
アートスポーツ本店スタッフです。
HOKAのランニングシューズというと、まず厚みのあるミッドソールを思い浮かべる人が多いかもしれません。
ただ、今回RUNNING EXPOで試せる4モデルを並べてみると、同じHOKAでも走り方の設計はかなり違います。
CLIFTON PROは、日常の走りをベースにしながらスピードにも対応するモデル。MACH 7は、テンポ走や普段のトレーニングまで幅広く使いやすいスピード系モデルです。
一方、CIELO X1 3.0とROCKET X3は、カーボンプレートと高反発フォームを使ったレース寄りのシューズ。ただし、この2足も「カーボンだから同じ」というわけではありません。
この記事では、メーカー公表情報を軸に4モデルの違いを整理し、どんな走り方の人が試す価値があるのか、実際に試し履きするときにどこを見るべきかまで解説します。
HOKA 4モデルを最初に整理
CLIFTON PRO

カテゴリー:デイリー~スピードトレーニング
ドロップ:8mm
特徴:ProGlideフォーム、ロッカー形状、反応性とクッション性の両立
向いている走り:普段のランニング、テンポ走、ペースアップ
試し履きのポイント:前足部への体重移動とロッカーの転がり方
MACH 7

カテゴリー:デイリー/トレーニング
ドロップ:5mm
特徴:SuperCritical EVA、軽快な足運び、通気性を考えたアッパー
向いている走り:ジョグ、テンポ走、日常トレーニング
試し履きのポイント:クリフトン PROとの反発感・接地感の違い
CIELO X1 3.0

カテゴリー:レース
ドロップ:7mm
重量:メンズ約213g(28.0cm)、ウィメンズ約175g(24.0cm)
特徴:PEBAフォーム、カーボンプレート、非対称レーシング
向いている走り:レース、スピード練習
試し履きのポイント:柔らかいフォームとプレートの組み合わせ、足元の安定感
ROCKET X3

