライミングという工程です。
スタート地点からすでに5cmほどの積雪があり、土や石、木の根等が混在する登山道に積雪や凍結という状況なのでチェーンスパイクがあると良いのですが、あえて滑り止め無しで歩いてみました。しなやかなシャンクを持つソールの路面追従性で食いつきが良いのを感じます。氷にさえ気をつければ滑るという事はありませんでした。足首の柔軟性によるフラットフッティングのし易さもその要因の一つだと思われます。軽量なので高い段差の足上げも楽々です。
アイゼンはペツルのサルケンをセミワンタッチで装着しました。気になる隙間やズレも無く相性はバッチリです。
通常の冬靴に求められる機能性にはかなりの高評価ができますが今回の課題のもう一つはアイスクライミングです。しなやかで扱い易いという特徴がどうなるか…??
氷壁に取り付く前に下部の緩やかな場所でアイゼンワークのトレーニングです。堅いソールの方が力の伝わりはよいものですが、ハヤツキのソールもしっかり踏めるので爪を効かせたり足場の感触を得たりと感覚は良いと思います。斜度のある所で使う爪先を横に向けるスタンスの時にも足首の柔軟性があるので斜面がねじれていてもフラットフッティングで足を置けます。
さあいよいよ氷瀑を登り始めます。前爪を氷に強く蹴り込んでみますが靴の堅さは充分です。フィットが良いので靴の中の足はズレる事も無く、爪先に衝撃を受ける事もありません。
氷壁はますます立ち上がり上部は垂壁ですが前爪のみで立ち込んでもカカトの浮きもありません。クライミングは足場が良いと腕への負担が減らせるので効率良く登れます。
軽量なので垂直方向への足上げも軽やかに出来ます。
ハヤツキGTXは歩き易さが特徴の靴ですが、垂直方向への登りの使い易さも兼ね備えている万能モデルです。
足を包み込むフィット感や履き心地も特徴の1足です。
是非とも一度店頭で試し履きしていただいて今年の冬靴の候補の一つに加えてください!
ご来店お待ちしております。
よろしくお願いいたします。
登山本店 下山