カテゴリー:トレーニング/レース
ドロップ:7mm
重量:約227g(28.0cm)
特徴:デュアルデンシティPEBA、カーボンプレート+ウイングレット
向いている走り:レース、レースペース練習、スピードトレーニング
試し履きのポイント:CIELO X1 3.0との反発感、接地の安定性、蹴り出し
CLIFTON PRO「普段使い」と「速さ」を一足で考える
CLIFTON PROは、クリフトンシリーズの名前を持ちながら、一般的なデイリートレーナーとは少し違う方向へ振られたモデルです。
HOKA公式の比較では、CLIFTON PROは通常のクリフトンよりもスピードを意識した設計とされ、ProGlideミッドソールと、より積極的なロッカー形状によって、足を前へ送りやすい構成になっています。
ポイントは、単純に「クリフトンより上位」という考え方ではありません。
普段のジョグや回復走だけを重視するなら、より穏やかな乗り味のモデルが合う場合があります。一方、同じシューズでペースを上げる日も作りたいなら、CLIFTON PROの性格が見えてきます。
8mmドロップも、HOKAのスピード系モデルの中では比較的扱いやすいポイントです。
試し履きでは、歩いたときのクッションだけで判断しないことが重要です。数歩走って、足が接地したあと自然に前へ転がっていくか、ペースを上げたときにロッカー形状が自分のフォームと合うかを確認したいところです。
CLIFTON PROが合いにくい可能性があるのは、接地から蹴り出しまでを自分の足で細かく操作したい人。ロッカーによる足運びが、フォームによっては「自分で動かしている感覚」と違って感じられることがあります。
MACH 7 軽快さを重視したトレーニングシューズ
MACH 7は、HOKAの中でスピードトレーニングを考えるときに比較しやすいモデルです。
ミッドソールにはSuper Critical EVAを採用。
5mmドロップで、CLIFTON PROよりも前後の高低差が小さく設定されています。
アッパーにはCreel Jacquardを採用し、ゾーンごとの通気性を考えた構造。内側にはガセットを設け、足との一体感を狙っています。
アウトソールは前足部にグリップ性を持たせ、ヒールには耐摩耗性を考えたラバーを配置しています。
MACH 7を見るときに重要なのは、
「速いシューズ=レースシューズ」と考えないことです。
MACH 7は、日々の練習の中でテンポを上げたい場面に使いやすいポジション。レース専用のカーボンシューズほど極端な反発を求めるのではなく、普段のトレーニングとスピード練習の間をつなぐ存在として考えると分かりやすくなります。
CLIFTON PROと比較するなら、8mmドロップでロッカーによる前進感を感じやすいCLIFTON PROに対し、MACH 7は5mmドロップによる足元の感覚を含めて、より軽快な走りを狙う方向です。
試し履きでは、同じペースで2足を履き比べると違いが分かりやすくなります。
CIELO X1 3.0 軽さと反発をレースに振ったカーボンシューズ
CIELO X1 3.0は、HOKAのレースカテゴリーに位置するカーボンプレート搭載モデルです。
PEBAフォームを使った高反発のミッドソールに、精密に設計されたカーボンプレートを組み合わせています。
HOKAはCIELO X1 3.0を、これまでで最も軽量なスーパーレースシューズとして位置付けています。
メンズ28.0cmで約213g、ウィメンズ24.0cmで約175g。
7mmドロップというスペックも特徴です。
アッパーにはLeno weave系のテキスタイルを使用し、レーシングは非対称配置。ヒールまわりも細かく設計されています。
このシューズで重要なのは、
「柔らかい=誰でも走りやすい」ではないことです。
PEBAフォームによる大きな変形とプレートの反発を使うため、足が沈んだ後に前へ進む感覚が強く出ます。
その反面、ゆっくり走ったときには、シューズの性能を十分に引き出せない人もいます。
試し履きでは、単に立って「柔らかい」と判断せず、少しペースを上げてみること。前足部で接地したときにプレートがどの位置で曲がり、どのタイミングで押し返してくるのかを確認すると、自分との相性を判断しやすくなります。
ROCKET X3 カーボンの反発を安定性まで含めて考える
ROCKET X3もカーボンプレートを使ったレースシューズですが、CIELO X1 3.0とは設計思想が異なります。
ミッドソールにはデュアルデンシティPEBAフォームを採用し、カーボンプレートにはウイングレットを設けています。
約227g、7mmドロップ。
CIELO X1 3.0より数字上は重いものの、ROCKET X3は低めのプロファイルと、効率的な蹴り出しを意識した構成です。
CIELO X1 3.0が「軽さ、柔らかさ、反発」を強く感じる方向なのに対し、ROCKET X3は接地から蹴り出しまでをより予測しやすい方向に感じる人がいます。
ここはレビューで語られる評価であり、足型や走り方によって印象は変わります。
だからこそ、この2足はスペック表だけで選ばない方がいい組み合わせです。
試し履きでは、同じサイズを履いて、同じ場所を数分走る。特に「着地した瞬間」「足が沈む量」「前へ転がるタイミング」「左右へのブレ」「ペースを落としたときの扱いやすさ」を比較すると違いが見えてきます。
4モデルをどう選ぶか
普段のランニングを中心に考えるなら、
CLIFTON PROとMACH 7から比較すると分かりやすいでしょう。
CLIFTON PROは、クッション性を確保しながらペースアップにも対応させたい人向け。MACH 7は、日常のトレーニングの中で軽快な足運びを重視したい人向けです。
レース用を探しているなら、CIELO X1 3.0とROCKET X3の比較が重要です。
軽さとPEBAフォームによる大きな反発を重視するならCIELO X1
3.0。カーボンの推進力に加えて、接地の扱いやすさも含めて選びたいならROCKET X3を試してみる価値があります。
ただし、最終的な判断はスペックだけではできません。
ランニングシューズは、同じサイズでも足幅、甲の高さ、踵の形、接地位置、走るペースによって印象が変わります。
RUNNING EXPOで試し履きするときの5つのチェックポイント
① サイズだけでなく踵の固定を見る
踵が浮かないか、締め付けすぎていないかを確認します。
② 立った状態だけで判断しない ランニング時に足がどう動くかが重要です。
③ 普段のペースで一度走る
速いペースだけではなく、普段のジョグでも扱えるかを確認します。
④ ペースを上げてみる
ロッカーやプレート、フォームの反発が自分のフォームと合うかを確認します。
⑤ 同じカテゴリーを履き比べる 特にCLIFTON PROとMACH 7、CIELO X1 3.0とROCKET X3は連続して試すと違いを理解しやすくなります。
まとめ
HOKAの4モデルは、すべて「厚いクッションのHOKA」という一言では説明できません。
CLIFTON PROは日常からペースアップまで、MACH 7は軽快なトレーニング、CIELO X1 3.0は軽量性と反発を重視したレース、ROCKET X3はカーボンによる推進力と接地の扱いやすさを含めて考えるレースモデル。
RUNNING EXPOで試し履きするなら、モデル名だけを見るのではなく、「自分の走り方に対して、どのシューズがどう動くのか」を比較することが重要です。
スペックを見て決めるのではなく、実際に足を入れて、同じ条件で走り比べる。そこまでやることで、HOKAの4モデルの違いが見えやすくなります。






